22/09/15
退職金でやってはいけない投資、7つの地雷商品【Money&You TV】
退職金でやってはいけない投資、7つの地雷商品
老後を支える貴重な資金源「退職金」。そのお金をさらに増やそうと、退職金で投資を始める方がたくさんいます。投資なら何でもお金を増やせると思ったら大間違いで、退職金を確実に減らす投資が多くあります。
金融機関から提案されて購入したばかりに大損する人がたくさんいて、証券・金融商品あっせん相談センターや国民生活センターへの相談件数が増加中。特に高齢者の相談件数が圧倒的に多いようです。
今回は、退職金でやってはいけない投資、7つの地雷商品となぜダメなのかの理由を動画で紹介します。
①不動産投資
②毎月分配型の投資信託
③オプション付き投資信託、仕組債
④ファンドラップ
⑤退職金運用プラン
⑥外貨建て保険
⑦元本保証・ローリスクで高リターンの商品
出演:頼藤 太希(よりふじ・たいき)、高山 一恵(たかやま・かずえ)
制作:株式会社Money&You(編集:宮田 翔吾)
地雷商品の例:オプション付き投資信託、仕組債
たとえばオプション付き投資信託。株式やREIT(不動産投資信託)に投資をしつつ、オプション取引をすることで利益の上乗せをする「カバードコール型投資信託」や、値上がり益や配当・利子に加えて、選択した通貨の為替差益・為替取引によるプレミアム(通貨の金利差)も得ることを目指す「通貨選択型ファンド」などがあります。
仕組債は、債券にオプションなどを組み込んだ商品。元本や利息の支払いに、株価指数や為替レートなどの金融指標の変化による条件が付与されることによって、条件のない債券よりも高い利回りとなっています。しかし、仕組債の取引は、仕組債の購入者(個人投資家)に不利になるようにできています。
●仕組債のオプション取引のイメージ
(株)Money&You作成
たとえば株価を対象にしたオプション取引を行ったとします。このとき、株価がいくら上昇したとしても、仕組債の購入者が得られる利益はあらかじめ決まったオプション料だけです。それに対して、株価が下落した場合は、下落するほど大きな損失を被ります。投資のリスクとリターンにはトレードオフ(比例の関係)があるといわれますが、仕組債の場合は、損失のリスクに見合ったリターンが得られない、というわけです。
金融機関はプロの投資家とオプション取引を行うことで、株価がどうなろうと儲かるようにしています。そのうえ、プロの投資家から受け取るオプション料から、個人投資家に支払うオプション料を大きく「サヤ抜き」しているのです。たとえば、プロの投資家から6%を得て、購入者には1%を支払う、といった具合です。これでは、個人投資家はとても儲かるとは思えません。
そして、金融機関はリスク無しで大儲けできていることがお分かりいただけると思います。
こうした複雑な仕組みを活用すればするほど、価格変動リスクが高くなりますし、手数料も高くなっています。実際、投資した人の多くが損失を被っている状況です。
証券・金融商品あっせん相談センターでの紛争解決手続き終了事例のうち、仕組債は38%でトップ(2021年9月まで1年間)となっています。21年7~9月期の手続き終結事例で多いのは70~80代の高齢者の申し立てです。
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Money&You マネーアンドユー
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