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16/03/12

資産運用・経済

マイナス金利導入! 外貨投資が拡大の時代へ

マイナス金利導入!外貨投資が拡大の時代へ

2016年1月29日付で「マイナス金利」が導入決定されたことにより、金融機関をはじめ個人投資家は、外貨や外国債券への投資が加速することが予想されます。今後どのように資産形成していくべきなのか一緒に考えましょう。

そもそも「マイナス金利」ってなに?

マイナス金利とはなにかを理解するためには、日銀と金融機関との関係性を知る必要があります。

第一に、日銀は「銀行の銀行」であるということ。日銀は、金融機関に対しては保有する預金の一定割合以上の金額を、日銀の当座預金に預け入れることを課しています。これを「準備預金制度」と言います。この制度によりお金の流通量を操作しているわけです。

一般消費者が銀行に預けると、銀行に利子をつけてもらうことと同様、各金融機関は、日銀の当座預金にお金を預けていることで利子をつけてもらっていました。それが今回、利子率をマイナス0.1%になったことにより、各銀行が日銀に対して利子を払う必要が出てきたわけです。

読者の中には「各銀行が日銀に対して利子を払う」というイメージを得られない方がいると思いますが、日銀に預けるには「手数料」がかかるようになったと理解しておけば良いでしょう。

マイナス金利の導入で日本はどう変わる?

マイナス金利の導入により、各金融機関は日銀に預けると損をしてしまうため、融資やローンなどで他へお金を回して利益を得ようとする行動が拡大します。これによって、世の中にお金が出回り、預金金利やローン金利も低くなるため、消費や投資の喚起が期待されるわけですが、時間がかかることでしょう。

そのため、民間銀行は、新たに増える日銀への手数料分を補填するために、預金金利を下げました。また、円資産への投資で期待できる利益が低くなったことにより、金融機関をはじめ個人投資家は、外貨や外国債券への投資を加速していくでしょう。

そもそも「円資産」だけでなく「外貨資産」を持つ必要あり

資産運用を考えるときには、自分の資産全体の「ポートフォリオ」を考えることが大切です。ポートフォリオとは、「資産の組み合わせ」のことを指します。「地域」や「資産」を組み合わせることが大切。具体的には「日本だけ」でなく、先進国や新興国なども含めて国内外を対象とし、株式だけでなく債券も組み合わせるのです。

資産運用の王道は「分散投資」。分散投資の考え方は、最悪なケースを避けつつ安定的に利回りを得るためには必要な考え方です。

外貨投資と聞いて「外貨預金」を選ぶのは禁物

外貨投資と言っても様々で、外貨預金、外国株、外国債券、FXなどがあります。この中で特に女性に人気の高いのは外貨預金です。

外貨預金はその名のとおり、円を外国通貨に換えて預金することです。米ドル、ユーロ、豪ドル、イギリスポンド、ブラジルレアル、南アフリカランドなどあります。外貨建ての元本が保証され、相対的に円預金よりも高い利子が付きます。「預金」という言葉が付いていますし、銀行での取り扱いがある為、クリーンなイメージを持たれている女性が多いのでしょう。

ただし、気を付けなければならないのは、引き出すときの為替レートによって、実際にどれくらいになって戻ってくるかが変わることです。これは外貨預金に限ったことではないのですが、外貨預金を始めた時に比べて、円安であれば「為替差益」が得られ、円高であれば「為替差損」が生じます。

また、「日本円を外貨へ替えるとき」と「外貨を日本円へ替えるとき」に手数料がかかる点に留意が必要です。
外貨預金は、期待できる利益に対する手数料は高く、つまり費用対効果は低く、オススメできない資産の一つです。

海外資産へ投資している「インデックス型」の投資信託を活用しよう

個人投資家が購入できる投資信託は6000本近くあります。その中に「インデックス型」というものがありますが、これは、日本株式のTOPIX(東証株価指数)、日経平均、米国株式のS&P500などのような代表的な指数と同じ値動きを目指す運用をしているファンドを指します。

指数とは、東京株式市場のようなまとまった市場全体の動きを反映しているモノサシのようなものだと考えてみてください。

インデックスファンドは市場全体に分散投資できるというメリットがあります。銘柄選択が機械的であり、手数料が低くオススメできる資産の一つです。海外資産へ投資するインデックス型投資信託を活用しましょう。

バランスよく資産・地域を選べない人は「バランス型」を活用しよう

理想は、市場全体に分散投資ができ、かつ手数料の低いインデックス型投資信託を用いて、国内・海外、株・債券・不動産(REIT)をバランス良くポートフォリオを組むことです。

ただ、「バランスよく商品を選ぶのが良くわからない」「手間がかかり面倒くさい」という方は、手数料はインデックス型投資信託より高くなってしまいますが、「バランス型」の投資信託を選んでみてはいかがでしょうか。

頼藤 太希 マネーコンサルタント

(株)Money&You代表取締役。中央大学商学部客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に現会社を創業し現職へ。ニュースメディア「Mocha(モカ)」、YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」、書籍、講演などを通じて鮮度の高いお金の情報を日々発信している。『はじめての新NISA&iDeCo』(成美堂出版)、『定年後ずっと困らないお金の話』(大和書房)、『マンガと図解 はじめての資産運用』(宝島社)、など書籍100冊、累計170万部超。日本証券アナリスト協会検定会員。宅地建物取引士。ファイナンシャルプランナー(AFP)。日本アクチュアリー会研究会員。X(旧Twitter)→@yorifujitaiki

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