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21/11/21

資産運用・経済

年金保険料分を20歳から60歳まで積立運用したら40年間でいくら? 年金の必要性を考える

将来もらえる年金が減るかもしれない。そんな話になるとよく「自分の支払った年金保険料だけでも返してほしい」などという意見を耳にします。いうなれば、将来自分が受け取る年金を積み立てておいて、老後に受け取りたいということでしょう。ですが、本当にそれでいいのでしょうか? 今回は、もし年金保険料を20歳から60歳までの40年間積み立てたとしたらいくらになるのか、年金が積立方式だった場合にどんな問題があるのか、紹介します。

日本の公的年金は「賦課方式」

日本の公的年金には、国民年金と厚生年金の2つがあります。

国民年金は、日本に住む20歳以上60歳未満のすべての人が加入する年金です。原則として40年間(480カ月)、毎月国民年金保険料を支払うと、65歳から満額の国民年金(老齢基礎年金)を受け取れます。
国民年金の保険料は毎年度改定されます。2021年度は月1万6610円ですので、1年でおおよそ20万円程度を支払っています。なお、国民年金保険料を未納にしていると、未納にした月分だけ将来もらえる老齢基礎年金の金額が減ります。

対する厚生年金は、会社員や公務員が加入する年金です。会社員や公務員の方は、毎月の給与から厚生年金の保険料が天引きされています。厚生年金には国民年金も含まれているため、会社員・公務員の方は原則65歳から厚生年金(老齢厚生年金)と老齢基礎年金の両方を受け取れます。
厚生年金の保険料は、毎月の給与から算出する「標準報酬月額」「標準賞与額」の18.3%。一般に、給与が多いほど、段階的に保険料もアップし、将来受け取れる年金も増えます。なお、厚生年金の保険料は勤務先と加入者本人で半分ずつ支払う方式(労使折半)なので、本人が負担する金額は9.15%です。

現役世代が納めた公的年金の保険料は、将来の現役世代の年金の支払いに充てられる…わけではなく、現在の年金受給世代の年金の支払いに充てられます。この仕組みを「賦課方式」といいます。現役世代が年金受給世代になったときには、次の現役世代が支払う保険料が支給されます。つまり、賦課方式は年金を通じて、世代間で仕送りをする制度だといえます。

しかし、ご存じのとおり、日本は世界で他に類を見ないほどの超高齢社会。年金受給世代である高齢者が増え、それを将来支える子どもの数が減っています。これがさらに進めば、若い人が高齢者を支えきれなくなって、もらえる年金が減ってしまう…。そう考える方が、「年金は積立方式がいい」「自分の支払った年金保険料だけでも返してほしい」という考えに至るようです。

積立方式vs賦課方式 将来お金がたくさん受け取れるのはどっち?

もし、年金制度を利用せずに年金保険料を積み立てたら40年でいくら貯まるのか、わかりやすい国民年金を例に計算してみましょう。

●国民年金保険料を40年間積み立てたらいくらになる?

筆者作成

図は、20歳から60歳までの40年間、国民年金保険料(毎月1.6万円)を積み立てた場合に貯まる金額を示したグラフです。単純に1.6万円を40年間(480か月)積み立てたとしたら、積立金額の合計は768万円になります。また、40年間かけて運用を行い、年利4%(複利)で増やせたとしたら、資産の合計(元本+運用益)は1897万円になる計算です。複利で運用することで、加速度的にお金が増えている様子がわかります。

768万円を運用で1897万円に増やせたといえば、一見頼もしく見えますが、賦課方式の国民年金を利用した場合はどうでしょう。
国民年金の保険料は40年間納めることで、65歳から毎年約78万円受け取れます。これは亡くなるまでずっと受け取れますので、仮に65歳から95歳までの30年間生きたとしたら、2340万円となる計算です。積立方式の1897万円を年78万円(老齢基礎年金の満額)ずつ取り崩したら24年ほどで資産がなくなってしまいますが、賦課方式の国民年金を利用すれば、30年間お金を受け取れるのです。

賦課方式の有利なポイントは他にもある

年金は積立方式より賦課方式のほうが有利だというポイントは、他にもあります。

●賦課方式なら年金はどれだけ長生きしても受け取れる

今や人生100年時代。上の例では95歳まで長生きしたらという話をしましたが、今後100歳、110歳と長生きする方も増えることでしょう。積立方式では、お金がやがて底をついてしまいますが、賦課方式ならばどれだけ長生きしても将来にわたってお金が受け取れます。

●賦課方式なら年金は障害を負ったり亡くなったりしたときにももらえる

年金といえば老齢年金をイメージする方が多いのですが、年金には他にも所定の障害を負ったときに受け取れる「障害年金」や、亡くなった際に遺族が受け取れる「遺族年金」があります。年金に加入していない場合、もし積立期間中に万が一のことがあったら、お金がまったく足りないという状況になりかねません。しかし、年金に加入していれば、そうした万が一のときに備える保険を手に入れることができるのです。

●積立方式は必ず年利4%で運用できるとは限らない

上の例では、「積立方式で年利4%が得られる」前提で計算しました。しかし、運用にはリスクがあります。40年もの積立期間のうち、年利4%以上の年もあるかもしれませんが、年利4%に届かない年や、マイナスになってしまう年もあるかもしれません。もしも積立中に資産が減るようなことがあれば、老後に使えるお金はもっと減ってしまうことになります。その点先ほどの国民年金ならば、40年かけて支払った保険料の元を10年ほどで回収し、以後は長生きするほど受け取れる金額が増えていきます。

最近話題のFIRE(経済的自立と早期リタイア)には、「4%ルール」というルールがあります。これは、「リタイア後の生活費を投資元本の4%以内に収めれば、資産を目減りさせずに暮らせる」というもの。言い換えると、FIREに必要な資産は「投資元本(100%)÷年間支出(4%)」、年間支出の25倍となります。

先ほどの国民年金をこの4%ルールで考えると、78万円×25倍=1950万円。つまり、国民年金を利用するということは、約2000万円の資産で4%の運用を確実に続けるのと同様の効果がある、というわけです。

PayPay証券

まとめ

年金保険料を積み立てて自分のためだけに使っても、賦課方式の年金にはかないません。年金は、所定の保険料を支払うことで生涯にわたってお金が受け取れますし、障害や死亡といった万が一の際にもお金を受け取ることができます。

とくに国民年金保険料を自分で支払う「第1号被保険者」(個人事業主・フリーランスなど)の方の場合、国民年金保険料を未納にしてしまう方がいます。しかし、そうすると国民年金の金額が減ってしまうばかりか、加入期間によってはお金が受け取れないこともありえます。そうした事態を防ぐためにもぜひ、国民年金の保険料は支払っておくことをおすすめします。

畠山 憲一 Mocha編集長

1979年東京生まれ、埼玉育ち。大学卒業後、経済のことをまったく知らないままマネー本を扱う編集プロダクション・出版社に勤務。そこでゼロから学びつつ十余年にわたり書籍・ムック・雑誌記事などの作成に携わる。その経験を生かし、マネー初心者がわからないところ・つまずきやすいところをやさしく解説することを得意にしている。2018年より現職。ファイナンシャル・プランニング技能士2級。教員免許も保有。趣味はランニング。

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