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22/05/19

相続・税金・年金

2022年年金改正、対象にならない人が多いのは本当か

2022年年金改正、対象にならない人が多いのは本当か

60歳以降も長く働く人が珍しくなくなりました。それに合わせ高齢期の経済基盤となる年金制度が2022年4月から大きく変わりました。この年金改正には、私たちにとってお得になると考えられる内容も多くあります。しかし、中には年金改正の対象にならない人もいるので注意が必要です。うっかり勘違いすることのないよう、4つの改正点と対象を詳しく紹介します。

年金改正1:在職老齢年金が28万円から47万円へと引き上げ

「在職老齢年金」とは、60歳以降に厚生年金の被保険者として働きながらもらえる老齢厚生年金です。しかし、支給される年金は、毎月の給料と年金の合計額が一定の基準額以上になると、超えた金額の半分に当たる年金が減額されていました。

改正前、在職老齢年金が調整される基準額は年齢ごとに決まっていました。60~64歳の基準額は28万円以上、65歳以上の基準額は47万円でした。しかし、2022年4月の改正により、60〜64歳の基準額が47万円へと引き上げられました(65歳以上は47万円のまま変更なし)。つまり、60〜64歳までの方も65歳以上の方と同じ基準となったのです。

基準額の算出方法は、「毎月の厚生年金額+毎月の給料+(直近1年間の賞与÷12)」です。
たとえば、60歳から64歳までの方で、

・受給できる厚生年金:月額10万円
・毎月の給料:37万円(賞与なし)

だった場合、毎月の給料と年金の合計額は10万円+37万円=47万円となります。

2021年度までの、在職老齢年金の基準額が28万円の場合、毎月の給料(37万円)と年金(10万円)の合計額(47万円)では、47万円-28万円=19万円オーバーとなります。そのため、19万円の半分にあたる9万5000円が、受給できる老齢厚生年金で減額されます。
しかし、2022年度からは基準額が47万円になるので、老齢厚生年金は減額されることなく満額受け取ることができます。

ただし、在職老齢年金の改正の対象になる人は、厚生年金保険の被保険者として働いている人で、60~64歳で老齢厚生年金を受け取っている人です。ただし、老齢厚生年金を受け取っていたとしても、年齢が65歳以上であれば対象になりません。また、60~64歳であったとしても、厚生年金に加入しない自営業者、フリーランスの人は対象になりません。

年金改正2:新設された在職定時改定

65~69歳で老齢厚生年金を受給している人に対して、「在職定時改定」という新制度が始まりました。

以前は、65~69歳の人で厚生年金に加入している人は、毎月保険料が給料から天引きされていましたが、受け取る年金に、その分の反映はありませんでした。65~69歳の在職中に支払い続けた保険料が年金額に反映されるのは、会社を退職するか70歳になるか。いずれにしても厚生年金の被保険者から外れなければなりません。

しかし、2022年4月から、在職定時改定が新設されたことで、65~69歳の厚生年金被保険者は、毎年1回、年金額が改定されるようになりました。

たとえば、2022年4月に66歳であれば、69歳で掛けた年金が反映される70歳まで、年金額の見直しが合計4回あります。在職定時改定で反映される金額は、給料が月20万円の場合、年間約1万3000円ほどです。毎年この金額が増えたとすると、70歳時点になれば1万3000円×4回=年5万2000円(月約4400円)が増えることになります。在職定時改定により、老齢厚生年金が増額されるのを楽しみにしながら働くことができます。

在職定時改定では、毎年、年金額を見直す基準日となるのは9月1日で、その対象になる期間は、前年9月から当年8月までです。この期間の加入実績が、新たに老齢厚生年金に加算され、翌10月から増額改定されます。しかし、この10月分の年金が実際に振り込まれるのは2か月遅れの12月となります。

しかし、在職定時改定の対象になるのは、2022年4月時点で65~69歳の厚生年金に加入している人です。会社を辞めてしまい厚生年金の被保険者から外れていれば対象にならないので、注意が必要です。

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年金改正3:受給開始時期の選択肢の拡大

公的年金は原則65歳から受け取ることができます。これまで、希望すれば、60~70歳の間で自由に受給開始時期を選べました。65歳より早く受け取り始めることを繰り上げ受給といい、65歳より遅く受け取り始めることを繰り下げ受給といいます。

