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22/10/25

相続・税金・年金

国民年金保険料「未納+免除・猶予」が50%超え? 保険料未納者に起こりうる悲劇

国民年金保険料「未納+免除・猶予」が50%超え? 保険料未納者に起こりうる悲劇

年金は、老後の生活の柱となる収入です。国民年金をもらうには、国民年金保険料を支払う必要があります。しかし、コロナ禍による収入の減少や失業などの経済的な困窮により、国民年金保険料の支払いが厳しくなっている人が増えています。
もし、国民年金保険料を支払わなかった場合、将来どうなってしまうのでしょうか。今回は、国民年金保険料がずっと「未納」の人に起こりうる悲劇について解説します。

第1号被保険者の国民年金保険料「未納+免除・猶予」が50%超え

日本の公的年金には、国民年金と厚生年金があります。このうち、国民年金は日本国内に住む20歳以上60歳未満の人が必ず加入する公的年金です。
国民年金は、加入する人を大きく3つに分類しています。

・第1号被保険者:自営業、フリーランス、学生、無職の人など
・第2号被保険者:会社員・公務員など
・第3号被保険者:会社員・公務員などに扶養されている配偶者

このなかで、国民年金保険料を自分で納める必要があるのは、第1号被保険者だけです。
第2号被保険者の保険料(国民年金保険料+厚生年金保険料)は、給与天引きになっています。また、第3号被保険者の保険料は第2号被保険者の保険料の中に含まれています。

厚生労働省「令和3年度の国民年金の加入・保険料納付状況」によると、国民年金の加入者数6,725 万人のうち、保険料の未納者数は 106 万人となっています。

●公的年金加入者数の推移

厚生労働省「令和3年度の国民年金の加入・保険料納付状況」より

国民年金の加入者全体からみた未納者の割合は、約1.6%です。しかし、自分で国民年金保険料を納める第1号被保険者に占める未納者の割合は7.4%。さらに第1号被保険者に占める国民年金保険料の未納者と免除・猶予を受けている人の合計の割合は50.2%と、半分を超えています。

過去5年のグラフを見ると、国民年金保険料の未納者は減少していますが、全額免除・猶予者は増加しています。2020年度に、コロナ禍の影響による国民年金保険料の免除の特例が設けられました。これにより、全額免除・猶予者が増えているとみられます。

国民年金保険料の「未納」と「免除」「猶予」はどう違う?

国民年金保険料の「未納」とは、国民年金の加入が義務付けられていた期間にもかかわらず、保険料を納付していない状態のことをいいます。国民年金保険料を未納にした期間は、年金をもらうために必要な期間(受給資格期間)に含まれないうえ、年金額も未納にした期間分減ってしまいます。未納にした国民年金保険料は、2年以内であれば後から追納することができます。

一方、「免除」は国民年金保険料の支払いが困難な場合に年金事務所などに申請することで支払いを免除してもらうこと、「猶予」は国民年金保険料の支払いを猶予(先送り)してもらうことです。国民年金保険料の免除や猶予を受けた期間は、保険料を納付した期間と同様に受給資格期間として認められます。また、免除の場合は年金額が一部増加します。さらに、10年以内であれば後から追納して年金の受給額を増やすことが可能です。

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国民年金保険料をずっと未納にすると起こる3つの悲劇

国民年金保険料をずっと未納にしていると、次のようなことがおこります。

●財産が差し押さえられる可能性がある

国民年金保険料を未納にしていると、数度にわたって支払いを促す書類(特別催告状・督促状)が届きます。それでも国民年金保険料を支払わないでいると、最悪の場合、財産を差し押さえられてしまう可能性があります。

●年金がもらえない可能性がある

国民年金をもらうためには、最低でも10年以上国民年金保険料の支払いをしていなければなりません。国民年金保険料を未納にしていたことにより、国民年金保険料の納付期間が10年に満たない場合、たとえ「9年は納めた」という場合でも、国民年金を1円も受け取ることができません。

●障害年金・遺族年金がもらえない可能性がある

国民年金保険料を納めていないと、障害を負ったときにもらえる障害基礎年金や、亡くなったときに遺族がもらえる遺族基礎年金がもらえない場合があります。

国民年金保険料を未納のままにしておくと、老後の年金が減ったりもらえなくなったりする可能性があります。また、自分や家族に万が一のことがおきた場合、経済的に厳しい状況に陥ってしまう可能性が高くなってしまいます。ですから、未納だけは絶対に避けましょう。

まとめ

国民年金保険料を40年納付することで、誰でも満額の国民年金をもらえます。しかし、40年の間には一時的に経済的に余裕がなく保険料の支払いができなくなってしまうこともあるかもしれません。万が一、経済的に保険料の納付が難しいことが予想される場合は、なるべく早い段階で年金事務所に相談し、必ず免除や猶予の申請手続きを行いましょう。

渡部ナオコ ファイナンシャルプランナー

大学卒業後から現在まで金融業界一筋のアラサーワーママ。結婚・出産・子育て・マイホーム購入などの自身の経験から、一人でも多くの女性の悩みを解決したいと思い執筆を開始。
プライベートでは一人娘の育児に奮闘中。

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