23/08/23
ふるさと納税が10月から変更でどうなる?お得度が下がるのか
2008年から始まったふるさと納税。利用者数は徐々に増え、2022年度で891.1万人、寄付額は9654.1億円にのぼっています(総務省「ふるさと納税に関する現況調査結果」より)。知名度の高い制度となりました。
そんなふるさと納税の基準が、2023年10月から厳格化されることになりました。この変更により、寄付に対する返礼品に影響があるのでしょうか。また、これからふるさと納税を始めたい方向けに、申請方法についても紹介します。
ふるさと納税はどんな制度?
ふるさと納税は応援したい自治体へ寄付をする制度です。寄付金額の2,000円を超える部分は、所得税の還付や住民税の控除が受けられます。また、多くの自治体では、寄付に対して特産物などの返礼品を用意しているため、実質的には自己負担2,000円で、返礼品がもらえる仕組みです。ふるさと納税は「ふるさとチョイス」「さとふる」などのポータルサイトからネットショッピングのように自治体や返礼品を選んで寄付ができます。
2023年10月からふるさと納税はどう変わる?
ふるさと納税は自己負担2,000円で返礼品が受け取れる嬉しい制度ですが、返礼品をめぐり、過度な競争を防ぐためにこれまでも寄付を受ける自治体に対し以下の基準が設けられていました。
・経費は寄付額の50%以下
・経費のうちの返礼品は寄付額の3割以下
・返礼品は地場産品に限る
2023年10月からは、以下の基準が追加されます。
●ふるさと納税の変更点①:経費の対象が増える
経費の項目に、寄付金の受領証の発行のための事務費・郵送代といった、これまで経費とみなされてこなかったものが追加されます。経費は寄付額の50%以下にする基準が既にありますので、10月以降は経費が増える分、返礼品の量が少なくなる、もしくは返礼品を変更せず寄付額が増える可能性があります。
●ふるさと納税の変更点②:加工品のうち、熟成肉と精米について原材料が自治体と同じ都道府県産のものとする
これまで、熟成肉と精米は、原産地が自治体と異なる都道府県産のものでも「加工や製造の主要部分を自治体で行っている場合」は、返礼品の対象とすることができました。しかし2023年10月以降、熟成肉と精米については、原産地が同じ都道府県産のものではないと取り扱えなくなります。そのため、この2製品を扱う自治体の数が少なくなる可能性があります。
実際の影響は、10月以降にならないとわかりませんが、基準変更の影響を受けたくない方は、9月までにふるさと納税を行いましょう。
ふるさと納税の限度額は所得によって変わる
ふるさと納税の寄付はいつでもできますが、所得により限度額があります。限度額以上に寄付をすると、その部分は純粋な寄付となり、税制メリットはなくなりますので注意が必要です。限度額は各ふるさと納税ポータルサイトのシミュレーションページから試算できます。
2023年の寄付の限度額の計算には、2023年の所得を用います。つまり正確な限度額を試算するには2023年の12月に発行される源泉徴収票が必要となります。基準が変更となる2023年10月には間に合いませんので、昨年の所得を参考にしましょう。限度額を超えないか心配な場合、9月末までに試算額より少なめに寄付をし、源泉徴収票を受領後、再度試算し、寄付枠が余っていたら、追加で寄付をするといいでしょう。
ふるさと納税の申請方法はどうする?
ふるさと納税として寄付をした後は寄付額の申請が必要です。申請には2通りあります。
●ふるさと納税の申請方法①:ワンストップ特例
ワンストップ特例では、寄付先の自治体へ「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」を郵送することで、申請手続きが完了します。複数の自治体に寄付をした場合は、自治体ごとに郵送が必要です。期日は翌年の1月10日までなので、年末に寄付をした場合は、早めに手続きを行いましょう。ただし、ワンストップ特例は、「1年間のふるさと納税の寄付先が6自治体以上の場合」「確定申告が必要な場合」は利用できません。その場合は確定申告による申請を行いましょう。
●ふるさと納税の申請方法②:確定申告
確定申告は1年間(1月1日〜12月31日)の所得に対する税金を計算して税務署に申告すること。翌年2月16日~3月15日に行います。先ほどのワンストップ特例の締め切りは翌年1月10日ですので、ワンストップ特例の締め切りに間に合わなかった方も確定申告をすればふるさと納税の申請ができます。国税庁のホームページの案内に沿って入力を進めると、申告書が作成されます。申告の際には寄付後に各自治体から届く「寄附金受領証明書」、またはが必要になりますので、申告まで無くさずに保管しておきましょう。
まとめ
ふるさと納税2023年10月から基準が変更になりますが、それでも2,000円の自己負担で返礼品が受け取れることは嬉しいことです。地元や旅行で訪れた地など、寄付を通して応援したり、返礼品を受取ることで自治体の理解を深めたりしていきたいですね。
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金子圭都 ファイナンシャルプランナー(CFP︎®︎)
学生の頃、親族の死をきっかけにお金について学び、ファイナンシャルプランナーの資格を取得。お金の勉強をする女性コミュニティでイベントの企画・運営に3年間携わり、のべ200人以上のお金の悩みに寄り添う。その後独立し、お金の不安を安心に変えるマネー相談を中心に活動中。FP Cafe登録パートナー。
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