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24/08/29

資産運用・経済

40年間の国民年金保険料を新NISAで積立投資したらいくらになる?

年金にまつわる7つの期限、過ぎるとどうなる?もらえない?

国民年金保険料の金額は毎年見直され、値下がりする年もあれば、値上がりになる年もあります。しかし、将来もらえる老齢年金は、老後のくらしをすべて賄えるほどではない…。とすると、毎月の国民年金保険料を新NISAで運用したほうがいいのかも?と考える人がいても不思議ではありません。
今回は、毎月の国民年金保険料を新NISAで積立投資をしたらいくらになるかをご紹介。国民年金よりも新NISAを優先した方がいいのか、考えてみましょう。

国民年金保険料を新NISAで積立投資したらどうなる?

国民年金保険料は2016年度以降月1万6000円台で推移してきました。しかし、2024年度は前年比で1か月あたり460円アップの月1万6980円。さらに、2025年度は月1万7510円と、1か月あたり530円アップします。

今後も、国民年金保険料は値上がりする可能性はありますが、シミュレーションにあたっては国民年金保険料が月1万7000円で、40年間変わらないと仮定しました。この金額(=年20万4000円)を新NISAで投資するとします。

2024年から始まった新NISAでは、投資で得られた利益にかかる税金が一生涯にわたってゼロにできます。毎月1万7000円、年20万4000円を投資しますので、40年間の元本合計は816万円になります。新NISAでは、1人あたり1800万円(生涯投資枠)まで投資ができますので、816万円全額を新NISAで運用することができます。

40年後の元本と、40年にわたって年利1%〜5%が得られた場合の元本+運用益の合計は次のとおりです。

<新NISAの運用シミュレーション>

筆者作成

毎年の運用利回りが高いほど、最終的な元本+利益の合計額が当然高くなります。新NISAなら運用益が非課税なので、利益から税金が引かれず、そのまま手取りになります。

金融庁「はじめてみよう!NISA早わかりガイドブック」によると、1989年以降20年にわたって長期・積立・分散投資を続けた場合の年間収益率は2%〜8%に収まり、元本割れしていません。あくまで過去のデータの分析結果ではありますが、40年にわたって投資することでお金が堅実に増やせそうなことがわかります。この試算は国内外の株式と債券に積立投資した前提でのものですので、株式や債券に投資するインデックスファンド・バランスファンドを利用して堅実な運用をすることでも十分達成可能でしょう。

長期投資は長い目で考えることが大切。一時的な為替や株価などの価格変動に一喜一憂せずに投資を続けていきましょう。もっとも、老後資金づくりの運用なら、ゴールが近づいてきたら、ローリスクで堅実な運用スタイルにシフトするのもひとつの考え方です。

国民年金の受取額が新NISAの金額を追い抜くまでの年数は?

国民年金は、20~60歳まで40年間加入し、保険料を支払う義務があります。その保険料と同額を、同じ40年間、新NISAで運用したら、まとまった資金づくりができることがわかりました。

国民年金に40年間加入することで65歳からもらえる国民年金(老齢基礎年金)の満額は、81万6000円です(2024年度)。仮にこの金額をもらい続けた場合、新NISAで運用した場合とくらべて、おトクなのでしょうか。

国民年金の2024年の満額を65歳からもらい続けた場合、100歳時点の国民年金の総額は2937.6万円になる計算です。

<国民年金の受取り額と新NISAの金額を追い抜くまでの年数>

(株)Money&You作成

65歳からもらえる国民年金の金額が、上で紹介した「新NISAで年利1%〜5%が得られた場合」の金額を追い抜くまでの年数は、年利1%で13年、2%で16年、3%で20年、4%で25年、そして5%で32年となります。

寿命は誰にもわかりませんが、40年間の国民年金保険料が816万円なのに対し、仮に90歳まで国民年金を受け取ったとしても2121.6万円ですから、払い込んだ金額の2.6倍もらえる計算です。

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国民年金も新NISAもどちらも取り組むことが大切

毎年の年金額は、確かに老後の生活を十分にまかなうものではないかもしれません。しかし、新NISAの資産は使えば減ります。高齢になるにつれて、手元のお金が減っていくのは心細いものです。それに対して年金は一生涯にわたってもらうことができますので、長生きのリスクに対応できます。

それに、国民年金保険料の支払いは国民の義務です。国民年金保険料を支払わないでいると、老後の年金が減ったりもらえなくなったりするのはもちろん、障害年金や遺族年金ももらえなくなる可能性があります。そのうえ、保険料を払えるのに払わない場合などには差し押さえが行われることもあります。

ですから、「NISAで運用するから」と、国民年金保険料を納めないのはもってのほかです。国民年金保険料を払い、その上で新NISAにも取り組み、将来のお金を用意していきましょう。

なお、国民年金保険料の納付が難しい場合は、免除や納付猶予を受けることもできます。詳しくはお住まいの市区町村の窓口にご相談ください。

タケイ 啓子 ファイナンシャルプランナー(AFP)

36歳で離婚し、シングルマザーに。大手生命保険会社に就職をしたが、その後、保険の総合代理店に転職。保険の電話相談業務に従事。43歳の時に乳がんを告知される。治療を経て、現在は治療とお金の相談パートナーとして、相談、執筆業務を中心に活動中。FP Cafe登録パートナー

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