20/06/09
有休の義務化から1年だけど休みが取れない? 悩み別上手に有休を取る4つのテクニック
2019年4月から働き方改革関連法が施行され、企業に対して、有休が年10日以上ある人には、年5日以上取得させることが義務づけられました。
年5日の有休を取得させなかった場合は、対象の労働者1人あたり30万円以下の罰金が課せられるとともに、労働基準監督署から改善を図るように指導が入るなど、企業に対して罰則規定があるので、有休取得率を上げるための取り組みをはじめた会社もあったのではないでしょうか。
そこで今回は、施行から1年を振り返って、有休をさらに上手に取得するテクニックを4つお伝えします。
有休取得の義務化で生じる新たな悩み!?
有休の取得が義務になったことで、会社の制度などが整い有休取得率などの数字が上がったものの、未だに気持ちよく休むことができないといったことはないでしょうか。
今まで有休を取っていなかった人の中には、休みをとることで仕事に穴をあけてしまい上司から悪く思われるかもしれないと、思っている人もいるでしょう。でも、2019年4月からは有休をとらない人が会社にとって困った人となっているのです。
自分が気持ちよく有休を取得するためには、どんな工夫ができるでしょうか?お悩み別に解決方法をお伝えします。
お悩み別!上手に有休を取るテクニック4選
有休が取れない、取りづらい理由は人それぞれですね。今回はお悩み別に解説します。
●上手に有休を取るテクニック4選①:定期的に有休を取得する
突発的な業務の発生や先の業務量が見通せず、有休が取れないことってありますよね。
こんなときは、「定期的に有休を取得」してみてはいかがでしょうか。
偶数月の第二水曜日は有休を取るなど、有休を取る日を一定に決めると、「来月の10日は第二水曜日だから◯◯さんはお休みだな」とスケジュールにも配慮してもらいやすくなり、上司や同僚だけでなく、取引先などにも迷惑がかからなくなります。定期的な有休を利用して習い事に通うなど自身のスキルアップに活かしてみるのも有効な活用方法です。
●上手に有休を取るテクニック4選②:有休取得時のフォロー体制について話し合う
有休は取りたいけれど業務量自体は変わらず、仕事を残して休むのが不安な人も多いでしょう。
であれば、「同じ仕事をしている仲間と有休取得時のフォロー体制について話し合ってみる」のはいかがでしょうか。
もし誰かがお休みをして困ったという事例があれば、他の人の体験を共有することでノウハウが蓄積され、対応策がみつかるかもしれません。〇〇さんが不在でも対応できるようにしようという雰囲気が生まれます。
●上手に有休を取るテクニック4選③:上司・同僚・取引先とのコミュニケーションを図る
有休を取ることになんとなく罪悪感があって勇気がない…。
こんな人は、「日ごろから上司・同僚・取引先とのコミュニケーションを図っておくこと」が大切です。
昨今のコロナウイルス感染症の影響で在宅勤務が進んだ職場も多いのではないでしょうか。誰が会社に来ていて、来ていないのか。誰が対応できるのか、できないのか。スケジュール管理や勤務状況の把握をするために、上司・同僚や取引先に自身の状況を発信したり、逆に様子を聞いてみるなどといったコミュニケーションの重要度が増しました。
こういったコミュニケーションを平常時からとっておけば、事前に有休の予定を相手に伝えやすいのではないでしょうか。併せて、自分が休むことによってフォローしてくれる上司や同僚などには、感謝の気持ちを伝えておきましょう。また、他の人が有休を取るときも「何かフォローすることがあったら言ってください」と声をかけてあげたいですね。
●上手に有休を取るテクニック4選④:有休を取得したい希望の時季を明確化する
「せっかく有休で休んでも、何もできずに消化不良。だったら仕事しているほうがマシ」という人も多いかも。
そんな人は、「有休を取得したい希望の時季を明確化」しましょう。
5日連続して有休を取得できれば、土日や祝日と合わせてまとまった休みにすることも可能ですし、海外旅行などに充てることもできます。
取得が義務化された年次有給休暇のうち、年5日については、会社が時季を指定して取得させてもよいことになっていますが、できる限り労働者の希望の時季を聞くように求められています。会社によっては上司との面談の際に、有給の取得状況についてコミュニケーションに取り入れることをルールにしたケースもあります。
特にルールが無かったとしても、希望の時季が尊重されるという意識をもって、事前に上司に承認を得ることで、気持ち良く旅行の計画を立てることもできます。
まとめ
有休がうまく活用できない場合、職場で同じ悩みを抱えている人がいるかもしれません。
有休取得義務化から1年、自分で自分の仕事をコントロールできていて、周りとのコミュニケーションがしっかりできているからこそ有休を積極的に取れるということは、有休を活用するほうが、仕事においても自身のアピールポイントにもなるはずです。
ぜひ早めに計画を立て、有休を趣味や旅行に使ってリフレッシュしたり、さらなるスキルアップの時間に充てたりして、有効に活用したいものです。
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小野 みゆき 中高年女性のお金のホームドクター
社会保険労務士・CFP®・1級DCプランナー
企業で労務、健康・厚生年金保険手続き業務を経験した後、司法書士事務所で不動産・法人・相続登記業務を経験。生命保険・損害保険の代理店と保険会社を経て2014年にレディゴ社会保険労務士・FP事務所を開業。セミナー講師、執筆などを中心に活躍中。
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