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23/05/20

家計・ライフ

給与「デジタル払い」解禁。給与は今後、銀行口座に振り込まれなくなる?

給与「デジタル払い」解禁。給与は今後、銀行口座に振り込まれなくなる?

給与といえば、毎月決まった日に銀行口座に振り込まれるもの…というイメージが、これからは変わってくるかもしれません。2023年4月から給与の「デジタル払い」が解禁されたからです。今回は、デジタル払いの仕組みとデジタル払いを受ける方法をご紹介。デジタル払いが浸透したら、給与は銀行口座に振り込まれなくなるのかまで、解説します。

給与のデジタル払いってそもそも何?

デジタル給与払いとは、企業が従業員に支払う給与をデジタルマネーとして電子マネーやスマホ決済アプリで支払うことをいいます。
給与(賃金)について定めた労働基準法に「賃金支払の5原則」があります。これによると、賃金は、
(1)通貨で、
(2)直接労働者に、
(3)全額を、
(4)毎月1回以上、
(5)一定の期日を定めて
支払わなければならない、と規定されています。

ここからもわかるように、実は労働基準法では「賃金は全額を現金で直接支払わなければならない」と決まっているのです。今はほとんどの人が給与を銀行口座で受け取っていると思いますが、これは例外的に認められているもの。2023年4月からの給与のデジタル払いは、銀行口座と同じような扱いで、新たに給与の支払い方法として加わったものだというとわかりやすいでしょう。

給与のデジタル払いでは、給与をキャッシュレス決済のアプリなどに直接振り込んでもらうことができます。これによって、従業員側は銀行口座から給与を引き出す手間や残高をチャージする手間が減らせます。また、銀行口座を持っていない人や作りにくい人(日本で働く外国人労働者など)でも給与を受け取りやすくなるメリットがあります。
また、企業にとっても給与を銀行振込するよりもキャッシュレス決済のアプリに入金した方が手数料を抑えられるメリットがあります。そのうえ、将来的には給料を「週払い」「日払い」にするなど、給与の受け取り方を柔軟に決めることができます。

給与のデジタル払いを受けるには?

給与のデジタル払いは法律上解禁されましたが、本稿執筆時点(2023年5月15日)ではまだ利用できません。なぜなら、デジタル給与払いの対象になる電子マネーやスマホ決済アプリになるには、厚生労働大臣の指定が必要だからです。

2023年4月から、電子マネーやスマホ決済アプリのサービスを手がける「資金移動業者」による厚生労働大臣への指定申請が始まっています。申請後、数か月にわたって厚生労働省による審査が行われ、基準を満たすと判断された場合にはじめて厚生労働大臣の指定が行われます。報道によると、PayPay、au PAY、楽天ペイ、d払い、メルペイ、Airペイなど8社が厚生労働大臣への指定申請を行なったとのことです。

厚生労働大臣によるキャッシュレス決済の指定が行われたら、各事業者は従業員との間で労使協定を締結します。その後さらに、各事業者が個々の従業員にデジタル払いを説明。労働者が同意した場合に給与のデジタル払いがスタートする、という流れになっています。

給与のデジタル払いで心配な不正取引(心当たりのない出金など)があった場合、口座の所有者(従業員)に過失がなければ、全額補償されます。しかし、過失がある場合は個別のケースにより異なるようです。また、仮に不正な取引があった場合、少なくとも30日以内に申し出が必要なので、心当たりのない取引がないかを確認して、不正な取引があったらすぐに問い合わせましょう。

また、資金移動業者が万が一破たんしたら、口座の残高が保証機関から速やかに弁済されます。

SBI証券[旧イー・トレード証券]

給与のデジタル払いはどんなルール?

給与のデジタル払いは、以下のようなルールで行われます。

●口座の上限額は100万円以下

給与のデジタル払いの口座の上限額は100万円以下となっています。仮に、給与が振り込まれて口座残高が上限額を超えた場合、残りのお金はあらかじめ労働者が指定した銀行口座などに自動的に出金されます。この出金にかかる手数料は労働者の負担になる可能性もあるとのこと。給料日前には、残高に気をつけたほうがいいでしょう。

●給与の一部をデジタル払い、残りを銀行口座で受け取ることもできる

給与のデジタル払いでは、給与のうち10万円だけを指定した資金移動業者の口座で受け取り、残りは銀行口座で受け取る、といったことができるようになります。また、最後の入出金日から少なくとも10年間は、申し出ることで現金を引き出すことができます。

●口座残高の現金化もできる

口座にあるお金をATMや銀行口座などに出金、現金化することもできます。少なくとも毎月1回は手数料無料で現金化できるようになります。なお、現金化できないポイントや仮想通貨などでの賃金支払いはできません。

なお、給与のデジタル払いは法律上解禁されましたが、必ずデジタル払いしなければならないわけではありません。給与のデジタル払いを導入しない事業者では引き続きこれまでどおりの方法で給与が支払われます。また、給与のデジタル払いを導入する事業者でも、労働者が「デジタル払いを希望しない」という場合は、これまでどおりの方法で給与を受け取ることかできます。事業者は労働者にデジタル払いを強制してはいけないというルールもありますので、「どうしてもデジタル払いは利用したくない」という場合は、利用しないことも可能です。

ただ、各キャッシュレス決済が給与のデジタル払いの認可を受けた後、特典を打ち出してくる可能性もあるでしょう。その内容がわかってから、利用するかどうか、利用するとしていくらをデジタル払いにしてもらうかを決めるのでも遅くないでしょう。

まとめ

給与のデジタル払いの仕組みと、デジタル払いを受ける方法をお話ししてきました。デジタル払いを利用するかしないかは従業員が決められます。これまでどおり、給与を銀行口座に振り込んでもらうこともできます。ただ、現段階ではどんなサービスになるのか不透明な部分もあります。2023年の秋か冬か、タイミングはわかりませんが、詳細が見えてきたら利用するかどうかを決めるのがいいでしょう。今後の動向をチェックしておきましょう。

畠山 憲一 Mocha編集長

1979年東京生まれ、埼玉育ち。大学卒業後、経済のことをまったく知らないままマネー本を扱う編集プロダクション・出版社に勤務。そこでゼロから学びつつ十余年にわたり書籍・ムック・雑誌記事などの作成に携わる。その経験を生かし、マネー初心者がわからないところ・つまずきやすいところをやさしく解説することを得意にしている。2018年より現職。ファイナンシャル・プランニング技能士2級。教員免許も保有。趣味はランニング。

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