23/05/30
銀行口座の持ちすぎは危険?口座放置で起こりうる3つのこと
銀行口座の持ちすぎはNG?3つの危険に注意
銀行口座をたくさん持っている方は要注意。そこには3つの危険が潜んでいます。
まず、不正利用される可能性があることです。2020年の「ドコモ口座」の不正利用事件は、何者かが不正に取得した銀行口座の情報を悪用したことで発生しました。つまり、銀行口座をたくさん持っていることで、不正の標的になる可能性があるのです。
著書「1日1分読めば身につくお金大全100 改訂版」より
次に、口座に手数料がかかる可能性があること。2021 年、大手銀行を中心に「口座維持手数料」「通帳発行手数料」の導入が相次ぎました。知らない間に手数料が請求されるかもしれません。
著書「1日1分読めば身につくお金大全100 改訂版」より
さらに、「休眠預金」になる可能性もあります。休眠預金は、10 年間取引のない銀行預金のこと。休眠預金となった場合は、お金が公益事業などに活用される可能性があります。休眠預金となったあとも、手続きをすれば返金されますが、返金の手間や時間がかかってしまいます。
著書「1日1分読めば身につくお金大全100 改訂版」より
もし銀行口座をたくさん持っているならば、使っていない銀行口座は解約し、口座のお金を集約していくことをおすすめします。
銀行口座はいくつ持つのが正解?
銀行口座は、毎月の生活費をやりくりする「生活費口座」とお金を貯めるための「貯蓄口座」の2つを用意しましょう。
生活費口座では、毎月の給料や報酬などの収入を受け取ります。お金が振り込まれたら、まず先取り貯蓄で貯蓄する分のお金を貯蓄口座に移します。このとき、銀行の自動振替を利用すると、生活費口座から貯蓄口座に自動的・強制的にお金を移動できるので手間がかかりません。
著書「1日1分読めば身につくお金大全100 改訂版」より
生活費口座は、各種費用の引き落とし口座に設定しましょう。家賃・住宅ローン・水道代・光熱費・通信費・クレジットカード代・保険料など、自動で口座引き落としにできるものはすべて生活費口座にまとめることで、支出もわかりやすくなります。なお、公共料金や保険料などはクレジットカードにまとめるのも1つです。ポイント還元を効率よく受けられます。
また、貯蓄口座からはお金を引き出さず、た「5年以内に使い道が決まっているお金」「10年以上使わない将来のためのお金」を貯めていきます。お金の動きがわかりやすくなり、支出も把握しやすくなります。
給料の中からどのくらい貯めればいい?
賃貸住まい、あるいは住宅を購入して家賃や住宅ローンを支払っている場合は、手取りの2割は貯蓄に回すのが理想。実家暮らしで住居費がかかっていないならば、5 割と半分は貯めたいところです。
まずは最初の100 万円を目指してお金を貯めましょう。100 万円という金額は、これから用意しなければいけない金額に比べれば少ないかもしれません。しかし同時に、簡単に貯められそうで、意外と貯められない金額でもあります。
なにより、千里の道も一歩から。100万円を貯めることができたら、「100万円貯められた」という成功体験が刻まれ、お金を貯める楽しみがわかるでしょう。そうなれば、500万円でも、あるいは1000万円でも、お金を貯めるための大きな原動力になってくれるはずです。
達成できたら、次は生活費の6か月分、できれば1 年分を目指して貯蓄します。
6か月分を目指す理由は、不測の事態に備えるためです。急な病気やケガで働けなくなったり、リストラや会社の倒産にあったりすることも、ないとはいえません。もしものときに少なくとも半年分の生活費があれば、非常事態があったときにも落ち着いて対処することができるからです。もしものときのお金は、すぐに使えることが重要ですので、預貯金で用意しておくと安心です。
お金を増やす投資も、6か月分の生活費が貯まってから本格的に行います。とはいえ、半年分の生活費が貯まるまでには時間がかかりますので、2 〜3か月分程度貯まったら、500〜3000円で投資を始めていくといいでしょう。
『1日1分読むだけで身につくお金大全100 改訂版』 頼藤太希/高山一恵 著
お金の基本、家計管理、節約、節税、iDeCo、NISA、ふるさと納税、キャッシュレス決済、保険、給付金・手当、投資までお金の教養として身につけるべき100項目を厳選して解説。改訂版では、データの刷新はもちろん、新NISA対応、相談の多いお金のQ&Aを8選追加。
「1分読めば身につく」にこだわり、できる限りコンパクトにまとめた至極の1冊。
【関連記事もチェック】
・国民年金保険料「40年間全額免除」だと、年金はいくらもらえるのか
・「ねんきん定期便久々に見たら大幅増額」年金額が数十万円増えている驚きの理由
・年金を「月22万円」もらえる人の現役時代の年収はいくら?
・年金受給者に1月届く「公的年金等の源泉徴収票」チェックすべき3つのポイント
・「64歳で退職するとお得」は本当?失業給付は65歳退職といくら違うのか
頼藤 太希 マネーコンサルタント
(株)Money&You代表取締役。中央大学商学部客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に現会社を創業し現職へ。ニュースメディア「Mocha(モカ)」、YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」、書籍、講演などを通じて鮮度の高いお金の情報を日々発信している。『はじめての新NISA&iDeCo』(成美堂出版)、『定年後ずっと困らないお金の話』(大和書房)、『マンガと図解 はじめての資産運用』(宝島社)、など書籍100冊、累計170万部超。日本証券アナリスト協会検定会員。宅地建物取引士。ファイナンシャルプランナー(AFP)。日本アクチュアリー会研究会員。X(旧Twitter)→@yorifujitaiki
この記事が気に入ったら
いいね!しよう