18/10/11
基準価額が「高いもの」と「低いもの」、買い得な投資信託はどっち?
投資信託 勝ちたいならこの7本!
基準価額は「運用開始からの資産の増減」を表すだけ
基準価額は、純資産総額を投資信託の口数(受益権総口数)で割ったものです。
株式投資の知識のある方ならば、時価総額と株価の関係(時価総額÷発行済み株式数=株価)と似ていることにお気づきかもしれません。
投資信託を検索すると必ず表示されるこの基準価額は、多くの場合1万口あたりの資産の価値を示しています。
資産の価値が変動すれば、それに合わせて基準価額も変動します。基準価額が低いときに買って、高くなってから売れば、その差額分が利益になります。
しかし、基準価額の高い・低いを比較して、どちらが得と比較することはできません。
なぜなら、同じ日経平均株価に連動するタイプの投資信託でも、設定日が違うだけで日経平均株価の値が違うからです。
また、万が一同じ日に設定していたとしても、投資する銘柄の多少の違いや分配金の有無などでも基準価額が変わってしまうからです。
基準価額の大小で、投資信託の割安・割高を比較できない
基準価額の大小は、投資信託の割安・割高を比較できる数字ではないのです。
例えば、同じ投資先に投資する、基準価額が1万円の投資信託Aと、基準価額が2万円の投資信託Bがあったとします。
なんとなく投資信託Bのほうが割高で買えそうにないと思うかもしれません。しかし、そうではないということをこれから説明します。
この2つの投資信託をそれぞれ10万円ずつ購入したとします。
すると、投資信託Aは10口、投資信託Bは5口買えます。その後、ともに10%値上がりすると、投資信託Aの基準価額は1万1000円、投資信託Bの基準価額は2万2000円になります。この時点で投資信託を売ると、なんとどちらも11 万円、つまり1万円が利益になっていることがわかるのです。
基準価額の大小は、投資信託の運用が始まってからいままでで、資産が増えたか減ったかを表しているだけ。利益率が同じならば得られる利益も同じですし、ましてや高い・安いを比較するものでもないのです。
『投資信託 勝ちたいならこの7本!』 頼藤太希 著
『投資信託 勝ちたいならこの7本!』(河出書房新社)
6000本ある投資信託、そのほとんどは売る側に都合がいい商品…
得か?損か?二択式で最強の投資力がしっかり身につく!
初心者にも経験者にも役立つ極意本。いま狙うべき特選の7本も紹介。
【関連記事もチェック】
・投資信託の分配金、「毎月分配型」と「年1回配当」得なのはどっち?
・投資信託、どっちが得? 投資信託で勝利する極意
・買った投資信託が値下がり…どうしたらいいの?
・楽天ポイントで投資信託!!おトクすぎる活用方法
・裏話盛り沢山!投資信託の第一人者が話す「投資信託事情」(ゲスト:鈴木雅光)|マネラジ。#68
頼藤 太希 マネーコンサルタント
(株)Money&You代表取締役。中央大学商学部客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に現会社を創業し現職へ。ニュースメディア「Mocha(モカ)」、YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」、書籍、講演などを通じて鮮度の高いお金の情報を日々発信している。『はじめての新NISA&iDeCo』(成美堂出版)、『定年後ずっと困らないお金の話』(大和書房)、『マンガと図解 はじめての資産運用』(宝島社)、など書籍100冊、累計170万部超。日本証券アナリスト協会検定会員。宅地建物取引士。ファイナンシャルプランナー(AFP)。日本アクチュアリー会研究会員。X(旧Twitter)→@yorifujitaiki
この記事が気に入ったら
いいね!しよう