24/03/09
50代からでも間に合う!新NISA投資で3000万円つくる方法
新NISAの開始を機に、今年から投資を始めようと考えている方は少なくないでしょう。投資は長く続けることで資産を効率よく増やせるため、20代・30代などの早いうちから始めるのがよいとされていますが、決して50代からでも遅いわけではありません。
今回は50代から新NISAで3000万円作る方法を具体的な例を用いて解説します。今から目標の金額を貯めるには毎月どのくらいの投資が必要か、投資先の選び方はどうすればよいかなど、初めての投資に必要な情報を解説します。
新NISAで3000万円貯めるにはどれくらい投資したらよい?
投資は預金と違って常に値動きするため、元本が保証されません。利益を狙える反面、損をするリスクもあるのです。しかし毎月決まった金額を購入し続ける「積立投資」なら、長く続けることで大きく損をするリスクを減らせます。
ここでは、50歳~70歳の20年間積立投資をして3000万円作るには、毎月いくらの投資が必要か、利回り別のシミュレーション結果を見てみましょう。
<目標金額3000万円を作るために必要な積立額>
筆者作成
このように、想定利回り3%なら毎月約9万円、5%なら毎月約7万円というように、利回りによって毎月の積立額は変わってきます。たとえば比較的リスクの低い投資信託で運用するのであれば、3%~4%程度でシミュレーションしておくとよいでしょう。
上表の積立額なら新NISA「つみたて投資枠」の年間投資枠120万円におさまるので、税金で資産を目減りさせることなく運用できます。なお、新NISAには一部の投資信託の積立投資を対象とした「つみたて投資枠」と、幅広い金融商品に一括または積立投資できる「成長投資枠」の2つの枠があり、これらは併用できます。もし毎月の積立額がつみたて投資枠の上限を超えるようなら、超えた分は成長投資枠で積み立てることも可能です。
毎月積み立てるお金は、必ずしも毎月の収入から出す必要はありません。もし預貯金の一部を投資にまわせるのであれば、積立額の半分は預貯金から、もう半分は毎月の収入から、というようにしてもよいでしょう。
ただし投資にまわすお金は余裕資金でおこなうことが大前提です。余裕資金の考え方については後述しているので、そちらを参考に投資にまわすお金を決めましょう。
なお、今回紹介した毎月の積立額はあくまで一例です。ご自身の目標金額や運用期間に応じた積立額が知りたい方は、金融庁NISA特設ウェブサイトの「資産運用シミュレーター」や金融機関などが提供するシミュレーターを利用して試算してみましょう。
50代からの投資を始めるならどんな投資先がよい?
投資を始めるにあたって、どのような投資先を選べばよいか気にされる方は多いはず。投資初心者なら、まずは投資信託で始めてみるのがおすすめです。
投資信託とは、不特定多数の投資家から集めた資金を、ファンドマネージャーと呼ばれる投資のプロが運用してくれる金融商品です。株式投資のように日々の値動きを気にする必要がないため、初心者にも始めやすい商品です。新NISAの「つみたて投資枠」を利用すれば、長期の積立・分散投資に適した投資信託に限定されているため、比較的リスクの低い商品を選びやすいでしょう。
ただし投資信託の種類(アセットクラス)によってリスク・リターンの大きさは異なるので、種類ごとの特徴は知っておく必要があります。投資信託には大きく分けて「株式型」と「債券型」があり、さらに投資先が国内か外国かによっても分類されます。一般的に債券型より株式型のほうがリスク・リターンは高く、さらに国内より外国のほうがリスク・リターンは高くなります。
<投資信託の種類とリスク・リターンの関係>
金融庁「資産形成について学習したい」より
このような特徴をふまえて、異なる種類の投資信託を組み合わせるとよいでしょう。値動きの異なる種類の商品を組み合わせることで、投資のリスクを分散できます。
自分に合ったポートフォリオ(金融商品の組み合わせ)を知りたい場合は、ネット証券などが提供するアプリやツールを活用するのがおすすめです。年齢や収入、投資の目的、投資の知識や考え方などいくつかの質問に答えるだけで、おすすめのポートフォリオをおしえてくれます。
