17/09/28
休職をプラスに変える! 人生の棚卸しとレベルアップに使える制度をフル活用
女性の社会進出が目覚ましく、一生を通して働き続けることはごく当たり前になりつつあります。けれども「出産」「子育て」などライフイベントや「病気」により、やむを得ずキャリアを中断することも。休職中は復帰への不安や「仕事を休むと遅れをとるかも!」といった焦りはあっても、何かにじっくり取り組むためのまとまった時間が持てる貴重な期間とも考えられます。
今回は休職をプラスに変えるために、人生の棚卸しとレベルアップに使える制度についてお伝えします。
これからの人生をどう生きていきたいか考える
仕事と家事に追われ、なかなか先のことに目をむける余裕がない大人女性。休職は、家庭とどうバランスを取って仕事をしていくのか、人生をどう生きていきたいかを長いスパンで考える良い機会となります。これまでの仕事や人生を振り返える時間を持つことで、これから取り組むべき課題に気付くことも。ここで一度、人生の棚卸しをして足りないスキルを補充することも、休職をプラスに変えるために必要な作業と言えるでしょう。
レベルアップに使える制度:教育訓練給付制度(一般教育訓練給付)
指定の講座を受講し修了した場合、受講費用のうち 最大10万円(総受講費用の20%)がハローワークより支給される制度です。この制度を初めて利用する場合は受講開始日(教材発送日)の時点で通算1年以上、2回目以降の利用では前回利用開始日から通算3年以上の雇用保険加入期間が必要など、利用するには一定の条件があります。
この制度では、情報処理技術者資格や簿記検定など、働く人のレベルアップを支援する多彩な講座が指定されています。筆者の知人は、産休中にこの制度を利用し、社会保険労務士資格を取得しました。その結果「取得時のお祝金」や「資格手当」をもらえただけでなく資格を活かせる部署への異動を打診され、復帰後のポジションが大きく変わりました。
注意点として、自ら申請手続きをしないと利用できず、指定された講座以外を受講すると給付金は支給されません。教育訓練給付制度を使える講座かを、こちらの「検索システム」より、確認してから申し込んでください。
レベルアップに使える制度:会社の福利厚生制度
子どもの世話などで忙しく、勉強する時間がない場合もありますよね。そんな時には、会社の福利厚生制度を利用するのも手です。例えばeラーニングはいつでも好きな時間や場所で受けることができるところが魅力。業務上必要となる資格が網羅されていることから、自己研鑽に最適なツールといえるでしょう。収入減の休職中に費用を抑えながら勉強できるところもありがたい。eラーニングの受講が評価の対象になる場合があるので、復帰後の査定が気になるときにも利用したい制度です。
休職はこれからの人生を見つめなおす良い機会。将来の理想像と復帰後の暮らしをイメージして休職をプラスに変える過ごし方を実践していきましょう。
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辻本 由香 おふたりさまの暮らしとお金プランナー
企業の会計や大手金融機関での営業など、お金に関する仕事に約30年従事。27歳で阪神大震災、43歳で乳がんを発症した経験から、備えることの大切さを伝える活動を始める。現在は奈良で独立系のFP事務所を開業。セミナーを主としながら、子どものいないご夫婦(DINKS・事実婚)やシングルの方の相談業務、執筆も行っている。著書『がんを生きぬくお金と仕事の相談室』(河出書房新社)。
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