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24/02/13

相続・税金・年金

「確定申告せず税金未納」が税務署にバレる7つのケース

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最近では副業を認める会社も多くなって、会社員でも確定申告が必要だという人が増えています。しかし、副業だから、このくらいの金額なら大丈夫と思っていませんか。無申告で摘発される件数は、年々増えています。
確定申告をすべき人が申告をしないのは、「無申告」の状態です。納税は国民の義務。税務署はそんなに甘くないので、無申告がバレないはずはありません。ではどんなところから情報がもれているのでしょうか。主なものを見ていきましょう。

確定申告しないで税金未納付がバレるケース1:法定調書

法定調書は、所得税法、相続税法や租税特別措置法などの規定により事業者が年に一度、報酬や家賃の支払い情報などの提出が義務付けられているものです。確定申告が始まる前の1月末までに、給料なら「給与支払報告書」を個人別に支払元から市区町村に提出します。また報酬等を支払った場合には「支払調書」を支払元から1月末までに税務署に提出します。

支払調書は、報酬等を支払った側から受け取った側にも送付するのが原則なので、本人の手元にも届きます。税務署は法定調書と確定申告の内容に相違がないか調べています。ですから、事業者が支払いを行った事実はすでに税務署に把握されています。そのため、本人は「金額はわずかだから」と思って確定申告しなくても、税金をかける方は「収入があるはずなのに申告されていない」と気づくのです。

確定申告しないで税金未納付がバレるケース2:官公庁への提出書類

不動産を購入すると、法務局で不動産登記をします。この情報は、都道府県税事務所や市区町村へ不動産取得税や固定資産税を課税するために共有されますので、税務署にも購入したことがわかってしまいます。税務署は定期的に不動産情報を集めていますので、隠しているつもりでも、新しく賃貸用の不動産を取得すれば、家賃収入の無申告がバレてしまいます。それだけではなく、償却資産の申告がもれていた場合には、市区町村から申告をするように指摘があります。

確定申告しないで税金未納付がバレるケース3:銀行口座の動き

税務署は、金融機関や官公庁にあるデータだけでなく、携帯電話や公共料金、住居費の支払い状況などをあらゆるところに照会して、納税すべき人のデータを調べます。特に銀行口座に数百万円単位の大きな入金があったり、毎月一定の業者からお金を受け取ったりしているのに確定申告がなければ、怪しまれて調査の対象になるでしょう。入金ばかりではなく、収入に見合わない不動産購入などによる高額な支払いも資金の出所に関して目を付けられやすくなります。
金融機関の取引データは、過去10年前まで遡って取り調べることができます。過去のことだから大丈夫だとは言えないのです。

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確定申告しないで税金未納付がバレるケース4:取引先への調査

税務署の調査は、納税者ばかりではなく取引先を調査することもあります。自分自身はバレないように無申告で営業をしていても、取引先に税務調査が入り、帳簿から発覚することもあるのです。取引先が仕事の対価として仕入や売上、必要経費がきちんと帳簿に計上されていれば、そこからの情報で無申告だと発覚することがあります。取引先では相手先に支払っているのですから、領収書などの証拠も残っているはずです。そうなると芋づる式にバレてしまいます。

これは無申告に限らず、たとえば「水増し請求をして数字に食い違いが生じている」といったことを発端に、税務署が調査に入ることもよく見受けられます。逆に、100万円の報酬を支払っていても、受取った方が書類を偽造して、実際の報酬より少ない額を申告しているケースもあります。そうすることによって、税金の額を少なくすることができるからです。取引先に税務調査が入ったら、次は自分のところにも来るかも…と思った方がよさそうです。

確定申告しないで税金未納付がバレるケース5:一般取引資料せん

一般取引資料せんとは、適正・公正な課税ができるように、行税指導や税務調査を目的として情報収集するものです。国税局や税務署からの送付書には、理解と協力により、法人や個人事業主の方に任意の提出をお願いするものだと書かれています。

一般取引資料せんに記す内容は、売上、仕入、外注費、接待交際費などの費用や支払いリベートなどです。取引の相手先については、住所、会社名(氏名)、振込口座、取引金額等を所定の用紙か光ディスクで提出するようになっています。提出は任意といっても、提出しないのは何か出せない理由があるのではないかと思われそうです。

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確定申告しないで税金未納付がバレるケース6:税務署へのタレコミ

急に羽振りがよくなり高額な物を購入する、頻繁に旅行に行くなどしていると、周囲から収入を疑われることがあります。商売をしていて税務署の調査が入る場合、「きっとも儲かっているはずだ」というタレコミが発端になっていることが多いそうです。

たとえば、無申告や脱税をしていることが第三者に伝わり、匿名で税務署に電話をかけてきたり、メールを送信したり、内部告発をすることで国税庁や税務署が情報を知り得ることがあります。国税庁のホームページにも「課税・徴収漏れに関する情報の提供」というタレコミの窓口があります。ネットから情報提供フォームへの入力、郵送、電話または面接などの方法があります。

こういった情報も中には信憑性が乏しいものもあるので、すべてが即座に税務署から連絡が来るわけではありません。しかし、無申告の状態を何年も続けていれば、調査の対象となる可能性は高まります。
税務署から日程調整の連絡があったときは、すでにアウトです。十分な証拠をそろえた上で、不正があることを知っているからです。

