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23/03/26

資産運用・経済

金利上昇でお得!日本一安全な「変動10年国債」 キャッシュバック特典も紹介

金利上昇でお得!日本一安全な「変動10年国債」 キャッシュバック特典も紹介

国が発行している債券(国債)を個人でも買いやすくした「個人向け国債」。
安全で手軽な投資先である一方、金利は最低限となる0.05%が続いていましたが、このところ、個人向け国債の金利が上昇してきています。
今回は、個人向け国債の特徴とメリット・デメリット、金融機関で実施されているキャッシュバック特典を紹介します。

個人向け国債ってどんな商品?

債券は、国や地方自治体、会社などがお金を借りるために発行する借用証書のようなもの。国が発行している債券(国債)の中で、政府が個人でも買いやすくしたものを「個人向け国債」といいます。個人向け国債は毎月発売されており、1万円から購入できます。個人向け国債を買うと、半年に1度利息が受け取れるうえ、満期になると貸したお金が返ってきます。

個人向け国債には「固定3年」「固定5年」「変動10年」という3つのタイプがあります。

●個人向け国債の3つのタイプ

著書「1日1分読むだけで身につくお金大全100」(自由国民社)より

「固定」「変動」は金利の仕組みのことです。固定は販売している利率が満期まで変わらずにもらえること、変動は半年に1度、利率が見直されて変動することを表します。
また年数は、お金を貸す期間(=満期になるまでの期間)のことです。それぞれ、3年・5年・10年と分かれています。
なお、満期になる前でも、発行後1年以上経てば換金できます。その際、直近2回の利息にあたる金額が差し引かれますが、元本割れはしません。

個人向け国債の利率は、最低でも年0.05%が保証されています。2022年中頃まで、個人向け国債の金利は3タイプとも0.05%の下限で設定されていました。
しかしこのうち、変動10年は2022年8月、固定5年は2022年12月から、金利がじわじわ上昇してきています。2023年3月時点で、変動10年の金利は年0.33%、固定5年の金利は年0.18%にまで上昇しているのです。

個人向け国債のおすすめは「変動10年」

個人向け国債のおすすめは、変動10年です。今後金利が見直されて上昇した場合に、持っている国債の利率が上昇し、利息が増えるのは変動10年のみだからです。

変動10年が参考にしている金利は、10年固定利付国債の基準金利です。この基準金利に0.66をかけた利率が利払日ごとに設定され、変動10年の適用利率になります。計算した結果0.05%を下回っても、0.05%の最低金利が保証されています。

直近10年間の10年固定利付国債の利回りと、その基準金利に0.66をかけた適用利率をグラフに表すと、次のようになります。

直近10年の日本10年債券利回り推移

Investing.comのデータを参考に(株)Money&You作成

青が10年固定利付国債の基準金利、オレンジが基準金利×0.66の数値です。オレンジのグラフは、途中長らく0.05%の最低金利が適用されていますが、それが直近上昇していることがわかります。実際、変動10年の半年ごとの金利も、上昇しています。

●変動10年の適用利率

財務省のウェブサイトをもとに(株)Money&You作成

SBI証券[旧イー・トレード証券]

個人向け国債「変動10年」のメリットとデメリット

変動10年のメリットとデメリットは、次のとおりです。

●変動10年のメリット

①預貯金よりも安全!日本一低リスクな資産
②中途換金しても元本割れしない
③金利が上昇すれば、もらえる利息も増える
④インフレに比較的強い
⑤最低でも0.05%の金利がつく
⑥手数料がかからない

変動10年は預貯金より安全な、日本一低リスクの資産です。国が潰れるとしたら、その前に銀行が潰れるはずですから、銀行の預金より安全です。
また、インフレとなり物価が上がると、インフレを抑制するために金利が上昇します。金利が上がると、変動10年の利率も見直されて上がるため、もらえる利息も増えます。つまり、変動10年はインフレに比較的強い資産なのです。他にも、元本割れしない、金利の最低保証がある、手数料がかからないなどのメリットがあります。

●変動10年のデメリット

①購入から1年間は中途換金できない
②中途換金すると、直前2回分の利子を返還
③自動積立ができない
④利子は現金で払い出されるので複利運用できない

変動10年に限らず、個人向け国債は購入から1年間は中途換金ができません。ただし、口座名義人が亡くなった場合や大規模な自然災害の被害を受けた場合などには中途換金が可能です。
1年経って中途換金すると直前2回分の利子は返還しないといけませんが、元本割れはありません。また、毎月発行されるので毎月購入できるのですが、自動積立はできないので、毎回購入手続きする必要があります。

個人向け国債はどこで買える?

個人向け国債は、銀行や証券会社などの金融機関であればだいたいどこでも取り扱っています。財務省のウェブサイトには取扱金融機関の一覧がありますので、自分の利用している金融機関で購入できるかぜひご確認ください。
また、個人向け国債はインターネット上でも購入できます。

●インターネット上で個人向け国債を購入できる金融機関

財務省のウェブサイトをもとに(株)Money&You作成

主だった店舗銀行・証券会社に加えて、SBI証券・楽天証券・マネックス証券といったネット証券でも個人向け国債を購入できます。ネットで購入できるなら結構便利ですよね。

さらにお得に、変動10年を購入したいなら、金融機関が開催するキャッシュバックキャンペーンも狙い目です。

●変動10年国債購入時のキャッシュバック金額

(株)Money&You作成

金融機関によっては、個人向け国債を購入したときにキャッシュバックが得られるところもあります。上のリストは、その主な金融機関を抜粋しています。

たとえばSBI証券で100万円分を購入したら1000円のキャッシュバックが得られる、という具合です。またSMBC日興証券についてはキャッシュバックに加えてVポイントももらえます。キャンペーンは期間が決まっているので、詳しくは各社のウェブサイトでご確認ください。

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変動10年は「5年以内に使う予定のお金」で買おう

個人向け国債は、コア・サテライト資産の「コア資産」として組み込みましょう。コア・サテライト戦略とは、資産の大部分を安定成長・長期運用のコア資産、残りの一部を積極運用・短期売買のサテライト資産に分けて投資をする方法です。こうすることで、コア資産でお金を安定的に増やしつつ、サテライト資産で利益の積み増しを狙うことができます。

お金を貯めるときには、自分の資産を短期・中期・長期に分けて、それぞれの目的にあった商品を活用するのがおすすめ。個人向け国債は「中期」、つまり5年以内に使い道が決まっているお金で活用しましょう。

●それぞれの目的にあった商品で運用

著書「1日1分読むだけで身につくお金大全100」(自由国民社)より

具体的には、住宅購入資金、車の購入費用、教育資金など。結婚式の費用などもあるかもしれません。5年以内に使う予定のあるお金は、安全性が高く価格変動の少ない資産で運用したいところです。変動10年を活用ですることで、お金を安全に、堅実に貯めていくことができるでしょう。

今回の内容は動画でも紹介しています。ぜひご覧ください。

頼藤 太希 マネーコンサルタント

(株)Money&You代表取締役。中央大学商学部客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に現会社を創業し現職へ。ニュースメディア「Mocha(モカ)」、YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」、書籍、講演などを通じて鮮度の高いお金の情報を日々発信している。『はじめての新NISA&iDeCo』(成美堂出版)、『定年後ずっと困らないお金の話』(大和書房)、『マンガと図解 はじめての資産運用』(宝島社)、など書籍100冊、累計170万部超。日本証券アナリスト協会検定会員。宅地建物取引士。ファイナンシャルプランナー(AFP)。日本アクチュアリー会研究会員。X(旧Twitter)→@yorifujitaiki

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