25/02/05
定額減税の確定申告に要注意!記入忘れ→税金が増える可能性あり
定額減税により2024年度(令和6年度)の税金は安くなっています。これから確定申告をする人は、定額減税に注意しておきましょう。定額減税分の控除を確定申告書に記入し忘れると、余計な税金を払ってしまうことになります。今回は確定申告書への定額減税の記入の仕方や注意点を説明します。
令和6年分の確定申告で注意しておきたい「定額減税」とは?
定額減税とは政府が2024年(令和6年)6月から実施している経済政策で、所得税及び住民税を減税するものです。定額減税では令和6年度の所得税及び住民税について、一定額の特別控除が受けられます。控除額は、所得税については1人あたり3万円、住民税については1人あたり1万円です。
令和6年度の住民税は令和5年の所得をもとに計算します。住民税の計算は市町村が行っており、既に減税を反映した住民税の徴収が行われています。一方、令和6年度の所得税は令和6年の所得をもとに計算します。これから令和6年度分の確定申告をする個人事業主は、定額減税が受けられるよう注意しておかなければなりません。
確定申告する場合には自分で所得税を計算しますが、令和6年度については算出された所得税額から定額減税分を控除する必要があります。もし控除を忘れてしまうと、せっかくの定額減税が反映されずに税金が算出されてしまいます。
会社員でも確定申告する人は注意
会社員の場合には、所得税は給与から源泉徴収され、会社が年末調整で精算します。令和6年度の所得税についても年末調整までに会社が定額減税を反映した処理を行っているため、特に何もする必要はありません。
ただし、会社員でも医療費控除やふるさと納税などで確定申告する人は注意しておきましょう。確定申告書に定額減税分の控除を記入しなかった場合、定額減税が無効になってしまうからです。
確定申告書には、その年の所得税について最終的に確定した内容を書きます。定額減税についても改めて確定申告書に記入しないと、定額減税分が反映されないのです。記入漏れがあるまま税金を計算すると、本来の税額よりも多い金額になってしまいます。
確定申告書への定額減税の記入方法
令和6年度の確定申告書第一表には「令和6年分特別税額控除」という欄が設けられています。定額減税については、「令和6年分特別税額控除」欄に、対象者の人数と金額を記入します。
<令和6年度の確定申告書第一表(抜粋)>
筆者作成
対象者の人数は自分、同一生計配偶者、扶養親族の合計です。配偶者は合計所得金額が48万円(年収103万円)以下の場合に対象となります。16歳未満の子供は扶養控除の対象外ですが、定額減税の対象になるため人数に含めます。
なお、共働き夫婦で各自が定額減税を受ける場合、子供を重複して対象者に含めることはできません。どちらが子供を扶養に入れるかを決めて、年末調整の際に提出する扶養控除等申告書に記入して申告しておく必要があります。
金額は「3万円×人数」で計算して記入します。たとえば、配偶者と子供2人を扶養している場合には、「3万円×4人=12万円」となります。
定額減税を受けるにあたって、確定申告書第二表の「配偶者や親族に関する事項」の欄も忘れずに記入しましょう。
<令和6年度の確定申告書第二表(抜粋)>
筆者作成
確定申告をする場合、e-Taxを利用して手順通りに入力していけば、記入漏れが起こりにくくなります。対象の配偶者や扶養親族を入力すると、自動的に「令和6年分特別税額控除(定額減税)」の対象人数がカウントされ、控除額とともに表示されるようになっています。
<スマホの画面のイメージ>
筆者作成
スマホとマイナンバーカードがあれば国税庁の「確定申告書等作成コーナー」から申告書を作成してe-Taxが利用できます。
令和6年の確定申告書は「令和6年分特別税額控除」欄の記入を忘れずに
令和6年分の所得税は定額減税が受けられます。これから確定申告をする個人事業主は、「令和6年分特別税額控除」欄を忘れずに記入しましょう。会社員は定額減税を受けるための手続きは不要ですが、確定申告する場合には「令和6年分特別税額控除」欄の記入が必要です。うっかり記入を忘れると税金が高くなってしまうので注意しておきましょう。
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森本 由紀 ファイナンシャルプランナー(AFP)・行政書士・離婚カウンセラー
Yurako Office(行政書士ゆらこ事務所)代表。法律事務所でパラリーガルとして経験を積んだ後、2012年に独立。メイン業務の離婚カウンセリングでは、自らの離婚・シングルマザー経験を活かし、離婚してもお金に困らないマインド作りや生活設計のアドバイスに力を入れている。
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