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23/07/05

相続・税金・年金

「就職氷河期」を非正規で過ごした40歳代~50歳代、年金14万円をもらうことはできるのか

「就職氷河期」を非正規で過ごした40歳代~50歳代、年金14万円をもらうことはできるのか

就職氷河期世代とは、バブル崩壊後の1990~2000年代、雇用環境が厳しい時期が就職時期とかさなってしまった人々を指します。実際、就職氷河期世代が働き始めた時期は、企業が人件費の節約、削減を進めていたため、正社員での就職が叶わず、非正規雇用を余儀なくされた方々が多くいました。

そのため「不本意ながら不安定な仕事に就いている方」「無業の状態にある方」「社会参加に向けた支援を必要とする方」など、様々な課題に直面したままを引きずるケースが多数あります。「就職氷河期」を非正規で過ごした方々が社会人になり20~30年が経過した現在の年齢は40~50代。今回は、そんな非正規の方々が、将来、老齢年金をもらうようになったとき、年金平均14万円をもらうことはできるのかを考えたいと思います。

厚生年金の加入期間が短く、その間の平均給与額が少ないと老齢厚生年金額は低くなる

就職氷河期に正社員になれず、非正規雇用で継続的に働いた場合、短時間しか働けなかった、雇用条件が整っていなかったなど、さまざまな理由で厚生年金に加入できないことがあったかもしれません。

また、当時、若いフリーターだった人々の年金に対する捉え方は「年金制度は破綻している…、年金に加入して払い続けたとしても、自分たちが老人になったとき、らえないのだから、払うだけ損」というものもありました。そのため、非正規で働いていた方々には、年金に加入していなかった人も多くいました。

そんな方々が、65歳になったとき、年金はいくらもらえるのでしょうか。たとえば、以下の条件で働いた場合の年金額を試算してみましょう。

●非正規雇用の方が43歳から厚生年金に加入したときの年金額を試算

《年金額を試算する条件》
・22歳~42歳までの20年は非正規で働き厚生年金未加入
・43歳から正社員として働き63歳までの20年は厚生年金に加入
(平均年収:400万円)
・国民年金は40年間加入

厚生年金に加入した際にもらう老齢年金は、1階が老齢基礎年金、2階が老齢厚生年金の2階建てで構成されています。

①1階部分の老齢基礎年金
上記の場合、20~60歳までの40年間、国民年金に加入しているので、満額(2023年度:年額79万5000円・月額6万6250円、67歳以下の場合)がもらえます。

②2階部分の老齢厚生年金
正社員になり20年厚生年金に加入した場合の年金額は以下の式で計算します。
・平均標準報酬額×5.481/1000×平成15年4月以後の加入期間
なお、ざっくり計算するため、2003(平成15)年4月以降の計算式のみ表示し、スライド率等については含みません。

老齢厚生年金を計算するための条件は、次のとおりです。
・平均年収400万円÷12か月=33万3333円≒34万円(平均標準報酬額・24等級)
・厚生年金保険の加入期間は20年(240か月)
・34万円×5.481/1000×240か月=44万7000円(年額)・3万7250円(月額)

①と②の合計額
・6万6250円(老齢基礎年金)+3万7250円(老齢厚生年金)=10万3500円
つまり、もらえる年金額は月額で10万円ぐらいになります。

●厚生年金に40年加入したときの年金額(モデルケース)

日本年金機構のホームページでは、「厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)は、22万4482円」と表示されています。

この年金額は、夫婦2人分の平均的な収入をもとに計算された老齢年金です。その内訳を整理してみましょう。

《夫の老齢年金》
・夫の平均標準報酬(賞与含む月額換算)が43.9万円で40年就業
・6万6250円(老齢基礎年金)+9万1982円(老齢厚生年金)=15万8232円

《妻の老齢年金》
・主婦で老齢基礎年金(満額)のみ
・6万6250円(老齢基礎年金)