確定申告しないで税金未納付がバレるケース7:ネットの掲載情報

意外に思われるかもしれませんが、税務署にはホームページやSNS、ネットオークションといったネット上の掲載情報を調査する「情報技術専門官」という専門の部署があります。オークションでは、自分の名前が明らかになっていないから大丈夫と思ったら大間違いです。オークションの利益やネット販売の履歴などから、確定申告していない人を割り出します。SNSで「こんなに売れました」という記載があれば、確定申告がないのは怪しいと不信に思うはずです。

またインターネット上のプラットフォームを介して行うシェアリングビジネス・サービス、ネット通販、ネット広告、デジタルコンテンツなどの分野でも申告漏れを積極的に調査しています。国税庁の「令和4事務年度 所得税及び消費税調査等の状況」によれば、2022年(令和4年)の事務年度(7月1日〜翌年6月30日)の、この分野においての1件あたりの個人の申告漏れ所得金額は1508万円。調査件数は1324件で、申告漏れ所得金額の総額は200億円と前年度にくらべいずれの項目も増えています。

さらに、暗号資産(仮想通貨)等取引の追徴税額は高水準になっており、調査件数は対前年比138.5%。インターネット取引を行う個人を国税庁が見逃すはずはありません。

無申告の場合にかかる追徴課税は?

税務署から指摘されなければ大丈夫とか忙しかったからというのは、確定申告をしなかった言い訳にはなりません。無申告を貫こうと時間を経過するほど、残念な末路が待ち構えています。無申告へのペナルティはかなり重いものです。

2023年度税制改正では、無申告に対する加算税が以前より重くなりました。「高額」「繰り返し」といった悪質な場合には、ペナルティの度合いが加重されています。この改正は、2024年1月1日以降に法定申告期限が到来する国税に対して適用があります。

納税すべき人が申告しなかった場合には、本来納めるべき税額以外に、無申告加算税、延滞税、重加算税を支払わなければなりません。

●無申告加算税…期限内に申告・納付しないときに課される税金。

本来納めるべき所得税の金額に対して課されます。納税額300万円を超える部分については、ペナルティが強化されました。

・50万円以下:15%
・50万円超300万円以下:20%
・300万円超:30%

ただし、納税者が責められるべき事由がないと認められる事実にもとづく税額に関しては、300万円超から対象外になります。

さらに、繰り返し無申告を行う納税者に対しては罰則が強化され「本来の割合+10%」となります。この加重の対象になるのは、3年連続無申告だった者。具体的には、「前年度および前々年度の国税で無申告加算税か重加算税が課された」といった場合に10%加算されます。

●延滞税…期限後に納付したとき、その遅れた期間に応じてかかる利息のような税金。

本来納めるべき所得税の金額に対して、原則として7.3~14.6%課されます。

●重加算税…悪質な隠ぺい、偽装があった場合に課される税金。

本来納めるべきだった所得税の金額に対して無申告の場合には40%課されます。税務署の担当者の質問に素直に答えなかった場合は、隠ぺい、偽装とみなされることも。今回の改正で無申告を3回以上繰り返した場合には、10%の加重で50%課されることになります。

また、2024年1月1日から適用された加算税の改正には、帳簿の提出がない場合等の加算税の加重措置があります。これは、帳簿の備付け・保存義務がある所得を生ずる事業者が対象になります。
税務調査で帳簿の提出と求められた際に収入の帳簿がなかった場合や売り上げ記帳の金額の程度が半分未満だった場合には、過少申告加算税が10%加算されます。

さらに、帳簿や会計書類が電子データで作成されている場合に改ざんや隠ぺいが見つかれば、電子帳簿保存法に違反することになり、通常の追徴課税に加えて10%が加重されます。

2024年1月からは電子取引の保存が義務化されていますので、より税務調査がしやすい環境が整っています。バレないようにしているから大丈夫と思っている人でも、「無申告はいつかバレる」と心得ていたほうがよいでしょう。納税をしなかったことによるペナルティはもちろんのこと、信用を失いかねません。

遅れるほどすごい税額に……自主的に納税しよう

「税務署にはバレないだろう」と考えるのは、大きな損失になります。給与所得者は、副業の所得が20万円を超えると確定申告が必要になります。
適切な申告や納税が行われるために、税務署には「質問検査権」があり、私たち納税者はこれを受ける義務があります。「知らない」と押し通すことはできません。確定申告をせずに無申告のままだと、過去の申告年分までさかのぼって申告することになります。遅れれば延滞税だけでもすごい税額になってしまいます。

税務署から連絡が来るということは、すでに動かぬ証拠をつかんでいるということです。いつバレるのかハラハラするよりは、過去5年分までの期限後申告を受け付けているので、自主的に1日も早く申告するほうがよいでしょう。

池田 幸代 株式会社ブリエ 代表取締役 本気の家計プロ®

証券会社に勤務後、結婚。長年の土地問題を解決したいという思いから、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー(AFP)を取得。不動産賃貸業経営。「お客様の夢と希望とともに」をキャッチフレーズに2016年に会社設立。福岡を中心に活動中。FP Cafe登録パートナー

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