17/12/10
宝くじは税金がかかるの? 意外と知らない身近なお金
家事に、仕事に、子育てに、みなさんが抱える忙しさの理由は違えど、あと少しで2017年は終わります。
年末に迎える楽しみといえば、年末ジャンボ宝くじ。今回は宝くじにまつわるお金の話をしましょう。
「幸運の女神」のお給料は、わずか1.2%からねん出
年々、当選金の高額化がすすむ中、昨年の年末ジャンボは1等が7億円、前後賞合わせると10億円という、とんでもない当選額になっています。
それだけ多くの当選金、いったいどこから出ているか、お分かりですか?
もちろん宝くじの券を購入する際、皆さんが支払う1枚数百円のお金から、ねん出されています。
しかし、当選金に充てられているのは、このうちの47%に過ぎません。当選に夢を託し、数百円から数万円、それ以上購入される方もいるでしょう、その購入金は、いったいどこに行ったのか、気になりますよね。
その答えですが、残り53%の内訳は、次の通りです。(参考:公式宝くじHP)
公共事業充当金:39.8%
販売手数料:12%
広報費:1.2%
宝くじを購入してもらうために、テレビCMやポスターなどで広告を出すための広報費は、わずか1.2%に過ぎず、窓口で販売しているお姉さまたちのお給料も、全体収益の12%ほどです。当選金として支払う47%の次に、巨額のお金の出口は、実は「公共事業」につかう費用として、全国の自治体に「税金」とおなじ意味合いで、交付されているのです。
この額が、約3640億円で、全体の約40%を占めます。
税金はすでに納付済み
「宝くじに税金はかかるのですか?」
この様な質問を、筆者はたびたび耳にしますし、同じ類の質問はインターネットの質問サイトで、毎年のように上がっています。幸運にも、きっと高額当選をされた方が「脱税になったら嫌だな、どうしよう」と投稿したに違いないと、筆者は勝手に想像をしているのですが…。
さて、この質問の答えは、実はすでに回答済みのようなものです。
前項で「宝くじの収益金の出口」について、お話しましたね。当選金に充てられる額は、全体の約47%、次に多い約40%の収益は、「販売元の地方自治体へ納められる」のです。
これはいわば「税金」と同じもので、1つの商品に対する税率で言えば、トップの紙タバコ(約65%)、ガソリン(約45%)に続く、「ほとんど税金でもっていかれるモノ」の代表格なのです。つまり、すでに購入額には「税金が含まれている」のです。
ですので、宝くじの当選金に関しては、皆さんが所得税や住民税を払う事も、消費税を払う事もありません。
まとめ
宝くじには、購入金額の中にすでに税金が含まれていると、わかりましたね。
税金を既に含んだ収益の中から「払戻し」によって、当選金の支払をしているわけですから、受取りの際に税金が再度かけられるということもありません。
ただし、一度受取った当選金を、家族も含め他人に渡すと、他の贈与と合わせて1年間で110万円を超える場合は、「贈与税」の対象になりますので、ご注意を。
執筆者
佐々木愛子 ファイナンシャルプランナー(AFP)、証券外務員Ⅱ種
国内外の保険会社で8年以上営業、証券IFAを経験後、リーマンショック後の超低金利時代、リテール営業を中心に500世帯以上と契約を結ぶ。FPとして10代のうちから金融、経済について学ぶ大切さを訴え活動中。FP Cafe 登録パートナー。
記事提供:moneliy
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moneliy マネリー
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