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22/12/29

資産運用・経済

新NISAの仕組み、変更点、活用方法をプロが徹底解説

新NISAの仕組み、変更点、活用方法をプロが徹底解説

NISA(ニーサ・少額投資非課税制度)は、投資で得られた利益にかかる税金が非課税にできる制度です。2024年、このNISAの制度が改正され、大きく変わります。
今回は、2024年からのNISAの改正内容をご紹介。合わせて、新NISAをどう活用すればいいのか、考え方を解説します。

一般NISAとつみたてNISAを合わせた「新NISA」

旧NISAには、一般NISA・つみたてNISA・ジュニアNISAの3種類があり、1年間に投資できる金額や運用できる商品、利用できる人などが異なります。ジュニアNISAは2023年末で終了しました。

そして、2022年12月16日に公表された「令和5年度税制改正大綱」に、一般NISA・つみたてNISAが2023年末で終了すること、2024年から大幅に拡充された新NISAが新設されることが盛り込まれました。

●旧NISAと新NISAの概要

(株)Money&You作成




旧NISAの一般NISA・つみたてNISAと比べながら、新NISA変更点を見ていきましょう。

●新NISAの変更点1:NISA制度が恒久化される

旧NISAの一般NISA・つみたてNISAの投資可能期間は2023年末までとなります。2024年からは、新NISAを利用した投資ができるようになります。新NISAは、制度が恒久化されたため、期限を気にせず投資ができます。
なお、一般NISA・つみたてNISAで保有していた資産は、2024年以降の新NISAとは別枠で、それぞれの非課税期間で保有できます。ですから、すでに旧NISAを利用していた人は、その分非課税で投資できる金額が多くできることになります。

●新NISAの変更点2:非課税保有期間が無制限になる

旧NISAの一般NISA・つみたてNISAでは、非課税保有期間が終わった商品は課税口座(特定口座・一般口座)に移して保有する仕組みでした(一般NISAでは、新しい非課税投資枠に商品を移す「ロールオーバー」も可能)。その点、新NISAで投資した資産は、非課税保有期間が無期限ですので、「課税口座に移す」といった作業も不要ですし、いつまででも運用益非課税の恩恵が受けられます。

●新NISAの変更点3:年間投資枠が大きく増加する

旧NISAの年間投資枠は、つみたてNISAが年40万円、一般NISAが年120万円までとなっています。また、つみたてNISAと一般NISAは併用できないため、どちらかを選んで利用する必要があります。
これに対して新NISAでは「つみたて投資枠」で年120万円、「成長投資枠」で年240万円、合計で年間360万円まで投資できるようになります。さらに、両方の投資枠を併用することもできます。

●新NISAの変更点4:生涯投資枠が設けられる

新NISAでは、新たに生涯にわたる非課税限度額(生涯投資枠)が設けられます。生涯投資枠の上限は1800万円(うち成長投資枠は1200万円)です。
旧NISAでは、非課税投資枠は一度商品を買って売ると再利用できませんでしたが、新NISAでは商品を売却して生涯投資枠に空きが出た場合、その空き(売却枠)を再利用して新しく非課税の投資をすることができます。なお、売却枠が再利用できるからとはいえ、年間投資枠360万円は超えることはできません。

これにより「残りの非課税期間がもったいないから売れない」といった心配もなくなり、住宅購入資金、教育資金、余暇資金などを用意するのにも使いやすくなります。また、資産配分の偏りを直す「リバランス」もしやすくなります。
なお、売却枠の再利用ができるようになることから、金融機関が手数料目的で顧客に売買を繰り返させる「回転売買」の規制が強化される予定です。

●新NISAの変更点5:一部商品は購入できなくなる

新NISAのつみたて投資枠では、つみたてNISAと同様、金融庁の基準を満たす、長期でお金を増やせると見込める投資信託・ETF(上場投資信託)を積立で購入できます。
新NISAの成長投資枠では一般NISAと同様、株式・投資信託・ETF・REIT(不動産投資信託)を購入できます。一括でまとめて買うこともできますし、積立でも購入できます。ただし、安定的な資産形成のため、成長投資枠では「株式投資の監理銘柄・注意銘柄」「高レバレッジ投資信託」などの商品は投資対象から除外されます。

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2023年は「つみたてNISA」を使おう

こうしてみると、新NISAの制度は旧NISAの一般NISA・つみたてNISAより拡充されていることがわかると思います。しかし、中にはまだNISAをはじめていない人もいるでしょう。「2024年から新NISAを始めればいいか」と思う方もいるかもしれません。

