19/09/06
スマホ決済3つのセキュリティ対策と不正利用時に取るべき3つの行動
近年急速に普及しているキャッシュレス決済。その中でも特にスマホ決済は多くのサービスが登場し、乱立状態です。
お財布なしで手軽に支払いできることが魅力のスマホ決済ですが、その一方でセキュリティ上の問題も取り沙汰されています。直近ではセブンペイの不正利用が発覚、9月末にサービス終了という事態に陥っています。また昨年末のPayPayの不正利用問題も記憶に新しいのではないでしょうか。このような経緯から、スマホ決済のセキュリティに不安を感じている人も多いようです。
スマホ決済を安全に利用するためには、運営会社だけでなく利用者側の対策も必要です。そのために必要なセキュリティ対策や、万が一不正利用に気づいたときに取るべき行動についてご紹介します。
スマホ決済を安全に利用するために必要な3つのセキュリティ対策
手軽で還元率が高く、お得なスマホ決済。安心して使うために、利用者のセキュリティ対策を3つ、紹介します。
●セキュリティ対策1:スマホ決済アプリのセキュリティ設定を行う
スマホ決済アプリでは、本人しか使えないようにするセキュリティ設定が可能です。
スマホの紛失や盗難時には、セキュリティ設定をしていないと第三者に不正利用されてしまう危険性があります。ですから、アプリのセキュリティ設定を必ず行いましょう。
セキュリティ設定ではパスワードの他に、指紋認証や顔認証などの生体認証も利用できます。生体認証はパスワードと比べて第三者のなりすましが困難ですので、利用できる場合はぜひ取り入れるようにしましょう。
さらに、スマホの中に入っている電話番号やメールアドレスなどの情報の流出を防ぐために、スマホ自体のロックを設定しておくこともおすすめします。
●セキュリティ対策2:パスワード変更は定期的に!ログインIDの工夫も
スマホ決済では、第三者が何らかの方法で電話番号やメールアドレス、さらにはパスワードを入手することで不正利用されてしまうリスクもあります。
このような不正利用を防ぐためには、定期的なパスワード変更が有効です。パスワードには生年月日や名前など推測されやすいものは避け、他のサービスなどで利用しているパスワードを使いまわさないよう心がけましょう。「複雑なパスワードだと覚えられない」、「サービスごとに異なるパスワードを管理するのが大変」といった人には、パスワード管理アプリを利用するという方法もあります。
また一部のスマホ決済サービスでは、ログイン時に電話番号やメールアドレスではなく、ログインIDを必要とするものもあります。そのような場合は、IDにメールアドレス以外のものを設定することをおすすめします。万が一メールアドレスを第三者に知られても、IDにメールアドレスとは別のものを設定しておくことで不正利用を防ぐことができます。
さらに、最近は二段階認証に対応したアプリも増えてきました。二段階認証は、利用の際、IDやパスワードの他に、設定した宛先に届くセキュリティコードなどの入力を求められる仕組みです。不正利用に有効ですので、ぜひ設定しておきましょう。
●セキュリティ対策3:被害額を最小限に抑えるための対策も重要!
スマホの紛失や盗難時は、第三者が本人になりすまし、スマホ決済アプリにチャージされている残高を利用してしまう危険性があります。そのような場合に備えて、スマホ決済アプリへの多額のチャージは避け、直近必要な分だけチャージしておくと安心です。不正利用の被害額を最小限に抑えることができます。
またスマホ決済アプリでは、クレジットカード情報や銀行口座情報が登録でき、そこから残高をチャージできるものがほとんどです。何らかの方法で第三者に不正ログインされてしまった場合、多額のお金がチャージされ不正利用をされてしまうことも考えられます。このような事態を回避するために、チャージは現金のみで行うという方法もあります。クレジットカードや銀行口座からのチャージに比べて手間がかかってしまいますが、被害額をチャージ残高の範囲内に抑えることができます。
不正利用に気付いた時に取るべき3つの行動
万が一スマホ決済の不正利用に気付いたら慌ててしまうかもしれませんが、落ち着いてください。不正利用時に取るべき行動について解説します。
●不正利用時に取るべき行動1:サービスの運営会社に連絡する
利用しているスマホ決済サービスの不正利用に気づいた場合は、すみやかにその運営会社に連絡してアカウントを停止してもらいましょう。そのまま放置していると、さらなる不正利用が行われ、被害額が増加してしまう危険性があるためです。
●不正利用時に取るべき行動2: クレジットカード会社に連絡する
クレジットカードから不正にチャージされている場合は、クレジットカード会社にも連絡が必要です。登録した覚えのないスマホ決済サービスを経由してクレジットカードが不正利用される場合もあるからです。パスワードを含めたクレジットカード情報が第三者に流出している可能性があるため、クレジットカード会社に連絡して対象のカードを停止・再発行してもらうことをおすすめします。
●不正利用時に取るべき行動3:他のサービスのパスワード変更を
不正利用されたスマホ決済サービスのパスワードを他のサービスでも使いまわしている場合は、他のサービスでも同様に不正利用されてしまう可能性があります。そのような二次被害を防ぐために、それらのサービスのパスワードも変更しましょう。
このパスワード変更を怠ると、スマホ決済の不正利用のみならず、他のサービスに登録している住所や勤務先などの個人情報まで流出してしまう危険性があるので、注意が必要です。
まとめ
筆者も複数のスマホ決済を利用していますが、セブンペイの不正利用問題を機にパスワードを複雑なものに変更し、スマホアプリのセキュリティ設定もパスワードから生体認証に変更しました。
スマホ決済は便利な反面、不正利用のリスクと背中合わせの側面もあります。不正利用を防ぐために現状できるセキュリティ対策を万全にしたうえで、万が一不正利用に遭った際にどのような行動をとるべきかを念頭に置いておきましょう。
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鈴木靖子 ファイナンシャルプランナー(AFP)、2級DCプランナー(企業年金総合プランナー)
銀行の財務企画や金融機関向けコンサルティングサービスに10年以上従事。企業のお金に関する業務に携わるなか、その経験を個人の生活にも活かしたいという思いからFP資格を取得。現在は金融商品を売らない独立系FPとして執筆や相談業務を中心に活動中。
HP:https://yacco-labo.com
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