(夫)15万8232円+(妻)6万6250円=22万4482円

一方、先述の「20年間非正規雇用・20年間正社員」だった場合は、老齢厚生年金の計算のもとになる加入期間が短かったり、平均標準報酬額が少なかったりということもあり、もらえる老齢厚生年金はそう多くありません。「せっかく、厚生年金に加入したのに…」という声が聞こえてきそうです。

ちなみに、厚生労働省の「2021(令和3)年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によれば、老齢厚生年金の平均月額は14万3965円(老齢基礎年金含む)です。
今もらえる予定である年金額の約10万円をせめて「平均月額の約14万円」にすることはできないのでしょうか。

「年金月14万円」目指す工夫1:年金を5~10年繰り下げる

公的年金は、原則65歳から受給できますが、高齢になっても働こうと思えば継続的に働ける時代です。体調などに問題がなければ、年金の受給開始を繰り下げして、将来もらえる年金を増やしましょう。

年金の繰り下げは、66~75歳までの間、1か月単位で行うことができます。もらえる年金額は1か月あたり0.7%多くなります。もし70歳まで繰り下げをすると、0.7×60ヶ月=42%、75歳まで繰り下げをすると、0.7×120ヶ月=84%も年金を増額できます。

しかし、年金の繰り下げで年金が多くなるといっても、65歳から全くもらわずに過ごすのは難しい場合があるかもしれません。そんなときは、老齢基礎年金、老齢厚生年金の両方ではなく、どちらか一方だけを繰り下げることも可能です。

仮に、老齢基礎年金の月額6万6250円だけを70歳まで繰り下げた場合、「6万6250円×1.42=9万4075円」となり、毎月もらう年金が2万7825円増えます。さらに、75歳まで繰り下げれば「6万6250円×1.84=12万1900円」となり、毎月もらう年金が5万5650円増えます。

年金の受給開始を繰り下げは、2つの年金のうち、どちらか一方の年金だけを選択するだけでも、将来もらう年金を約3~5万円も増やす効果があります。

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「年金月14万円」目指す工夫2:60歳以降も働き厚生年金に加入する

年金を繰り下げるといっても「生活するお金がなければ繰り下げなんてムリ」という方もいるでしょう。その際に考えたいのが、70歳まで働き続けることです。

2021年4月から高年齢者雇用安定法が改定となり、雇用主は70歳まで就業機会を確保することが努力義務となっています。その影響により、最近ではシニアの働き口も増えてきました。この機会を利用しない手はありません。

もし、60~65歳で会社を退職したとしても、再任用で70歳まで働くことを検討してはどうでしょう。そうすれば、給料で生活費が得られるので、年金の繰り下げも選びやすくなります。そのうえ、厚生年金を掛け続けることができ、年金の受給額をさらに増やすことができます。

たとえば、年収240万円で1年間働くと年金額は「20万円×5.481/1000×12か月=1万3154円(年額)」増えます。仮にそのまま、5年間働けば「1万3154円×5年間=6万5772円(年額)」増額します。

さらに、長く現役でいれば規則正しい生活ができることで、健康が得られます。また、様々な人と接することで、活き活きとした気持ちのハリも得られるでしょう。まさに、一石二鳥といえます。

まとめ

社会人デビューで、正社員での就職が叶わなかったことで、厚生年金への加入が遅れてしまい「老後まで、その影響を引きずるなんて…」と、感じる方もいるかもしれません。年金を繰り下げること、長く働くことを目指せば、少しずつ巻き返していくことも可能です。

舟本美子 ファイナンシャルプランナー

「大事なお金の価値観を見つけるサポーター」
会計事務所で10年、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として14年働いたのち、FPとして独立。あなたに合ったお金との付き合い方を伝え、心豊かに暮らすための情報を発信します。3匹の保護猫と暮らしています。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。FP Cafe登録パートナー

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