17/05/02

資産運用・経済

この記事のライター

岡田禎子

【投資女子への道】第32話　テクニカル分析⑤〜恋にも投資にも勝つ法則とは？〜

この連載を読んでいけば、一流の「投資女子」になれること間違いなし!?
OLの神崎美穂（37）と山口玲奈（33）は、株式投資のスクールに通っています。二人はチャート博士・岡田の講義を受けている真っ最中ですが……。

グランビルの法則とは？

チャート博士・岡田が教壇で講義をしています。

岡田「・・・ということで、ローソク足がいかに重要なテクニカル指標かお分かり頂けたと思いますがー」

美穂と玲奈がヒソヒソ話をしている。

玲奈「・・・みんな人生エンジョイしてるんだろうなあ」

美穂「どーしたの、玲奈ちゃん。負のオーラ満載だよ」

玲奈「だって、ゴールデンウィークだというのに彼氏もいない、トキメキもない、で株の勉強ですよー、あーあ、人生に勝つ法則が知りたい！（ドンっと机を叩く）」

岡田「玲奈さん？どうかしました？」

玲奈「あ、スミマセン」

岡田「人生に勝つ法則は分かりませんが、今回は株に勝つ、とっておきの法則を教えて差し上げましょう」

玲奈「え、本当に！教えてください」

岡田「それは『グランビルの法則』です」

美穂「グランビル？」

岡田「移動平均線と株価の位置関係や方向性から今後の値動きを予測する方法です。ジョゼフ・E・グランビルが編み出した法則で、株には『買いシグナル』『売りシグナル』の売買ポイントが8つあると提唱しました」

美穂「8つ！ですか」

グランビルの法則を使って勝ちに行こう

岡田「グランビルの8つの売買シグナルは表の通りです」

（出所：筆者作成）

（出所：筆者作成）

玲奈「本当だ。8箇所ありますね」

岡田「では勝つ法則をお伝えしましょう。①はトレンドの転換ポイント、株価が移動平均線を下から上に突き抜けたら買いのシグナルです。②は上昇トレンドの移動平均線を株価が下に突き破った時、これは押し目の買いシグナルと言われています」

玲奈「押し目の買いって？」

岡田「これは失礼。『押し目買い』とは、株価が上昇トレンドにある時に、一時的に株価が下がるタイミングを見計らって買いを入れる手法のことです。相場では株価が下落することを『押す』と表現することからこう呼ばれています」

玲奈「なるほど！」

美穂「つまり、①は下降トレンドから上昇トレンドへ変換したかどうかを見極め、②でその上昇トレンドをしっかり確認するって感じですか？」

岡田「さすが投資女子！その通りです。そして③は株価が下落しつつも移動平均線をクロスすることなく再び上昇し始めたら、大きな株価上昇ポイントになります。鉄板の買いシグナルですね！」

玲奈「勝ちパターンですね！」

岡田「そして④は、株価が移動平均線を大幅に下回って下がった時、これは『下げすぎ』で株価の戻りが期待できるため買いシグナルとなります」

玲奈「4つあるうちに一番オススメの買いポイントはどれですか？」

岡田「③ですね。まとめると、①は上昇トレンドに転換したか、まずは確認、②はさらに上昇トレンド入りを確認し買いに入る、③で強い上昇トレンドを確認し本格的に買う、④は下降トレンド入りを確認、というところでしょうか。勝てる確率が高いのが③で、次に②、さらに沢山エントリーしたい人は、①、④で買いに入ると良いでしょう」

玲奈「なるほど、初心者でも分かりやすいですね」

岡田「グランビルの法則は、ローソク足に移動平均線を一本加えるだけで、売買のタイミングやトレンドの変換がわかる、とても優れたものなんです。視覚的にも分かりやすいですし、私は好んで使う法則の一つです」

玲奈「岡田博士は、勝てる法則をたくさん知ってそうですね」

岡田「それがですね。。。恋だけは負けっぱなしで、ハハハ」

美穂「勝つことばかりが人生の全てじゃないです！あえて負けるって手もありますよ」

岡田「あえて負ける？そ、それは、新説だ」

美穂「じゃあ、続きは博士の研究所で」

岡田「それは有難い。ぜひお願いしますっ！」

美穂「玲奈ちゃんも行ける？」

玲奈「もちろん！（独りごとで）さすが先輩。ときめいて来た！」

(続く)

＊本記事で紹介する個別の銘柄・企業名については、あくまでも参考として申し述べたものであり、その銘柄又は企業の株式等の売買を推奨するものではありません。購入する場合は自己責任でお願い致します。