年金の繰り上げ受給・繰り下げ受給は、それぞれ2022年4月に改正がありました。

●年金の繰り上げ減額率が0.5%から0.4%に引き下げ

年金を早く受け取る繰り上げは、通常より早く年金を受け取る分、受け取る金額が減額されます。今までは、1ヵ月早めるごとに0.5%減額されました。しかし2022年4月からは1ヵ月早めるごとに0.4%へと変更になり、減額幅としては0.1%引き下げになりました。実際に65歳に受給する年金を5年早め、60歳で受け取ることにすると減額されるのは以下のとおりになります。

① 2022年3月までの減額率0.5%の場合:60ヶ月×0.5%=30%減
② 2022年4月からの減額率0.4%の場合:60ヶ月×0.4%=24%減

ただし、繰り上げ減額率0.4%の対象となる人は、2022年4月1日時点で1962(昭和37)年4月2日以降生まれの60歳未満の人に限られます。それ以前に生まれた60歳以上65歳未満の人は、2022年4月以降に繰り上げ受給の請求をしても0.5%の減額率が適用されます。

●繰り下げは「70歳までから75歳まで可能」に拡大される

反対に、年金を早く受け取る繰り下げは、通常より遅く年金を受け取る分、受け取る金額が増額されます。2022年4月の改正では、今まで70歳までだった上限が、75歳まで延長されました。増額率は今までと同じく1ヵ月につき0.7%です。繰り下げ率がどのように変わるのかを比較すると以下のとおりになります。

① 2022年3月まで、最長70歳まで繰り下げした場合:60ヶ月×0.7%=42%増
② 2022年4月から、最長75歳まで繰り下げした場合:120ヶ月×0.7%=84%増

対象となる人は、2022年4月1日時点で、1952(昭和27)年4月2日以降生まれの70歳未満の人です。ただし、対象となる人であっても、今までに、年金を1度でも受給していた場合、「年金資産を受け取る側になった」と判定されてしまいます。そのため、60代後半の人の場合、繰り下げ待機中であることが条件として加わります。

年金改正4:2022年5月からのiDeCoの改正

iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)は、毎月一定の金額を積み立て、あらかじめ用意された定期預金・保険・投資信託などの金融商品で自ら運用する制度です。iDeCoは、公的年金に上乗せして老後の生活を支える心強い味方ですが、そこでも働くシニア層にあわせ、制度改正があります。

●iDeCoの加入は60歳までから65歳までに変更

今までiDeCoの加入対象となるのは60歳未満の国民年金被保険者などでした。しかし2022年5月からは「65歳未満の国民年金被保険者」となります。ただし、対象となるのは会社員や公務員として働く方(第2号被保険者)と、60歳以降に国民年金の加入期間を増やすために任意加入した方です。自営業やフリーランスなどの方、専業主婦(夫)の方で、国民年金の任意加入をしない場合は、60歳以降はiDeCoに加入できません。

iDeCoに加入し、支払った掛金は所得控除の一種である「小規模企業共済等掛金控除」の対象になるため、60歳以降も継続して加入すれば、5年間所得税や住民性を節税しながら、老後資金を積み増しすることができます。

●1962年(昭和37年)5月1日以前に生まれた人は要注意

1962年(昭和37年)5月1日以前に生まれたiDeCo加入者は、法改正施行前に60歳となります。その場合、旧法のルールの加入期間は60歳未満ということもあり、60歳到達時に自動的に加入者資格が喪失となります。iDeCoの積立は自動的にストップし、受給権を取得することになります。この時点での立場は、残高の運用を非課税で継続する「運用指図者」になります。

しかし、60歳以降も会社員や公務員として働き続ける場合、または国民年金の任意加入をする場合、再加入の手続きをすることで、iDeCoの積立を続けることができます。
ただし、iDeCoの年金を受け取る手続きをしてしまうと、「これから年金を受け取ります」と意思表示をしたことになってしまい、iDeCoへ再加入できなくなってしまうので注意してください。

ややこしく感じますが、自分自身が、今後iDeCoをどのように利用したいかを整理しておけば大丈夫です。焦らず、一つ一つ確認するようにしましょう。

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まとめ

2022年4月に年金改正となりました。とはいえ、改正の対象にならない方が意外にいることがお分かりいただけたと思います。ですので、まずは改正の条件に該当するのかチェックしましょう。そして、自分にあった年金の受け取り方を検討する機会にしましょう。

舟本美子 ファイナンシャルプランナー

「大事なお金の価値観を見つけるサポーター」
会計事務所で10年、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として14年働いたのち、FPとして独立。あなたに合ったお金との付き合い方を伝え、心豊かに暮らすための情報を発信します。3匹の保護猫と暮らしています。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。FP Cafe登録パートナー

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