20/06/25
ETFには5つのデメリットあり! デメリットを防ぐ方法は?
ETF(上場投資信託)は、投資信託や株の特徴をあわせもつ、投資初心者にもおススメの商品ですが、デメリットもあります。
今回は、ETFのデメリットについて、投資信託や株と比較しながら確認していきましょう。
ETFのデメリット1:保有期間中、売買時ともに手数料がかかる
ETFは投資信託と同じく保有期間中に信託報酬という手数料がかかり、株と同じく購入・売却時にも手数料がかかります。
しかし、ETFの保有期間中にかかる信託報酬は、投資信託と比べると全体的に低く設定されているので、保有コストでETFと投資信託を比較した場合、ETFに優位性があるといえます。
気になるのは保有コストよりも取引時にかかる手数料ですが、2019年末ごろからネット証券で一定金額までの売買時の手数料を無料にする動きが加速しています。楽天証券、SBI証券などのネット証券では100本以上のETFが売買手数料無料で提供されるようになりました。ですので、ネット証券を活用することで対処できるといえるでしょう。
ETFのデメリット2:売買タイミングを自分ではかる必要がある
ETFの最大のメリットは株と同じように価格をチェックしながら自分で売買のタイミングを決められる点です。しかし、「自分で買い時、売り時を決められない」と思う人もいますよね。そのような方には、このリアルタイムで売買判断ができるETFのメリットはデメリットになってくるでしょう。
投資信託は1日1回、その日の終値で取引価格である基準価額が決定されます。自分で売買タイミングを判断することがプレッシャーになるという方には、ETFよりも投資信託を優先して選ぶといいかもしれません。
ETFのデメリット3:分配金は再投資されない
ETFは投資信託と同じように分配金を受け取ることができます。しかし、その分配金を受け取った後に違いがあります。投資信託の分配金は何もしなくても自動的に再投資することができますが、ETFは再投資ができず全て現金で受け取ることになります。
ETFは自動的に再投資できない仕組みになっているため、再投資したい場合には株と同じく自分で追加購入の手続きをする必要があります。追加購入するということは、手数料がかかる場合があるということでもあります。この点、多少手間と費用がかかるといえるでしょう。
ETFのデメリット4:自動積立がしにくい
ETFは基本的にはリアルタイムで価格をチェックしながら自身で売買を行うので、自動積立がしづらい点はデメリットでしょう。投資信託の自動積立は一般的になっていますが、ETFは自動積立に対応していない証券会社が多く、基本的にETFで定期的に積立投資をしたい場合には自分で決めた日に手作業で購入手続きをする必要があります。
一部の証券会社では、毎月決まった金額で株式を買い続ける「るいとう(株式累積投資)」という制度を利用してETFの積立投資ができます。ただ一般的にるいとうの手数料は自分でETFを購入する場合と比べて高くなる可能性があるので、注意が必要です。
毎月コツコツ積立投資を始めたいけど、自分で手続きをするのは面倒という場合には投資信託から選ぶのがいいかもしれません。
ETFのデメリット5:つみたてNISAにほとんど対応していない・iDeCoは非対応
運用益に税金がかからない税制優遇があり、投資初心者向けの制度として人気のつみたてNISA(ニーサ・少額投資非課税制度)では、ほとんどの金融機関でETFは取扱商品に入っていません。現状、つみたてNISAでETFが購入できる金融機関は大和証券だけです。
また、つみたてNISAと同じく運用益が非課税で、さらには掛金が全額所得控除の税制優遇があるiDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)の対象商品カテゴリーは定期預金、保険商品、投資信託のため、ETFは対象外です。
なお、一般NISAではETFの購入が可能となっていますので、税制優遇制度を活用してETFを購入したい場合には検討してもいいでしょう。
まとめ
以上、ETFのデメリットをまとめました。こう見ると、特にETFと投資信託、どちらがいいのか迷ってしまう方もいるでしょう。そんなときには、違いに注目してみましょう。買い時、売り時をリアルタイムでチェックしながら判断したいならETF、手間なくコツコツ積立投資をしたいなら投資信託、となるでしょう。
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小林 裕子 ひろファイナンシャルプランニング代表 CFP ・1級FP技能士
2008年FP相談業務開始。2014年事務所運営スタイルを金融機関等からの紹介手数料を一切得ず、報酬は顧客からの相談料のみとするフィーオンリーへ移行。「ファイナンシャルプランニングは100人100様」をモットーにライフプランの実行支援を行っている。
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