19/04/15
【事例】お金を貯めている人の「貯め方・増やし方」実例3選
ファイナンシャルプランナーとして家計相談を受けていると、お金の貯め方を聞かれることがよくあります。みなさん、お金を貯めるのに苦労しているようです。
その一方で、思わず「これはスゴイ!」と感心するような貯め方をしている人もいらっしゃいます。今回は、筆者が印象に残っている3人の女性の実例を紹介します。
ワーキングママAさん(38歳)の貯め方のコツ「時間を買えるなら思い切ってお金を使う」
Aさんは、8時に4歳の息子さんを保育園へ送ってからフルタイムで働き、19時ギリギリにお迎えに行く毎日を過ごしています。帰宅して食事をとるのは早くても20時で、お風呂に入れて寝かしつけたらあっという間に22時になってしまいます。そして、ほっと一息ついたころに夫が帰宅しまた食事を温めなおす…。
家事負担はまだまだ女性の方が多いのが現状で、自分の時間はほとんどありません。そこで、家事を楽に時短できるものにはお金をかけることにしたそうです。
具体的には、以下のようなものを買ったそうです。
・自動掃除機(ルンバ)
・カット済み食材セット(オイシックス・らでぃっしゅぼーやなど)
・食器洗い乾燥機
・乾燥機つき洗濯機
自宅を出る前にルンバをオンにすれば、帰ってきたときには部屋がきれいになっています。食材セットを用意すれば、たまに早帰りした夫も調理しておいてくれます。食べ終わった食器は夫婦それぞれ自分で食器洗い乾燥機に入れ、洗濯は夫婦それぞれ自分のタイミングで乾燥までしてたたんでしまうようにして、とにかく時短することを心がけています。
「時間を買えるなら思い切ってお金を使う」これがAさんの貯め方のコツです。
それでいて、レジャー費は近所の公園や無料施設を利用するなどして節約。メリハリのあるお金の使い方はとても魅力的に感じました。
以前は自分の時間がないストレスから、毎月何かとムダ使いをしたり、ボーナスでさほど使わないブランドバッグを買ってしまったりしたこともあったAさん。しかし今は、自分の時間ができたことでそれもなくなりました。結果、1年間で月約10万円+ボーナス25万円×2回の合計約170万円の貯蓄ができているそうです。
シングル会社員Bさん(35歳)の貯め方のコツ「先取り貯金+お金の役割分担」
手取り月収23万円+ボーナス40万円のBさん。手取りの約20%、毎月4.5万円に加え、ボーナスの半分の20万円を2回、合計年間94万円を「先取り」して貯金しています。
がんばっているとは思いますが、ここまでは貯めている人なら当たり前。
Bさんの貯め方のコツは、毎月の貯金に「役割分担」をさせていることです。お金に目的別の「役割」を持たせ、よりよい利率の置き場所を選んでいるのです。
4.5万円の内訳・利率・役割は、以下の通りです。
・1万円…普通預金(0.001%)何かあったらすぐだせるお金。
・1万円…旅行積立(0.73%)旅行費用。
・1万円…デパート友の会(8.33%)服・化粧品・ご褒美スイーツの購入費用。満期になると1ヶ月分プレミアムがつく。
・1.5万円…iDeCo(15%節税)老後資金。Bさんの場合、掛金の15%にあたる金額が節税できる。
ちなみにボーナスは普通預金にいれておき、ある程度貯まったら欲しかった車や高級時計、さらには住宅の購入資金にすることを検討するそうです。
普通預金はもちろん大事ですが、旅行資金、デパートでの買い物資金、老後資金はそれぞれの積立を利用した方が利率が高くなります。それを余さず活用しているというわけです。お金の使い道をはっきりさせているからこそできる技です。
シングルマザーCさん(34歳)の貯め方のコツ「手当をあてにしない生き方」
「手当とかって国の制度が変わればあてにできないじゃないですか」サバサバと話すCさん。3歳の娘さんと二人暮らしです。
手取り月収20万円、ボーナスなしの派遣社員なので、決して収入が多いとはいえません。しかし支出は家賃が6万円、食費3万円、水道光熱通信費2万円、雑費・美容被服費3万円、交通費1万円、保険料1万円、その他2万円の計18万円で抑え、毎月2万円ずつ貯金しています。
月収内でうまくやりくりできているので、手当をすべて貯金に回せます。
Cさんは児童扶養手当が月約2.4万円、児童手当が月1万円受け取れますが、その両方をなかったものとして毎月貯金しています。結果、1年間で64.8万円貯めることに成功しています。
児童扶養手当は、制度や収入により変動する可能性はありますが、3歳の娘さんが18歳までもらえるので2.4万円×12カ月×15年=432万円、児童手当は15歳までなので1万円×12カ月×12年=144万円。手当をないものとして貯金するだけで576万円貯まる計算です。仮にこれから娘さんが18歳になるまで2万円の貯金を続けられたとすると、貯金額の合計は936万円にもなります。
収入が少ないから手当を使う、ではなく手当がなくても生活できるように生活設計していたのがCさんの貯め方のコツでした。このような暮らしをしていれば、子どもが巣立った後、手当がストップしてから急に生活が苦しくなるというストレスもなくなります。
まとめ
いかがでしたか?家族構成も収入も異なる3人のお金の貯め方のコツを紹介しました。3人に共通しているのは、しっかりした自分の考えがあることです。
お金は、なんとなく過ごしていては貯まりません。3人のお金の貯め方のコツをヒントに自分ならではの「お金の貯め方」を見つけてみてください。
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稲村 優貴子 ファイナンシャルプランナー(CFP︎︎®︎)、心理カウンセラー、ジュニア野菜ソムリエ
大手損害保険会社に事務職で入社後、お客様に直接会って人生にかかわるお金のサポートをする仕事がしたいとの想いから2002年にFP資格を取得し、独立。現在FP For You代表として相談・講演・執筆活動を行っている。日経ウーマン、北海道新聞などへの記事提供、テレビへの取材協力など各メディアでも活躍中。著書『年収の2割が勝手に貯まる家計整え術』河出書房新社。趣味は、旅行・ホットヨガ・食べ歩き・お得情報収集。FP Cafe登録パートナー
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