25/03/18
確定申告の還付金はいつもらえる?受付できたか確認する方法は

確定申告をした場合、税金を納めなければならない人もいれば、還付金としてお金が戻って来る人もいます。還付金がある場合には、すぐに受け取れるのかが気になるでしょう。本記事では確定申告の還付金がもらえる時期や、受付・処理状況の確認方法などを説明します。
確定申告で還付金がもらえるケースとは?
確定申告で還付金が生じるのは、既に払っている所得税の額よりも、確定申告で確定した所得税の額の方が少ない場合です。この場合、払い過ぎている税金が還付されます。
会社員などの給与所得者は、原則的に確定申告義務はありません。ただし、会社員も医療費控除など年末調整で適用できない控除を適用するため、確定申告ができます。確定申告すれば、控除を適用して税金を再計算するため、還付金が発生します。
個人事業主は確定申告して税金を払うケースが多いですが、取引先から受け取る報酬などから源泉徴収が行われている場合には、還付金が発生するケースがあります。予定納税している金額が多い場合や、青色申告で純損失の繰り戻しをする場合などにも還付金が生じます。
還付金がどれくらいあるかは、確定申告書を手順に沿って作成していくとわかります。還付金がある場合、「申告納税額」がマイナスになるケースが多くなります。最終的に「申告納税額」から「予定納税額」を差し引いた金額が還付金の額です(下図参照)。
<確定申告書の「還付される税金」欄>

筆者作成
還付金の受取方法には、自分名義の預貯金口座に振込してもらう方法と、ゆうちょ銀行または郵便局の窓口で受け取る方法があります。還付金がある場合、確定申告書に振込先口座などの情報を記載しておきます。
<確定申告書の「還付される税金の受取場所」欄>

筆者作成
還付金の処理状況を確認する方法
還付金をもらうには、確定申告書を提出し、受け付けてもらう必要があります。最近はe-Taxを利用して確定申告する人が増えていますが、本当に受付されているのか不安になることもあるでしょう。
確定申告をした後e-Taxソフト(WEB版)にログインすれば、「メッセージボックス」の「お知らせ・受信通知」に「所得税及び復興特別所得税申告」というメッセージが届きます。「送信されたデータを受け付けました」という通知内容が書かれていれば、確定申告は受け付けられています。
<e-Taxの「受信通知」>

筆者作成
還付金の処理状況については、e-Taxソフトの「マイページ」→「還付・納税関係」→「還付金処理状況を確認する」から確認できます。還付金の処理状況が更新されたときにはメールが届きますので、e-Taxソフトにログインして確認してみましょう。
<e-Taxの「還付金処理状況確認」>

筆者作成
書面で確定申告した場合には、所轄税務署または業務センターに問い合わせれば、還付金の処理状況を確認できます。控を手元に用意した上で電話してみましょう。
なお、令和7年1月から、確定申告書への収受日付印の押捺は行われなくなりました。書面で確定申告書を提出する場合には、自分で控を用意して提出日の記録・管理を行う必要があります。
e-Taxの利用者識別番号を持っている人は、書面で提出した場合にも、e-Taxで還付金処理状況を確認できます。
還付金はいつ入金される?
還付金は通常、確定申告書を提出した後、3週間~1ヶ月ほどで受け取れます。還付金の支払いが決定したら、「国税還付金振込通知書」が郵送または電子通知で届きます。通知書の「振込手続開始年月日」から4~5日以内に口座に入金されます。
<国税還付金振込通知書>

筆者作成
確定申告で控除を適用した場合には、所得税の還付金を受けられるだけでなく、住民税も安くなります。住民税は前年度の収入にもとづき計算するため、2024年度に確定申告した所得にもとづき、2025年度の住民税が決定します。
住民税決定通知書は6月頃に、普通徴収の人は郵送で、会社員など特別徴収の人は会社を通じて受け取ることになります。住民税決定通知書を見て、税金が安くなっているかどうかを確認しましょう。
還付金は忘れずに受け取ろう
確定申告すれば還付金がもらえるケースがあるので、該当する場合には忘れずに手続きしましょう。確定申告義務のない会社員が税金の還付のために行う確定申告(還付申告)は、対象となる年の翌年の1月1日から5年間可能です。昨年度分もまだ間に合いますので、5年の期限内に申告しましょう。
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森本 由紀 ファイナンシャルプランナー(AFP)・行政書士・離婚カウンセラー
Yurako Office(行政書士ゆらこ事務所)代表。法律事務所でパラリーガルとして経験を積んだ後、2012年に独立。メイン業務の離婚カウンセリングでは、自らの離婚・シングルマザー経験を活かし、離婚してもお金に困らないマインド作りや生活設計のアドバイスに力を入れている。

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