21/02/24
クラウドクレジットの特徴や手数料は?他のソーシャルレンディングと比べた魅力をプロが解説
お金を借りたい投資先にネット経由でお金を貸し出すソーシャルレンディング(投資型クラウドファンディング)。利息が受け取れ、満期になればお金が戻ってくるという、債券に似た仕組みを持つところから、「新しいアセット」として注目されています。
今回は、ソーシャルレンディングを運営するクラウドクレジットの特徴や手数料をまとめて紹介。さらにマネーコンサルタントの頼藤太希さんとファイナンシャルプランナーの高山一恵さんに、クラウドクレジットが他のソーシャルレンディング運営会社と比べて有利な点を聞きましたのでご紹介します。
●教えてくれたのは…
頼藤太希さん
Money&You代表取締役/マネーコンサルタント
中央大学客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生保にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に(株)Money&Youを創業し、現職へ。マネーコンサルタントとして、資産運用・税金・Fintech・キャッシュレスなどに関する執筆・監修、書籍、講演などを通して日本人のマネーリテラシー向上に注力している。『1日5分で、お金持ち』(クロスメディア・パブリッシング)、『はじめてのNISA&iDeCo』(成美堂出版)など著書多数。日本証券アナリスト協会検定会員、ファイナンシャルプランナー(AFP)。
高山一恵さん
Money&You取締役/ファイナンシャルプランナー
慶應義塾大学卒業。2005年に女性向けFPオフィス、(株)エフピーウーマンを設立。10年間取締役を務めたのち、現職へ。全国で講演活動、多くのメディアで執筆活動、相談業務を行ない、女性の人生に不可欠なお金の知識を伝えている。著書は『税制優遇のおいしいいただき方』(きんざい)、『ゼロから始めて2時間で一生困らないマネープランができる本』(彩図社)など多数。ファイナンシャルプランナー(CFP®)、1級FP技能士
クラウドクレジットの5つの特徴をまとめて紹介
クラウドクレジットは主に新興国をはじめとする海外の事業にファンドを通じて投資できるサービスです。新興国のなかには、日本よりも資金需要の大きな国があります。その国のベンチャー企業などに投資を行います。サービス開始は2014年6月。以来、多数のファンドを運用しています。伊藤忠商事と資本業務提携をしています。
そんなクラウドクレジットの特徴をまとめて紹介します。
●クラウドクレジットの特徴①:利回りが約5%〜12%
クラウドクレジットで運用しているファンドの利回りは年5.3%~12.5%(2021年2月19日時点)となっています。銀行にお金を預けても利息は0.001%などですので、ほとんど増えません。しかし、クラウドクレジットで運用しているファンドを買えば、あとは満期まで持っているだけで利益が得られるというわけです。
●クラウドクレジットの特徴②:1万円から投資ができる
クラウドクレジットでは、1万円から投資ができます。ですから、投資資金の少ない方でも気軽にスタートできます。投資期間はファンドにより異なりますが、約7カ月から36カ月程度となっています。運用中に値動きを見る必要がないので手軽です。
●クラウドクレジットの特徴③:さまざまなファンドに投資できる
クラウドクレジットで投資できるのは、新興国をはじめとする海外の事業に投資するファンド。ファンド一覧を見ると、ブルガリア、モンゴル、メキシコ、シンガポール、ペルーなど、個人では投資しにくいと思われる国名がずらりと並んでいます。つまり、クラウドクレジットを利用すれば、これらの新興国の成長の力を借りてお金を増やせる、というわけです。
●クラウドクレジットの特徴④:社会貢献も目指している
クラウドクレジットでは、「社会的インパクト投資」も実践しています。社会的インパクト投資とは、単に投資のリターンとしてお金を受け取るだけでなく、「村に電気が通った」「新しい雇用機会が生まれた」といった社会貢献も目指す投資です。近年話題のSDGs(持続可能な開発目標)の諸問題の解決にも取り組んでいます。
●クラウドクレジットの特徴⑤:オンラインセミナーも開催
クラウドクレジットでは、不定期ながらソーシャルレンディング・投資型クラウドファンディングに関するセミナーを開催しています。ソーシャルレンディングのサービスはできてまだ日が浅いため、「よくわからないところがある」という方もいるでしょう。オンラインセミナーを見れば、その疑問もきっと解決します。
クラウドクレジットの口座開設やファンド購入の手数料は無料
