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22/05/12

相続・税金・年金

「在職定時改定」でも年金が増えない?夫の遺族年金がある妻は要注意

2022年4月より、厚生年金の「在職定時改定(年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律)」がスタートしました。在職定時改定は、65歳以降年金をもらいながら働いた場合でも、70歳までに受け取る年金について毎年少しずつ年金が増えるような仕組みになっています。

ですが、中には在職定時改定で恩恵が受けられない方もいるので注意が必要です。例えば、夫の遺族厚生年金を受給している妻が、65歳以降に働いて厚生年金保険料を納めたとしても妻の年金額が増えない場合があります。
今回は、在職定時改定に該当しても年金額が増えなくなってしまう理由について、遺族年金の仕組みからわかりやすく解説します。

在職定時改定とは? わかりやすく解説

老齢厚生年金は原則65歳から受給できることになっていますが、厚生年金そのものは在職中などで要件を満たしていれば、原則70歳まで制度に加入することができます。つまり65歳~70歳の間は、老齢厚生年金を受け取りながら、厚生年金保険料を支払うというケースがおこりえることになります。在職定時改定は、こういった方が受け取る年金額について、「退職時ではなく在職中に定期的に再計算することで、支払った保険料分をすぐに反映してあげましょう」という制度です。

具体的には、65歳以上の在職中の老齢厚生年金受給者の年金額を毎年10月に改定し、それまでに納めた保険料を年金額に反映する仕組みになっています。

●在職定時改定の仕組み(法改正後)

厚生労働省の資料より

在職定時改定の具体的な改定の時期、支給の時期は以下の通りです。
[毎年1回の改定時期]
9月1日の時点で厚生年金の被保険者である場合、前月である8月までの加入実績に応じて10月から年金額が改定
[支給の時期]
改定された10月分の年金額は12月以降に支払われる

夫の遺族厚生年金をもらうと、在職定時改定で年金が増えないカラクリ

しかしながら、夫の遺族厚生年金を受給している妻が、65歳以降に働いて厚生年金保険料を納めたとしても、在職定時改定で妻の年金額が増えない場合があります。「夫の死亡による遺族厚生年金」と「妻自身の老齢厚生年金」は実質的に「相殺」される関係になっているためです。どういうことか、わかりやすく説明いたします。

まず、65歳以上の配偶者に対する遺族厚生年金の基本年金額は、次のいずれか多い方の額となります。

①遺族厚生年金の基本年金額(亡くなられた方の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3)
②遺族厚生年金の基本年金額の3分の2相当額と老齢厚生年金の基本年金額(※)の2分の1相当額の合計額
※老齢厚生年金の基本年金額とは加給年金額を除いた年金額

●老齢厚生年金の受給権者である65歳以上の配偶者の年金額

筆者作成

①遺族厚生年金の基本年金額は、原則として夫が生前もらうはずだった「老齢厚生年金」の4分の3が基準となります。妻に支給される「遺族厚生年金」には、夫の死亡による「所得の喪失」を補てんする年金という意味合いがあります。
妻が自分自身で厚生年金に加入しており、給付水準もある程度多いケースでは、②遺族厚生年金の基本年金額の3分の2相当額と老齢厚生年金の基本年金額の2分の1相当額の合計額」を採用する場合もあります。

原則的には上記の判定で支給額が決まりますが、実際に妻が65歳以降になり、老齢厚生年金の支給が始まると、妻自身の老齢厚生年金の支給が優先され、遺族厚生年金は遺族の老齢厚生年金額に相当する部分が支給停止されます。具体的には、次のとおりです。

①「遺族厚生年金の基本年金額」と「老齢厚生年金の基本年金額」とを比較
・遺族厚生年金の基本年金額のほうが多い場合
→遺族厚生年金は老齢厚生年金の基本年金額との差額のみ支給
・老齢厚生年金の基本年金額のほうが多い場合
→遺族厚生年金は支給されない

②「遺族厚生年金の基本年金額の3分の2+老齢厚生年金の基本年金額の2分の1の合計額」と「老齢厚生年金の基本年金額」とを比較
・「遺族厚生年金の3分の2+老齢厚生年金の2分の1」のほうが多い場合
→遺族厚生年金は老齢厚生年金の基本年金額との差額のみ支給
・老齢厚生年金の基本年金額のほうが多い場合
→遺族厚生年金は支給されない

筆者作成

つまり、夫の遺族厚生年金(または遺族厚生年金の3分の2+老齢厚生年金の2分の1)が妻の老齢厚生年金より多いうちは、妻が65歳以上働いても在職定時改定で年金が増えないのです。

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一部の夫婦共働き世帯では、妻自身の老齢厚生年金に「在職定時改定」の恩恵も

一方で、上でもご紹介したとおり、自分の老齢厚生年金が遺族厚生年金よりも高ければ、遺族厚生年金は受給できないことになります。

老齢厚生年金の受給額の水準は、現在の年金世代(60代以降)では夫婦間で格差があるのが現状ですが、その一方で今後夫婦共働き世帯はますます増加する傾向にあります。厚生年金保険の適用拡大や男女間の賃金格差の縮小という時代背景も加わって、老齢厚生年金の受給額の格差も今後は少なくなっていくでしょう。

妻の老齢厚生年金が多くなれば、夫に先立たれた妻の65歳以降の年金受給については妻自身の老齢厚生年金が中心に置き換わります。そうした一部の共働き位世帯では在職定時改定の恩恵が受けられます。

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まとめ

夫の遺族厚生年金のほうが多い間は、妻が65歳以降に働いて厚生年金保険料を納めたとしても、在職定時改定で増えた分の老齢厚生年金が遺族厚生年金から相殺されてしまうため、メリットが受けられないことがわかりました。

ただし、在職定時改定で意味がないからという理由だけで妻が65歳以降に働くことをあきらめるのは早計すