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23/06/10

資産運用・経済

ChatGPTに絶対に儲かる投資はあるか聞いてみた

ChatGPTに絶対に儲かる投資はあるか聞いてみた

話題のChatGPT、もう使ってみましたか?ChatGPTは、人に聞くかのように質問を投げかけると、それに対して自然な形で回答を生成してくれます。最新版の実力はすでに米国の司法試験に合格するレベルになっているというのですから驚きです。
そんなChatGPTに「絶対に儲かる投資はあるか」を聞いてみました。さて、ChatGPTはどんな回答をするのでしょうか。

絶対に儲かる投資はない

筆者の考えから先にお伝えしますが、絶対に儲かる投資はありません。たとえば「元本保証でお金が大きく増える」「年利10%が確実に手に入る」「プロが運用するから必ず稼げる」などの「おいしい話」は、すべて詐欺です。なぜなら、投資にはリスクがあるからです。

投資のリスクとは「リターン(収益)のブレ幅」のこと。リスクが大きくなると、リターンも大きくなるという比例の関係にあります。「ローリスク・ハイリターン」は、存在しないのです。

そもそも、絶対に儲かる投資があれば、自分だけでやっていればいいはず。それを「特別なあなた」などに紹介する必要はありません。しかし、それでは儲からないので、人に紹介して、お金を騙しとろうとしているのです。
ですから、「おいしい話」には決して近づかないようにしましょう。

とはいうものの、もしも絶対に儲かる投資のアイディアがあるならば、聞いてみたいものです。なにせ、最先端のテクノロジーで作られたChatGPTですから、もしかしたら画期的な回答を出してくれるかもしれません。

以下、ChatGPTにした質問と、ChatGPTの回答をそのまま掲載しています。なお、ChatGPTの回答には、誤りが含まれている場合があります(回答のあとに解説します)。

質問1:絶対に儲かる投資はありますか?

【ChatGPTの回答】

投資は常にリスクが伴うものであり、絶対に儲かると言える投資は存在しません。投資は市場の変動や経済状況によって影響を受けますので、完全な安全性や確実な利益を求めることは難しいです。
ただし、適切なリサーチや情報収集、リスク管理を行うことで、投資の成功確率を高めることができます。以下に一般的に一定のリターンを期待できる投資手法のいくつかを示します。

1.株式投資: 株式市場での株式購入や売却によって利益を得る方法です。株式市場はリスクが高いですが、適切な分析や投資戦略に基づいて株式を選ぶことで、長期的な成果を上げることができる場合があります。
2.不動産投資: 不動産を購入して賃貸収入や資産価値の増加を狙う投資です。地域や物件の選択、適切な資金計画、市場の需要と供給のバランスなどが重要です。
3.投資信託: 投資信託は複数の資産を組み合わせたポートフォリオで運用され、投資家はその一部を所有します。投資信託のパフォーマンスは運用会社の選択や市場の状況によって変動します。
4.自己投資: 自己教育やスキルの習得に投資することも重要です。自己投資は将来の収益を向上させる可能性があります。

これらの投資手法は一般的なものですが、個人の投資目標やリスク許容度によって適切な方法が異なる場合があります。投資に関しては、専門家の助言や自己のリサーチを行い、自身のリスク許容度と目標に基づいた計画を立てることが重要です。

ChatGPTをもってしても、絶対に儲かる投資は「ない」とのことでした。投資には常にリスクが伴い、市場の変動や経済状況による値動きの影響を受けます。「完全な安全性や確実な利益を求めることは難しい」。まさにそのとおり、正しい回答だと思います。

ChatGPTは一定のリターンを期待できる投資手法として株式投資・不動産投資・投資信託・自己投資の4つを挙げています。説明はやや抽象的ではありますが、適切な投資先を選ぶことで成果が上がる場合があることを紹介。特に、間違ったことはいっていません。
金融商品ではない「自己投資」を挙げてきたところは、おもしろいですね。自分のスキルが高まることで、給与が上がったり、新しい道が開けたりして、将来の収益が上がる可能性があるのも、そのとおりだと思います。

絶対に儲かる投資はないものの、ChatGPTはどのような投資手法がいい(一定のリターンを期待できる)と考えるのでしょうか。次のような質問をしてみました。

SBI証券[旧イー・トレード証券]

質問2:短期投資と長期投資、どちらのほうが儲かりますか?

【ChatGPTの回答】

短期投資と長期投資のどちらが儲かるかは、投資のスタイルや個々の市場状況によって異なります。一概にどちらが優れているとは言えません。以下にそれぞれの特徴とメリットを説明します。

短期投資:
短期投資は比較的短期間で行われる投資活動です。一般的には数日から数ヶ月程度の期間を対象とします。短期投資の特徴は以下の通りです。
1.速い利益: 短期投資では、比較的短い期間で利益を獲得することが可能です。市場の小さな変動や短期のトレンドを利用して利益を得ることを狙います。
2.高いリスク: 短期投資は市場の変動に敏感であり、リスクが高いです。価格の急な変動や市場の不確実性によって、投資元本を失う可能性もあります。

長期投資:
長期投資は、数年以上の期間を見据えた投資活動です。以下に長期投資の特徴を示します。
1.安定した成長: 長期投資では、長期的な企業の成長や経済の好況に基づいて利益を追求します。投資を保有し続けることで、価値の上昇や配当などを受け取る可能性があります。
2.リスクの分散: 長期投資では、ポートフォリオを幅広く分散することができます。異なる資産クラスや業種に投資することで、リスクを分散し、投資の安定性を高めることができます。

どちらが優れているかは個人の投資目標やリスク許容度によります。短期投資は迅速な利益を追求する一方で、リスクも高くなります。一方、長期投資は市場の長期的な成長に焦点を当て、比較的安定したリターンを追求します。投資戦略を選ぶ際には、自身の目標やリスク許容度を考慮し、バランスの取れたポートフォリオを構築することが重要です。また、投資に関しては、専門家の助言やリサーチを行うことも推奨されます。

こちらも、やや抽象的な回答ではありますが、だいぶ内容を捉えている印象です。
「短期投資と長期投資のどちらが儲かるか」だけでは、一概にどちらが儲かるとはいえません。相場は値上がりしたり値下がりしたりを繰り返します。うまく値上がりするタイミングだけをとらえて短期投資できれば、短期間で利益が得られるでしょう。しかし、値下がりするタイミングで短期投資をする可能性もあります。このときは、損失が大きくなってしまいます。ChatGPTも、短期投資の「速い利益」(「短い期間で利益が得られること」でしょう)をメリットとしてあげつつ、リスクが高いことにも触れています。

一方で、長期投資をすれば、仮に一時的に損失が出ても後から回復する見込みがあるうえ、経済成長による利益も期待できます。ChatGPTも、長期投資を行うことで値上がり益や配当が得られること、リスクを抑えて比較的安定したリターンを追求できることを紹介しています。

また、ChatGPTは「自身の目標やリスク許容度を考慮し、バランスの取れたポートフォリオを構築することが重要」と回答しています。これも大切なことです。

リスク許容度は「自分が損にどのくらい耐えられるか」を表す度合いです。たとえば「収入・資産が多い」「年齢が低い」「投資歴が長い」ほど、リスク許容度が高いといえます。たた、これらの条件でリスク許容度が高かったとしても「リスクを取りたくない」と考えていればリスク許容度は低くなります。

●リスク許容度のイメージ

(株)Money&You作成

自分のリスク許容度を踏まえて投資先を選ぶとスムーズです。

自分に合ったポートフォリオができたら、なるべくコストを抑えることが大切。ということで、最後にNISAについて聞いてみました。

質問3:NISAについて教えてください

【ChatGPTの回答】

NISA(Nippon Individual Savings Account)は、日本の個人向けの税制優遇制度の一つです。以下にNISAの特徴と利点を説明します。