しかしおすすめは、2023年はつみたてNISAを利用することです。
上でも紹介したとおり、旧NISAの一般NISA・つみたてNISAの資産は、新NISAの生涯投資枠1800万円とは別枠で保有できます。つまり、非課税投資金額を多くできます。

非課税投資金額だけで考えると、一般NISAのほうが多くできますが、一般NISAでは5年しか保有できません。20年保有できるつみたてNISAの方が、元本割れの可能性を減らし、堅実に増やせる可能性が高いでしょう。
2024年以降も新NISAのつみたて投資枠で同じ投資信託を積み立てていけば、ドルコスト平均法(定期的に定額購入することで平均購入単価を下げる投資の方法)・複利運用を続けられます。ですから、できるだけ早く始めることをおすすめします。

新NISAは「コア・サテライト戦略」に生かせる!

新NISAで安定的にお金を増やしていくためにぜひ取り入れたい戦略が、コア・サテライト戦略です。コア・サテライト戦略は、自分の資産をコアとサテライトに分けて運用する戦略です。

資産の大部分、7割から9割は「コア資産」で用意し、資産を守りながら安定的に増やします。残りの1割から3割は「サテライト資産」にして、積極的に利益を狙っていきます。こうして、守りながら攻めることで、お金を減らさずに増やす運用を行います。

新NISAでコア・サテライト戦略を行う場合は、
・コア資産…インデックス型・バランス型の投資信託やETF
・サテライト資産…個別株やアクティブ型の投資信託
で運用を行うといいでしょう。

●新NISAのコア・サテライト戦略

(株)Money&You作成

新NISAの活用方法を3パターン考えてみました。

●新NISAの活用法1:つみたて投資枠だけを活用してコア資産を作る

【新NISAでの投資例】
・つみたて投資枠…インデックスファンド・バランスファンド

新NISAのつみたて投資枠で、コアの有力な投資先となるインデックスファンド・バランスファンドに投資する方法です。
つみたて投資枠で購入できる投資信託(=旧NISAのつみたてNISAで購入できる投資信託)は約200本あります。そのなかでおすすめなのは、世界の経済成長の恩恵を受けられる株式に広く分散投資している「世界株インデックスファンド」に投資すること。たとえば、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」といった投資信託を利用すれば、非常に低コストで世界のさまざまな株式への投資が実現します。コツコツ積み立てていきましょう。

どれか1本に月3万円、月5万円、月10万円と投資するのでもいいですし、世界株インデックスファンド3万円・バランスファンド2万円という具合に組み合わせてもいいでしょう。

●新NISAの活用法2:つみたて投資枠と成長投資枠を併用してコア資産を作る

【新NISAでの投資例】
・つみたて投資枠…世界株インデックスファンド
・成長投資枠…ETF

旧NISAのつみたてNISAでは、毎年の投資額の上限が月3万3333円(年40万円)でした。つみたてNISAで投資信託を満額購入し、それ以上に投資したい…という場合には、課税口座(特定口座・一般口座)を利用する必要がありました。たとえば「FIRE(経済的自立と早期リタイア)のためにETFを買いたい」という場合、課税口座での投資になり、税金がかかっていたのです。
新NISAがスタートしたら、新NISAの成長投資枠を利用してETFを購入すれば、ETFで得られた利益も非課税にできます。ETFの投資候補には、世界株ETFのVT、全米株ETFのVTI、高配当株ETFのVYM、増配株ETFのVIGなどがありますが、個人的には暴落相場に強いVIGがおすすめです。

●新NISAの活用法3:つみたて投資枠でコア資産、成長投資枠でサテライト資産を作る

【新NISAでの投資例】
・つみたて投資枠…世界株インデックスファンド
・成長投資枠…日本株・米国株など

新NISAの投資金額を「つみたて投資枠1200万円・成長投資枠600万円」などと分けて、投資信託と株式を購入するのもいいでしょう。成長投資枠では年240万円まで投資ができます。日本株や米国株にタイミングをみての一括投資をしてもよいですし、積立投資をしてみてもいいでしょう。

新NISAだけでどれくらいの資産を形成できる?

