22/07/20
東京23区が「高校生まで」医療費無料に!医療費補助のある都道府県はどこ?
東京23区は2023年度より、所得制限や自己負担なしで新たに高校生の医療費を無償化すると発表しました。現状、東京23区の医療費は通院・入院とも「中学生まで」が無償となっていますが、新たに補助対象期間が高校生まで拡大することになります。
東京23区に限らず、全国の各自治体には「子ども医療費助成制度」があり、子どもの医療費の補助を行なっています。しかし、医療費補助の対象は自治体によって大きく異なります。今回は、子ども医療費助成制度の概要と、各自治体の医療費補助の状況を紹介します。
子育て世帯の医療費負担を減らす子ども医療費助成制度
子ども医療費助成制度とは、子育て世帯の負担を軽減し、子供たちが安心して必要な治療を受けられるようにと、各自治体が医療費を補助してくれる制度です。
子どもが医療機関を受診する際、通常は2割(義務教育就学前)または3割の医療費の自己負担が発生します。しかし、子ども医療費助成制度があるおかげで、医療費が完全に無償となったり、医療費の負担割合が下がったりするのです。
子ども医療費助成制度は、国が一律で決めているものではなく、自治体ごとの財政事情や政策で内容が左右されているのが特徴です。子どもは成人に比べ、体調を崩しやすく回復力も未熟であるため、頻繁な通院や長期の入院が必要となるケースもあります。そのため、子どもの医療費を補助する子ども医療費助成制度が実施されているのです。
東京都は2023年度から、高校生の医療費について「所得制限あり・自己負担通院1回200円」の補助を行う予定です。これに加えて、東京23区は各区が必要な費用を負担して「所得制限なし・自己負担なし」の医療費無償化を実現させる方針です。
東京23区が導入する高校生の医療費無償化には、「産み育てやすい東京」を目指すこと、具体的には子育て支援、少子化対策の狙いがあります。
高校生まで医療費補助を受けられる都道府県は?
厚生労働省「乳幼児等に係る医療費の援助についての調査」(令和2年度)によると、全ての都道府県が何らかの医療費補助を実施しています。
●都道府県の医療費補助実施状況
厚生労働省「乳幼児等に係る医療費の援助についての調査」(令和2年度)より
都道府県の医療費補助の対象年齢として一番多いパターンは、通院・入院ともに「就学前」までです。とはいえ、いつまで補助を受けられるかは、自治体により幅があることがわかるでしょう。
東京23区と同じように、高校生までの医療費(通院費または入院費)の補助が受けられる都道府県は、福島県・茨城県・鳥取県・静岡県の4県です。
●高校生まで医療費補助を受けられる4県
筆者作成
しかし、福島県は所得制限も一部自己負担もあります。鳥取県と静岡県は所得制限はないものの、一部自己負担があります。茨城県については、所得制限も自己負担もある上、高校生まで補助は入院のみ、通院は小学生までが対象となっています。これらと比較すると、所得制限も一部自己負担もないという東京23区の助成内容はかなり充実していると言えるでしょう。
「市区町村別」では4割強が高校生まで医療費補助あり
都道府県とは別に、市区町村でも医療費補助を設けています。
●市区町村の医療費補助実施状況
厚生労働省「乳幼児等に係る医療費の援助についての調査」(令和2年度)より
市区町村別に見ると、通院で733自治体、入院で799自治体、全国のなんと4割強の自治体が高校生(18歳年度末)まで医療費補助を用意していることがわかります。
また、更に驚くべきは、高校生を過ぎても補助対象となっている自治体があることです。
●医療費補助が長く受けられる自治体
筆者作成
愛知県豊田市と愛知県東海市は、入院は24歳年度末まで助成対象となっています。また、北海道南富良野町では入院・通院とも22歳年度末までが補助の対象期間となっています。
大学や大学院卒業など、成人以降まで子ども医療費助成制度の補助対象とは、かなり手厚いといえます。子育て世帯にとっても、親元を離れたばかりの新人社会人にとってもありがたい自治体です。
まとめ
出費の多い子育て世帯を助ける子ども医療費助成制度。子ども医療費助成制度は大変ありがたい制度ですが、自治体によって内容は様々です。いつまで助成があるのか、無償なのか、一部負担するのかによって出費は大きく変わります。子どもがいる方や出産の予定がある方、さらには引っ越しの予定がある方は、お住まいの自治体や引っ越し先の自治体の子ども医療費助成制度がどうなっているのか、確認することをおすすめします。
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城山ちょこ ライター
東京海上日動火災保険出身。慶応大学院SDM研究科修了。
2013年よりライターの道へ。執筆ジャンルは金融(保険)、働き方、子育て、結婚など女性のライフスタイル全般。2児の子育てと仕事の両立に日々奮闘中。丁寧でわかりやすい記事をモットーとしています!
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