24/11/26
2024年末までにやっておけば、損しないお金のこと4選
2024年もあっという間に終わりに近づいてきました。年末も慌ただしく過ごしているうちに2025年がやってきます。でも、その前におすすめしたいのがお金まわりの見直し。2024年のうちにやり残したことがあれば、将来の家計のためにもすっきり片付けてから2025年を迎えるようにしましょう。今回は、2024年のうちにやっておくべきことを4つ紹介します。
やっておきたいお金のこと1:ふるさと納税
ふるさと納税は、応援したい自治体を自由に選んで寄付する制度です。
ふるさと納税をすると、寄付のお礼として、地域の特産品やサービス(返礼品)を受け取ることができます。また、確定申告を行うことで、寄付した金額から2000円を引いた金額が、所得税や住民税から控除されます。
ふるさと納税は、実質負担2000円でさまざまな返礼品がもらえるお得な制度ですが、「仕組みが難しそう」という理由で、これまでやってこなかった方もいるのではないでしょうか。特に「確定申告をしなければならないこと」や「自分の控除上限額がわからないこと」がネックになっている方は多いかと思います。
サラリーマンなどの給与所得者で、ふるさと納税先の自治体数が5以下の方は「ふるさと納税ワンストップ特例」を利用することができます。この制度を使うと、対象の自治体に申請書を提出するだけで済み(翌年1月10日必着)、確定申告の必要はありません。
ただし、家族構成や所得によって控除の上限額が決められており、その金額を超えて寄付しても自己負担が増えてしまうだけです。これを防ぐために、ふるさと納税のポータルサイトに用意されている「控除額シミュレーション」を利用するのがおすすめです。家族構成や年収などの条件を入力していくだけで、自分がいくらまで寄付できるのか把握できます。
ふるさと納税の期間は1月1日から12月31日ですから、今年まだふるさと納税をやっていない方は、ぜひやってみてはいかがでしょうか。
なお、2025年10月よりふるさと納税ポータルサイトでのポイントの付与が禁止されることになりました。欲しい返礼品があって、いつかはふるさと納税を始めたいと考えている方は、ポイント還元があってお得な2024年中にまず利用して、2025年は9月までに寄付することをおすすめします。
やっておきたいお金のこと2:医療費控除の確認
医療費控除とは、その年に支払った医療費が10万円を超えた場合に、その超えた金額を所得から控除できる制度です。なお、所得が200万円未満の場合は、所得の5%を超えた分が控除できます。
入院費や風邪薬代、松葉杖の購入費、病院までの交通費なども医療費控除の対象となります。2024年のうちに、この1年でかかった医療費のレシートを集めておきましょう。もし、あと少しで医療費控除の対象額に届きそうであれば、気になる箇所の治療を年内に済ませたり、常備薬を補充しておいたりすることをおすすめします。
また、医療費控除の特例として、セルフメディケーション税制というものがあります。これは、ドラッグストアなどで対象の市販薬を年に1万2000円を超えて購入した場合に、その超えた金額(上限8万8000円)を所得から控除できる制度です。
セルフメディケーションとは「軽い不調は病院に行かなくても市販薬などで手当し、責任を持って自己の健康管理をする」という考え方。そのため、セルフメディケーション税制を利用するには、その年に定期健康診断や予防接種などを受け、それを証明できる書類も用意しなければなりません。
なお、医療費控除とセルフメディケーション税制は併用できず、どちらか一方を選択する必要があります。
やっておきたいお金のこと3:新NISAで2024年の枠を使う
2024年からはじまった新NISAは、株式や投資信託に投資して得られた利益に税金がかからない制度です。
つみたて投資枠で120万円、成長投資枠で240万円、合わせて年間360万円までの投資が可能です。また、非課税保有限度額が創設され、生涯にわたって新NISA口座で1800万円まで投資できるようになりました。
2023年までの旧NISAは非課税期間が5年間のみでしたが、新NISAではそれが恒久化され、いつ始めても生涯利益に税金がかからなくなりました。
年間360万円の枠は、使い切れなくても翌年に繰り越すことができません。といっても、新NISAの非課税期間は無期限ですから、無理して年間投資枠をすべて使い切る必要はなく、自分のペースで少しずつ投資していけば問題ありません。
ただ、できるならなるべく早めに投資したほうが効率よく資産を増やせるでしょう。なぜなら、早いうちから投資を始めて、運用期間を長くすればするほど、複利効果が高まるためです。
複利効果とは、運用して得られた利益を元本に追加して、さらに運用を続け、また利益を元本に追加して運用する……これを繰り返すことで、利益を雪だるま式にどんどん増やしていけるという考え方です。投資期間が長ければ長いほど、複利効果は高まります。早めに投資を始めると、それだけ長い期間運用できることになるため、資産を効率良く増やしていけるでしょう。
やっておきたいお金のこと4:iDeCoを始める・掛金を見直す
iDeCoは、公的年金に上乗せして自分で年金をつくるための制度です。自分で掛金を拠出し、自分で商品を選んで運用します。掛金は全額所得控除の対象となり、運用益は非課税、さらに老後受け取るときにも税制優遇があるため、老後に備えたい方におすすめです。
iDeCoは、働き方や勤務先に企業年金があるかどうかによって、毎月の掛金の上限額が異なります。そのため、iDeCo加入時には、勤務先に証明書を書いてもらい提出しなければなりませんでした。
しかし、2024年12月から制度が改正され、証明書の提出が不要となりました。iDeCoに加入したいと考えていたものの、会社に証明書を依頼するのが面倒で加入していなかった方は、この機会に加入してみてはいかがでしょうか。
2024年12月から改正される内容はほかにもあります。それは、確定給付企業年金に加入している会社員や公務員の掛金上限額が、月額1万2000円から2万円に引き上げられることです。
iDeCoの掛金は年に1回まで変更できます(12月から翌年の11月)。掛金引き上げの対象者で、もっとiDeCoの掛金を増やして老後に備えたい、税制優遇を受けたいと考えている方は、2024年のうちに掛金を増額してはいかがでしょうか。
ただし、確定給付企業年金や企業型確定拠出年金に加入している場合、それらとiDeCoを合わせた掛金が月5万5000円を超えることはできません。そのため、確定給付企業年金や企業型確定拠出年金の掛金額が多い方は、今回の改正により、iDeCoで掛けられる金額がむしろ減ってしまったり、iDeCoの掛金を拠出できなくなったりすることもあります。改正によってご自身の掛金の上限額が増えるのか、それとも減るのか確認しておきましょう。
今の行動が将来の自分を助ける!
2024年のうちにやっておくと良いお金のこととして、「ふるさと納税」「医療費控除の確認」「今年の新NISAの枠利用」「iDeCoを始める・または掛金の見直し」を紹介しました。面倒だと思われるかもしれませんが、今のうちにやっておいたことは、きっと将来のあなたを助けてくれます。後になって「やっておけば良かった」と後悔しないよう、できそうなものから始めてみましょう。
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木下七夏 Webライター
大学卒業後金融機関に勤め、個人のお客さま向けの営業を担当。退職後にFP2級を取得し、フリーライターに。FPで学んだ知識や金融機関勤めの経験を生かして、生活にまつわるお金の疑問を分かりやすく噛み砕いて解説する記事を作成している。
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