新NISAの生涯投資枠の上限は1800万円です。仮に、毎月5万円ずつ投資すれば30年で1800万円、毎月10万円ずつならば15年で上限に達する計算です。

仮に毎月10万円ずつ投資して、年利3%・5%で運用ができたとします。15年後の資産総額は年利3%なら約2270万円、年利5%なら約2673万円になります。以後は積立ができませんが、そのまま運用を続けた場合、資産総額は次のようになります。

●新NISAで月10万円運用した場合の資産総額

月複利を想定。1万円未満四捨五入
(株)Money&You作成

新NISAスタートから15年までは、毎月投資金額が増え、それに合わせて資産総額も増えていきます。15年目、元本が上限の1800万円に達してこれ以上元本を追加できなくなると、資産総額の増え方は少し緩やかになります。しかし、それでも運用を続けていると、資産総額はどんどん増えていきます。
もちろん、運用が必ずこのとおりにできるとは限りませんが、利益が元本に組み入れられ、その利益が新たな利益を生む複利効果を生かして、お金が加速度的に増やせることがわかります。

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新NISAにも注意点がある

最後に、ここまでの解説でフォローできなかった疑問にもお答えします。

●ジュニアNISAは利用すべき?

一般NISA・つみたてNISAだけでなく、ジュニアNISAも2023年末をもって終了します。ジュニアNISAの資産は2024年以降、未成年でも引き出せるようになりますが、引き出す場合は「一部だけ引き出す」ということができず、資産を全て払い出してその後は口座廃止となります。あまり使い勝手がよくありません。
新NISAは「非課税期間が無期限」「年間投資枠拡大」「売却枠の再利用が可能」といった面でジュニアNISAよりも使い勝手がいいので、ジュニアNISAを利用するよりは新NISAを待った方がいいでしょう。もちろん、すでにジュニアNISAを利用している、資金に余裕がある…といった場合は、ジュニアNISAを活用するのがいいでしょう。

●投資の期間は短くても大丈夫?

新NISAの年間投資枠360万円は、毎月積立だと月30万円です。月30万円だと積立期間は5年間と短くなりますが、ドルコスト平均法の効果に問題はないのでしょうか。

金融庁作成「つみたてNISA早わかりガイドブック」では、1985年から2020年の期間において、積立・分散投資を5年で行った場合と20年で行った場合を比較したグラフが掲載されています。

【20年投資すると元本割れのリスクは少なくなる】

金融庁「つみたてNISA早わかりガイドブック」より

保有期間5年では元本割れが生じていますが、保有期間20年では運用成果は年2%〜8%の間におさまり、元本割れのリスクが少ないことが示されています。
せっかく金融庁の資料で「20年投資を続ければ損失が出にくい」という結果が示されているのに、20年間積立投資ができない人がいるのは、少し残念なところです。

ドルコスト平均法は「1景気サイクル約5年」「2景気サイクル約10年」だけで十分という考え方もあります。ただそれは定年後の運用など、運用できる期間が資産形成層と比べて短い場合。長い時間投資ができる資産形成層は、お金を減るリスクを下げつつ堅実に増やす「長期」「積立」「分散」投資の実践が大切です。

なお、毎月の投資金額を調整して20年以上投資できるようにするのもひとつの方法です。たとえば毎月7.5万円ずつ投資すれば、20年で1800万円投資できます。データ上は、20年で元本割れのリスクが少ないことになっているのですから、それを意識した投資をするのがいいでしょう。

●新NISAでも損益通算・繰越控除はできる?

旧NISAでは、複数の口座の利益と損失を合算した金額で税金を計算する「損益通算」や、損益通算で引ききれなかった損失を最大3年間繰り越して利益と相殺できる「繰越控除」は利用できません。新NISAでもそれは同じで、損益通算や繰越控除はできません。NISAでは、利益も損失も「なかったもの」とみなされるため、損失があっても税金を安くするためには利用できない、というわけです。

まとめ

2024年から、一般NISA・つみたてNISAが「新NISA」になることを紹介してきました。ここまでで紹介してきたとおり、長くやるには早く始めることにつきます。知識を身につけたら、あとは行動あるのみ。お金が増える行動をはじめましょう。

今回の内容は動画でも紹介しています。よろしければご視聴ください。

頼藤 太希 マネーコンサルタント

(株)Money&You代表取締役。中央大学商学部客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に現会社を創業し現職へ。ニュースメディア「Mocha(モカ)」、YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」、書籍、講演などを通じて鮮度の高いお金の情報を日々発信している。『はじめての新NISA&iDeCo』(成美堂出版)、『定年後ずっと困らないお金の話』(大和書房)、『マンガと図解 はじめての資産運用』(宝島社)、など書籍90冊、累計150万部超。日本証券アナリスト協会検定会員。宅地建物取引士。ファイナンシャルプランナー(AFP)。日本アクチュアリー会研究会員。twitter→@yorifujitaiki

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