17/12/25
金融機関の「おすすめ商品」。なぜ、おすすめなの?
ボーナスが支給されるこの時期、銀行から勧誘の電話がかかってきたり、窓口で商品をおすすめされたりという人も少なくないことでしょう。
銀行からのおすすめだから安心!とばかり、おすすめ通りに商品を購入している人をよく見かけますが、銀行をはじめとする金融機関のおすすめ商品は、私たちにとって本当におすすめ商品なのでしょうか?
金融機関のオススメ商品だから安心は勘違い
インターネットが主流になったとはいえ、金融商品を購入する場合には、金融機関の窓口に行って相談したいという人も少なくないのではないでしょうか。
金融機関で一番身近な存在といえば銀行だと思いますが、銀行の窓口に行って「何かオススメの商品ありますか?」と聞くと、職員の方から、「〇〇︎商品がおすすめですよ、この低金利の時代に5%の利回り商品ですよ」と商品の提案をされると思います。
そして、「この超低金利の時代に5%の利回り商品があるの?銀行がおすすめしているんだし安心だから、どんな商品かよくわからないけど買います」という流れになるのは珍しくありません。
これは、よくある話ですが、ここで考えてほしいのが、銀行はなぜその商品をおすすめするのかということです。
ネガティブ情報は細かく確認しないとわからない
銀行も慈善事業をしているわけではないので、当然利益を得なくてはなりません。つまり、みなさんにとってよい商品をおすすめするというよりも、「金融機関が儲かる商品」をおすすめする傾向にあるということです。
金融商品のパンフレットを一度よく見てみてほしいのですが、「年利5%」といったポジティブな情報は大きく目立つようになっていますが、手数料など、コストの部分はパンフレットの裏に小さく書かれているケースが多いようです。
おすすめ商品とは、金融機関の職員、金融機関自身にとっておすすめの商品ということ。金融機関の職員はノルマに追われているので、ノルマに早く到達できる商品を売らなくてはならないわけです。
もちろん、中には誠実に私たちの利益を優先して提案してくれる方もいるので、一概には言えませんが、金機機関の職員も他の会社の社員同様、売上をあげなくてはならないと考えれば、違った見方ができるようになります。
自分自身を守るには、最低限の知識を持っている
では、真の意味でのオススメ商品なのか、そうでないのかを見極めるにはどうしたらよいのでしょうか?
それは、自分自身が勉強し、知識を得ること。
金融商品の仕組みを知り、金融機関がどこで利益を得ているのかがわからないと、何がダメなのかがわからないでしょう。
みなさんが、窓口の職員になったと想像しても、知識がある人よりはない人の方が勧誘しやすいですよね。ですから、きちんと勉強して、窓口に行って、「自分はちゃんと勉強をしていますよ」オーラをだしましょう。それだけでも、提案される商品は違ってくるでしょう。
自分自身を守るためにも、お金の入門書を1冊で良いので、読み込んでみたり、初心者向けマネーセミナーに参加してみたりなど、知識武装をしておきましょう。
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高山 一恵 ファイナンシャルプランナー
(株)Money&You取締役。一般社団法人不動産投資コンサルティング協会理事。慶應義塾大学卒業。2005年に女性向けFPオフィス、(株)エフピーウーマンを設立。10年間取締役を務めたのち、現職へ。女性向けWebメディア『FP Cafe』『Mocha(モカ)』や登録者1万9000人超のYouTubeチャンネル『Money&YouTV』を運営すると同時に、全国で講演活動、執筆活動、相談業務を行ない、女性の人生に不可欠なお金の知識を伝えている。明るく親しみやすい性格を活かした解説や講演には定評がある。『はじめての新NISA&iDeCo』(成美堂出版)、『マンガと図解 定年前後のお金の教科書』(宝島社)、『11歳から親子で考えるお金の教科書』(日経BP)など書籍100冊、累計170万部超。ファイナンシャルプランナー(CFP®)。1級FP技能士。X(旧Twitter)→@takayamakazue
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