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23/08/11

家計・ライフ

定年後いくら収入があれば幸せなのか お金と健康と幸せのバランスを考えてみた

定年後いくら収入があれば幸せなのか お金と健康と幸せのバランスを考えてみた

定年後の収入が大きく減ることを意識して、将来に不安を抱いている人は少なくないでしょう。2019年に発表された老後2000万円問題は話題になりました。老後というとお金のことが強調される傾向にありますが、実はお金がどんなにあっても、幸せな老後を過ごせるとは限りません。人生を振り返れば、こうしておけばよかったと後悔することもあるはずです。
今回は、豊かな老後を過ごすためのお金と健康と幸せのバランスについて考えていきましょう。

老後の生活費はいくら必要と考える?

今や人生100年時代。60歳くらいで定年を迎えて、定年から30年以上も老後の期間を過ごすことも珍しくなくなりました。だんだんと気力・体力が落ちていくこの時期は、若いときのようにバリバリ働くこともできないので、上手に老いるための覚悟と備えが必要になります。

生命保険文化センター「生活保障に関する調査」(2022年度)によると、夫婦2人で老後生活を送る上で必要と考える最低日常生活費は月額平均23.2万円。加えて、ゆとりある生活を送るために必要と考える金額は平均14.8万円となっています。両者を合計した「ゆとりある老後生活費」は月額平均37.9万円になっています。

ゆとりのための上乗せ額の使途として挙げられているのは、次のようなものです。

●ゆとりのための上乗せ額の使途(複数回答)

生命保険文化センター「生活保障に関する調査」(2022年度)より

ゆとりのための上乗せ額の内容を見ると、「旅行やレジャー」「日常生活費の充実」「趣味や教養」「身内とのつきあい」などが上位になっており、老後をアクティブに過ごしていきたい意向がうかがえます。

お金の備えは、健康で文化的な生活を営める程度の金額は必要となりますが、後は自分がやりたいことや充足感を感じるものにお金を使えると人生の満足度が上がります。

幸せな老後を送れる人が気をつけている順番

ある精神科医の話によれば、幸せな一生を送れる人は、「健康」「つながり」「お金」の順番を守っており、その優先順位を間違えると幸せになれないそうです。
幸福にも種類があり、基礎に「心と体の健康」の幸福があり、その上に土台に「つながりや愛」に包まれた幸福があり、そして最後に「お金や成功・達成」という幸福があるのです。

「つながり」について考えてみましょう。たとえば、お金を得るために家族のつながりを軽視して仕事ばかりをしていると、今までのつけから妻から離婚を請求される、子どもが不登校や引きこもってしまうなどにつながってしまいます。また仕事一筋だった人がいきなり仕事をやめると孤独感を感じる場合もあります。

さらに「つながり」の幸福が得られたとしても、がんや難病が見つかり闘病を余儀なくされると、幸せだとは思えなくなってしまいます。たとえ高い収入が得られても、心や体を壊せば療養が必要になり、回復にいたるまでには時間もかかります。自分の健康を犠牲にして大金が得られたとしても、幸せだとは感じないでしょう。このとき、日頃は気づかない自分の健康がいかに大切なものかを痛感させられるのではないでしょうか。

何事もなく、安らぎと安定した気分でいられる健康の幸せがなければ、何事も成り立ちません。このことから、健康を優先してがんばる人が、最後に本当の成功を手に入れることができるといえるでしょう

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老後の準備は早い方が幸福感は高くなる

老後ゆとりのある生活は月37.9万円も必要というデータを見ると、もっと老後のためのお金を貯めなくては、仕事を増やさなくては、という気持ちにかられますが、必要なお金は人によってそれぞれです。老後といえども、元気に旅行を楽しむとか、やりたいことをやれる時間は限られています。自分したいことを具体的にイメージできると、それに必要なお金もわかってきます。たくさんのお金を得ることばかりに執着すると、どんなに貯めても不安がつきまとい、バランスを欠いてしまいます。

老いても好きなことをして、体調がよい状態であるためには、食事や運動などの健康習慣が確立できている必要があります。健康を維持するためには、何年も前から取り組んで、はじめて結果として表れます。人づきあいや生きがいも同じです。老後を幸せに過ごすためには、お金の問題に偏ることなく、早いうちから残りの人生の計画立てて、理想の実現を考える必要があります。

お金で幸せを買うことはできませんが、お金によってより高い生活水準を獲得し、人生の選択肢を広げることはできます。お金があればゆとりある老後を送れるかもしれません。しかし、同時に健康をベースに「自分がやりたいことは何か」「どんなことで充足感を得られるのか」を考えておくことが大切です。そうすることで、より幸せな老後につながるでしょう。

池田 幸代 株式会社ブリエ 代表取締役 本気の家計プロ®

証券会社に勤務後、結婚。長年の土地問題を解決したいという思いから、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー(AFP)を取得。不動産賃貸業経営。「お客様の夢と希望とともに」をキャッチフレーズに2016年に会社設立。福岡を中心に活動中。FP Cafe登録パートナー

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