複数の商品を選んで管理する手間を減らしたいなら、バランス型ファンドを選ぶのも一案です。バランス型ファンドとは、値動きの異なる複数の資産(アセットクラス)に投資する投資信託のこと。たとえば「国内債券」「外国債券」「国内株式」「外国株式」に均等に投資したい場合、そのようなバランス型ファンドを選べば1つの商品で実現できます。
50代から投資を始める際のポイント
50代から投資にチャレンジする方は以下のポイントを意識して始めましょう。
●余裕資金で始める
投資を始める際は、余裕資金で始めることが基本です。余裕資金とは、「緊急予備資金」と「使い道が決まっているお金」を除いたお金のことです。
緊急予備資金とは、災害や病気・ケガなどで収入が減少したり出費がかさんだりした際に備えるお金のことです。一般的に生活費の3か月~6か月分程度を、預金で準備しておくとよいといわれています。
また、すでに使い道が決まっているお金も投資にまわすのはおすすめできません。50代は子供の進学や住宅関連費用などで支出がかさみやすい時期でもあります。たとえば教育資金や住宅ローンの返済、リフォーム費用など、直近5年以内に使うようなお金は元本保証のある預金などで準備しておくとよいでしょう。このようなお金を投資にまわしてしまうと、いざ必要なときに値下がりして必要な金額が不足してしまうリスクがあるためです。
●信託報酬(コスト)の安いものを選ぶ
投資信託で積立投資する場合、信託報酬の安いものを選ぶようにしましょう。信託報酬とは、証券会社や運用会社に支払うコストのことで、資産残高から一定割合が毎日差し引かれます。長く運用するほどコストはかさむので、できるだけ安いものを選ぶのがポイントです。
投資信託には株価指数などの指標に連動することを目標とする「インデックスファンド」と、指標を上回る運用成果を目指す「アクティブファンド」がありますが、信託報酬の安さで選ぶならインデックスファンド一択です。新NISAの「つみたて投資枠」なら対象商品がインデックスファンドに限定されているため、信託報酬の高いものを選んでしまう心配はありません。
信託報酬は投資信託の種類によって水準が異なるので、信託報酬の安い商品を探す際は同じジャンルの投資信託で比較しましょう。
●価格が暴落してもやめない
投資は常に値動きするものなので、時には価格が暴落してしまうこともあります。しかしそのような時でも、一時的な値動きに惑わされずに投資を続けることが大切です。
記憶に新しい2020年3月のコロナショックでは、日経平均株価は約30%下落しましたが、半年後にはコロナ前の水準まで回復、さらに約4年後の2024年2月には史上最高値を更新しています。もちろん価格の低迷が長く続いていたり、運用成績の回復が期待できなかったりする場合は損切りも視野に入れる必要がありますが、一時的な感情ですぐに売却するのはおすすめできません。投資は長く続けることで複利効果(投資で得た利益を再び投資にまわすことで、利益が利益を生み資産がふくらんでいく効果)が大きくなり、損をするリスクも少なくなるため、腰を据えてコツコツ続けることを心がけましょう。
50代からでもお金は増やせる
人生100年時代ともいわれるように、老後期間が長くなり、それに伴い定年や働く期間も長くなることが想定される昨今。そのような現状をふまえると、50代から投資を始めても十分長い投資期間が確保できるので、決して遅くはありません。今回紹介した投資の考え方や投資先の選び方をふまえて、新NISAで初めての投資にチャレンジしてみましょう。
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鈴木靖子 ファイナンシャルプランナー(AFP)、2級DCプランナー(企業年金総合プランナー)
銀行の財務企画や金融機関向けコンサルティングサービスに10年以上従事。企業のお金に関する業務に携わるなか、その経験を個人の生活にも活かしたいという思いからFP資格を取得。現在は金融商品を売らない独立系FPとして執筆や相談業務を中心に活動中。
HP:https://yacco-labo.com
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