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20/08/29

家計・ライフ

老後資金がいつの間にか消える「孫破産」の罠

老後資金の準備はできていますか?
「老後資金2000万円問題」がニュースになってから、老後資金の必要性は浸透してきました。
65歳までにある程度の資金を準備しておきたいですよね。

さて、50代から60代は、子育ても終わり住宅ローンも終わりが見えてきて、老後資金もやっと目処が立ってきたところではありませんか。さらに嬉しいことに、子どもの結婚、そして孫の誕生。自分の人生もよかったねと振り返りながら喜びをかみしめることができる時間を持てるようになり、孫と一緒にいられることで、幸せな老後を過ごすことができそうな予感が!

ところが、その「充実した老後」が、「不安な老後」に変わってしまう落とし穴があります。
それが「孫破産」です。
今回は、孫がかわいくて、老後資金がなくなっていく?という「孫破産」の現状について解説してみましょう。

家の購入資金、さらに旅行費用までも?

どうして、「孫破産」になってしまうのでしょうか?具体的な事例をみていきたいと思います。

Aさんは、定年間近の夫婦です。一人息子が、結婚をしてすぐに孫が生まれて大喜びです。そして、近くに住もうかと言ってくれたので、マンションの購入費を300万円援助しました。
息子夫婦とも共稼ぎなので、Aさんの妻は、幼稚園の送り迎えに加え、たまに夕食も一緒に食べるという生活。いままでの生活とは一変して毎日が忙しくなりました。さらに、息子の提案で年2回の家族旅行を楽しむようになりました。毎日、疲れはするけども、とてもたのしく充実しています。

ところが、だんだん不安になってきたことがあります。孫と一緒の旅行は楽しいのだけど、息子一家の旅行代金も全額出している。たしかに息子たちの収入はそれほど多くはないみたいで、子育てにもお金はかかると思うのですが、ちょっと甘えすぎでは?と思うこともままあります。とは言え、孫がかわいかったので、まあいいかとついつい出費をしてしまったのが間違いでした。

6人分の旅行費は、1回20万円以上はかかります。年2回だと40万円です。
さらに、一緒に食事に行くと、そのお金も負担しています。
「そうこうしているうちに、老後資金と思って準備しておいたお金がドンドン減って行く。このまま、小学校、中学校と大きくなるにつれて、出費も増えていくのかと思うととても不安になるのですが……。とはいっても孫はかわいいし……」

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他人事ではない「孫破産」

子どもの住宅の購入資金を援助するというのは、よくある話です。アットホーム「住宅購入時の「親の資金贈与」実態調査」によると、親からの平均贈与額は564万円、親子が同じ地域の場合は、さらに増えて642万円だそうです。
また、第一生命経済研究所の「シニア夫婦世帯の別居家族との交流に関する調査」(2016年)の調査によると、孫と一緒に旅行した場合、8割以上が祖父母が費用負担をしたという結果が出ています。
自分の老後資金について「家計にゆとりはなく、多少心配である」または「家計が苦しく、非常に心配である」と答えた人でも、75.8%の人が費用負担をしたそうです。
さらに、孫との食事の頻度に関する調査では、月に1回以上というのが全体の半数を占めています。
自分の老後資金が心配でも、頼られれば多少無理をしてでも費用負担をする傾向にあるようです。

実家に出戻り、そのままパラサイト

次にBさんの老後生活を見てみましょう。
Bさんは、夫に先立たれ1人暮らしでしたが、娘が離婚して、中学生の子どもをつれて実家に戻ってきました。困ったものだと思うのですが、また娘と一緒に暮らせるし、孫もいて嬉しく思ったのも本当のところです。

娘は、別れた夫から、養育費を受けとっているようですが、まだ気持ちの整理がつかないのか、正式に働こうとせず、実家でうだうだしています。
そのためBさんが、娘と孫の生活費とさらに孫の塾代まで出しているのですが、かなりの負担です。主人の残してくれた老後資金も取り崩している状態です。娘にもしっかり稼いで生活費を入れて欲しいのですが、いつまでこの状態が続くのか不安です。

さらに、ご近所の人から「大丈夫?」と声をかけられました。話を聞くと「母親のことが心配で娘さんが戻ってきている」ということになっているのでびっくり。
どうやら娘は、自分の出戻りの体裁が悪いので、母親が心配で戻ってきていると言っているらしいのです。一応、話を合わせたのですが、ムカムカがおさまりません。なんかいいように使われているような感じです。
孫のことはかわいくて気になりますが、「娘の方は私が死んだら、どうするつもりなのかな? もしかしたら、少ない私の遺産をあてにしているのかな? 墓参りもしてくれないかも? 育て方を間違えたのかな?」と後悔している日々です。

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孫はかわいいけれど、援助はほどほどに

これらは、孫かわいさで老後資金を取り崩している人たちの例です。じつはこういったケースがとても多くなっています。祖父母の資産が多いということから、援助してもらっている関係ですが、それも限界があります。

親というのは、子どもから頼られると断りにくいものです。さらにかわいい孫のためと思ってしまうと、何でもしてあげたく思ってしまうものです。しかしいくらかわいいからといっても、自分たちの生活もあります。老後のプランニングをよく考えながらお金を使うようにしましょう。
また、子どもの方も、親のお金を当てにするのも考えものです。両親が介護になって老後資金がなくなっていると自分たちの負担が大きくなり、結局その付けが回ってくることになるかも知れません。

孫と一緒にいるのは、生きがいにも繋がるので、とてもいいことなのですが、老後資金までつぎ込んで、生活が苦しくなるのは本末転倒です。言うまでもないことですけれど、ほどほどにしておくのが一番だと思います。

長尾 義弘 NEO企画代表

ファイナンシャル・プランナー、AFP、日本年金学会会員。徳島県生まれ。大学卒業後、出版社に勤務。1997年にNEO企画を設立。出版プロデューサーとして数々のベストセラーを生み出す。新聞・雑誌・Webなどで「お金」をテーマに幅広く執筆。著書に『コワ~い保険の話』(宝島社)、『こんな保険には入るな!』(廣済堂出版)『お金に困らなくなる黄金の法則』『最新版 保険はこの5つから選びなさい』『老後資金は貯めるな!』(河出書房新社)、『保険ぎらいは本当は正しい』(SBクリエイティブ)。監修には年度版シリーズ『よい保険・悪い保険』など多数。

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