1:税制優遇: NISA口座に投資した資金の利益(配当や株価の上昇益)は非課税となります。また、NISA口座内での売買による利益も非課税です。通常の一般口座での取引と比較して、税金を節約することができます。
2:年間上限: NISA口座には年間の投資上限が設定されており、2023年現在は1人につき40万円までの投資が可能です。ただし、これは口座に入金する金額であり、投資先の価値が増加した分については上限の対象外です。
3:投資対象: NISA口座では、株式や投資信託、ETF(上場投資信託)、REITs(不動産投資信託)などの一部の金融商品に投資することができます。ただし、一部の投資商品や取引方法に制約がありますので、具体的な制度の規定や口座開設先の条件を確認することが重要です。
4:長期運用: NISAは特に長期運用に適しています。口座を開設した年から最大20年間、特定の年度内での非課税枠を利用することができます。長期的な資産形成や退職資金の準備など、将来の目標に向けて投資することができます。
5:他の制度との併用: NISAは他の投資制度と併用することも可能です。例えば、つみたてNISAやiDeCo(個人型確定拠出年金)と組み合わせることで、さらに税金優遇の恩恵を受けることができます。

NISAについては具体的な条件や制度の詳細がありますので、金融機関や証券会社の公式情報や税務署のガイドラインを参照することをおすすめします。また、個々の投資に関してはリスク管理や専門家のアドバイスを受けることも重要です。

NISAは、投資で得られた利益にかかる20.315%の税金が非課税になる制度です。2023年時点では、一般NISA・つみたてNISA・ジュニアNISAの3つの制度があります。ただ、旧NISAの3制度で新規に投資ができるのは2023年末まで。2024年からは、新NISAで投資ができるようになります。

現行のChatGPTが学習している情報は、2021年9月までです。したがって、2024年からの新NISAについての言及がないのは仕方ないことかもしれません。しかし、ChatGPTの回答をよく見ると、旧NISAの記述もけっこう間違っています。とくに、つみたてNISAと一般NISAの区別がついていないように見えます。

「2:年間上限」には「2023年現在は1人につき40万円までの投資が可能」とあります。しかし、40万円までなのは、つみたてNISAだけです。ジュニアNISAは年間80万円、一般NISAは年間120万円まで投資ができます。

一方、「3:投資対象」には「株式や投資信託、ETF(上場投資信託)、REITs(不動産投資信託)などの一部の金融商品に投資することができます」とあります。これは、一般NISAやジュニアNISAのことです。つみたてNISAでは金融庁の基準を満たす投資信託・ETFにしか投資できません。

また、「4:長期運用」には「口座を開設した年から最大20年間、特定の年度内での非課税枠を利用することができます」とありますが、これは怪しい表現です。つみたてNISAの場合、投資した年から最大20年にわたって運用益を非課税にできます。「口座を開設した年から」ではありません。また、一般NISAの場合、非課税期間は5年間です。

そして「5:他の制度との併用」。NISAはiDeCoと併用することはできますが、旧NISAの3制度は併用できません。この点は、明らかに間違っています。
なお、2024年からの新NISAでは、つみたてNISAと同様の投資ができる「つみたて投資枠」で年120万円、一般NISAと同様の投資ができる「成長投資枠」で年240万円、合計で年間360万円まで投資ができるようになります。

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まとめ

ChatGPTに投資に関する質問をした結果を紹介しました。「絶対に儲かる投資」「短期投資と長期投資」といった、投資の方法に関する質問の回答は、やや抽象的ではありましたがかなり正確でした。しかし、NISAの制度の質問への回答は、まだまだ間違いが多いようです。それでも、正しい情報のように表示されてしまう点には注意が必要です。

絶対に儲かる投資はありませんが、これからお金を増やしていくには、投資が欠かせないことは事実です。2024年にはNISA制度の改正もあり、ますます投資しやすい環境が整います。ぜひ投資をスタートさせて、お金を増やしていきましょう。

畠山 憲一 Mocha編集長

1979年東京生まれ、埼玉育ち。大学卒業後、経済のことをまったく知らないままマネー本を扱う編集プロダクション・出版社に勤務。そこでゼロから学びつつ十余年にわたり書籍・ムック・雑誌記事などの作成に携わる。その経験を生かし、マネー初心者がわからないところ・つまずきやすいところをやさしく解説することを得意にしている。2018年より現職。ファイナンシャル・プランニング技能士2級。教員免許も保有。趣味はランニング。

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