22/10/29
「退職後にお金がない人」の現役時代によくある5つの特徴
退職後は、特別な贅沢をしなくてもいいので、ゆったりと過ごしたいと考えている人は多いのではないでしょうか。しかし現実には、退職後になってお金がない暮らしをせざるを得ない人も少なくありません。
退職後にお金がない人には、共通する特徴があります。そしてその特徴は、現役時代からすでにあらわれています。今回は、退職後にお金がない人の、現役時代によくある5つの特徴と対策についてお伝えします。
退職後にお金がない人の特徴1:退職金・公的年金の金額がわからない
退職後と現役時代の大きな違いは、収入です。現役時代は、収入が基本的に右肩あがり。また、ボーナスがある企業も多いもの。そうすると、多少背伸びした支出をしても、収入が増えればなんとかなるし、ボーナスで穴埋めも可能です。
しかし、退職後になるとそうはいきません。退職金を少しずつ取り崩し、公的年金をもらいながら、計画的な家計を続けていく必要があります。
そのためには、退職金や公的年金がいくらもらえるか知っておくことはとても重要です。
もちろん、制度は随時変わりますので、実際にもらうまで確定した金額はわからないのですが、目安の金額は知っておかないと計画を立てることができません。
計画がないと、いつの間にかお金がない!ということにもつながります。
退職後になってお金に困らないように、まずは退職金や公的年金がいくらくらいもらえるのか、確認しておきましょう。
勤務先に退職金制度があるかどうかわからない人は要注意。すぐに職務規程などを確認してください。
退職後にお金がない人の特徴2:生活費を把握していない
退職金と公的年金の目安額がわかっても、自分の生活費を把握していないと、退職金と公的年金で足りるかどうか判断ができません。
ですから、生活費の把握、つまり支出額の見込みを立てておくことが大切です。
退職後といえども、家計の基本は「収入の範囲で支出をやりくりする」です。
現役時代と違って退職後は収入が限られますから、支出のスリム化は避けられません。生活費を把握していない人は、まずは現在の生活費を確認し、その8割を目安に考えてみてはいかがでしょうか。
退職後は旅行や趣味など、お金のかかることも楽しみたいのであれば、その分も加味する必要があるでしょう。
また、親戚のお祝い事や、自分の急な病気やケガ、家電や車の買換えなども必要になりますが、それらは生活費とは別の特別支出。年に100万円程度を見込んで計算してみましょう。
退職後にお金がない人の特徴3:貯蓄の習慣がない
現役時代に貯蓄の習慣がない人は、退職後にお金がなくなる危険性大です。
貯蓄がないと、退職後の暮らしのなかで急な支出が必要になった時に、借金をする可能性が高くなります。収入に比べて過大な借金はできない仕組みになっていますが、それでも、もし借金をしたらどうなるでしょうか。借金の返済が月1万円でも増えれば、生活が圧迫され厳しくなってしまいます。
いざという時に借金せずに乗り切るには、現役時代からの貯蓄が必要です。そして貯蓄を用意するには、貯蓄の習慣を身につけることが必要です。貯蓄の習慣は、現役時代だけではなく、退職後の生活も守ってくれます。貯蓄の習慣がないのは収入と支出がトントン、つまり同額程度ということです。収入の全部を使ってしまわない生活感覚を身につけましょう。
退職後にお金がない人の特徴4:お金があると気が大きくなる
退職後にお金に困る人は、現役時代からお金があると気が大きくなる人が多く見られます。
気が大きくなる状態は、「貯蓄があるので気持ちにゆとりがある」という状態と似て非なるもの。
気が大きくなるとは、「財布にたくさん入っているので豪勢に使える」と思うような状態です。
気が大きくなっていつもは買わないようなものに散財するタイプの人は、退職までにはその気質をコントロールできるようにしたほうがいいでしょう。
退職金は、勤続年数や勤務先によって異なりますが、1,000万円以上になることも珍しくありません。しかし、大金を手に入れたからと、パーッと使ってしまっては後が続かなくなってしまいます。
また、お金を一気に使わなくても、「いつもは電車だがタクシーを使う」「いつもは並だが上にする」「いつもは手洗いだがクリーニングに出す」などの積み重ねで、月の生活費が倍以上になることも。今まで頑張ってきたのだからという自分へのねぎらいは、メリハリをつけたほうがよいでしょう。
退職後にお金がない人の特徴5:退職後も大きな支出がある
退職後、散財はせず収支をしっかり管理して、計画的な家計を実現していても、退職後にお金がなくなるリスクが高い場合はあります。それは、退職後も住宅ローンや子供にお金がかかるなど、大きな支出の予定があることです。
退職金や公的年金は大切な老後資金です。できるだけ減らさないために、住宅ローンは現役世代のうちに完了させたり、子どもの教育費は生活費とは別口座にしておいたりして、退職金・公的年金をあてにしなくともよいようにしておきたいものです。
まとめ
退職金がいくら高額でも、使えばなくなるのは当たり前のこと。
限られた収入のなか、充実したセカンドライフを送るためにも、退職後にお金に困らないよう、現役世代から気を付けておきましょう。
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タケイ 啓子 ファイナンシャルプランナー(AFP)
36歳で離婚し、シングルマザーに。大手生命保険会社に就職をしたが、その後、保険の総合代理店に転職。保険の電話相談業務に従事。43歳の時に乳がんを告知される。治療を経て、現在は治療とお金の相談パートナーとして、相談、執筆業務を中心に活動中。FP Cafe登録パートナー
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