クラウドクレジットでは、会員登録・口座開設・口座管理・ファンドの購入にかかる手数料は無料になっています。ただし、これとは別に、ファンドの運用手数料が年率で1.5%〜3.5%程度かかるほか、銀行口座からの振込手数料は自己負担となります。また、クラウドクレジットの口座から出金(払い戻し)する際、月1回は無料ですが、2回目以降は756円(税込)の事務手数料がかかります。
プロが教える! クラウドクレジットが他のソーシャルレンディングと比べて有利な3つのポイント
クラウドクレジットが他のソーシャルレンディングと比べて有利なポイントを3つ、お金のプロに聞いてきました。
●クラウドクレジットの有利なポイント・メリット①:利回りが高い
クラウドクレジットの利回りは年5.3%~12.5%(2021年2月19日時点)。新興国への投資は比較的高利回りです。しかも、一度投資すればあとは満期が来るのを待つだけですから、手間もかかりません。
リターンが高いということは、その分下落のリスクが高いということでもあります。リスクを抑えるために、満期までの期間が比較的短いファンドを選ぶのも一つの方法です。
●クラウドクレジットの有利なポイント・メリット②:自分で投資しにくい国や地域に投資できる
クラウドクレジットの投資先は新興国が中心。投資のポートフォリオを考える上では、資産はいろいろなところに分散しておいたほうが有利とされています。つまり、クラウドクレジットを利用することで、資産が分散できるというわけです。
資産の一部にクラウドクレジットのファンドを組み入れておくことで、何か他の資産が値下がりしたときにファンドが値上がりして、損失をカバーしてくれる可能性も。もちろんその逆もありえるのですが、投資の値下がりのリスクはいつどんな形で襲ってくるかわからないので、資産の分散が大切なのです。
●クラウドクレジットの有利なポイント・メリット③:新興国の成長を応援できる
たとえば「メキシコ女性起業家支援ファンド」では、メキシコで主に女性起業家向けの融資を行う金融機関に投資することで、メキシコのジェンダー平等に貢献することを目指しています。また、低所得者層や貧しい人々の生活向上に貢献するファンドなどもあります。「社会的インパクト投資」によって、社会に貢献することができます。
投資の目的はもちろんお金を増やすことですが、お金を増やしながら、よりよい社会作りに貢献できるのはうれしいですね。自分のお金が誰かの役に立っている、そんな気持ちになれるはずです!
クラウドクレジットにはリターン相応のリスクも
メリットのたくさんあるクラウドクレジットですが、デメリットもあります。それは、ファンドが値下がりするリスクがあることです。リスクとリターンはトレードオフ(比例)の関係にありますから、高いリターンを得ようとするなら仕方のないことです。
とはいえ、クラウドクレジット側もそれは理解していて、分散投資を推奨しています。複数のファンドに資産を分けることによって、仮にそのなかのどれか1つが大きく値下がりしても、他のファンドの値上がりでカバーしよう、というわけです。クラウドクレジットでは10以上のファンドへの投資を勧めています。投資に「絶対儲かる」はありませんので、投資すべきかをよく考えましょう。
まとめ
クラウドクレジットの特徴と手数料、他のソーシャルレンディングのサービスより有利なポイントを紹介してきました。クラウドクレジットの口座開設は無料です。クラウドクレジットはこれからソーシャルレンディングをスタートする方におすすめですので、ぜひ口座を開設して、資産運用の第一歩を踏み出してくださいね。
【関連記事もチェック】
・【2021年版】プロが選ぶおすすめ投資型クラウドファンディングランキングベスト2
・貸付投資サービス「Funds(ファンズ)」の特徴や手数料は?他のソーシャルレンディングとの違いや魅力をプロが解説
・自分のお金が社会にインパクトを起こす「ソーシャルレンディング投資」
・忙しい女性も始めているソーシャルレンディング、初心者のための3つのステップ
・日本も米国も「景気回復終了」を発表。そもそも景気の良し悪しってどうやって測るの?
畠山 憲一 Mocha編集長
1979年東京生まれ、埼玉育ち。大学卒業後、経済のことをまったく知らないままマネー本を扱う編集プロダクション・出版社に勤務。そこでゼロから学びつつ十余年にわたり書籍・ムック・雑誌記事などの作成に携わる。その経験を生かし、マネー初心者がわからないところ・つまずきやすいところをやさしく解説することを得意にしている。2018年より現職。ファイナンシャル・プランニング技能士2級。教員免許も保有。趣味はランニング。
この記事が気に入ったら
いいね!しよう