20/01/06
2020年の国民年金保険料はいくら? 払わないとどんな末路が待っているか
2020年度の国民年金保険料は2019年度より130円アップして、月額1万6540円となります。
国民年金保険料はどんな人が払うのか、保険料をおトクに払う方法はなにか、保険料の値上げによって家計に対する負担が増えて払えなくなったらどうなるのかなど、国民年金保険料について詳しく説明します。
国民年金の保険料を払う人とは
日本に住んでいる20歳以上60歳未満の人は、全員国の年金制度に加入し被保険者となります。このことを「国民皆保険」といいます。
被保険者には以下の3つの種類があります。
第1号被保険者:日本に住んでいる20~60歳の人で、第2号被保険者・第3号被保険者でない人。自営業やフリーランスなど。
第2号被保険者:厚生年金の被保険者となっている人。会社員や公務員など。
第3号被保険者:日本に在住する20~60歳の人で、第2号被保険者に扶養されている配偶者の人。会社員の妻(専業主婦)など。
第2号被保険者は厚生年金に加入していることで、国民年金の保険料を払っていることになるので、国民年金の保険料を払いません。
また、第3号被保険者は、第2号被保険者である配偶者が厚生年金に加入していることによって、国民年金の保険料を払っていることになります。
つまり、第2号、第3号被保険者は、直接には国民年金の保険料を払う必要がありません。第1号被保険者である、20~60歳で、自営業やフリーランス、会社員であっても厚生年金に加入できない働き方をしている人、退職後失業保険をもらっているため配偶者の扶養に入れない人などが、国民年金の保険料を払わなければならない人となります。
保険料は過去10年間で月約1500円値上がり
2019年度の国民年金保険料は、月々1万6410円ですが、2020年度は1万6540
円と現在より月額130円アップします。月額130円なので、家計への影響はそれほどないのではないでしょうか。
年金額は、物価や賃金によって変動します。年金額の増減に伴って保険料も増減します。また国民年金の制度が変わるために保険料が変更になることもあります。
過去10年間の国民年金保険料は、以下のように変わっていきました。
●国民年金保険料 過去10年間の変遷
2020年度は2019年10月からの消費税10%への増税による影響もあって、前年より月額130円増となったと考えられます。
国民年金保険料は、前年と比較して物価や賃金の変動によって決定されるので、今後の物価や賃金の動向に注目していきたいところです。
国民年金保険料の早割と前納制度を活用しよう
国民年金保険料の納付は、翌月の末日が期限です。
納付方法には、金融機関やコンビニなどで納付書を使っての現金納付、銀行の口座振替、クレジットカード払いがあります。この3つの納付方法の中で一番おトクなのは、「口座振替」で、毎月払いであっても当月引き落としにすると、月額50円保険料が安くなります。これを「早割」といいます。
また、毎月払いではなく6カ月分、1年分、2年分を一括で前納することもできます。この場合でも、口座振替を利用するのが一番割引額が大きく、2年で1万5760円の割引となります。
●2019年度 国民年金保険料の前納制度保険料一覧
このように口座振替が一番割引額が大きいのですが、あえてクレジットカード払いにして、ポイントをねらうのも一案です。どちらにしても、2年前納制度を活用して、おトクに保険料を払っていきたいものですね。
保険料を払わないと受け取れる年金額が減る!
国民年金の年金額は、保険料を納めた月数に比例します。保険料を払わなかったら、その分将来受け取る国民年金が、20~60歳の480カ月ちゃんと払ったときの満額より少なくなります。ちなみに、2019年度の満額の年金額は、78万100円です。
2019年度の年金額で考えると、1カ月保険料を払わないことで、年金が約1625円減ってしまいます。5年保険料を払っていない場合は、年間約9万7500円本来の年金から減ってしまうこととなります。
「5年間未納でも、1カ月あたり8000円ぐらい少ないだけじゃないか」と、今のあなたは思うかもしれません。でも、年金が主な収入源となる老後の「1カ月8000円」はとても大きい金額なのです。
まして、保険料を払わない月数が増えれば、最低支払月数の10年=120カ月に満たなくて、まったく年金をもらうことができないケースも出てきます。
現在収入が少ないなどの理由で保険料を払うのが厳しいときは、市町村や年金事務所の窓口で保険料免除に該当しないか相談しましょう。免除された月は受給資格期間にカウントされるので、将来年金が受け取れなくなるリスクが少なくなります。
まとめ
国の制度である国民年金の加入は義務です。つまり、国民年金保険料は払わなければならないものであって、払うか払わないかを自分で決めることができるものではありません。
社会保障は助け合いの気持ちから成り立っていきます。誰かを助けるのと同時に自身の老後のためにも、国民年金保険料をきっちり支払って、安心のセカンドライフを迎えたいものです。
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小野 みゆき 中高年女性のお金のホームドクター
社会保険労務士・CFP®・1級DCプランナー
企業で労務、健康・厚生年金保険手続き業務を経験した後、司法書士事務所で不動産・法人・相続登記業務を経験。生命保険・損害保険の代理店と保険会社を経て2014年にレディゴ社会保険労務士・FP事務所を開業。セミナー講師、執筆などを中心に活躍中。
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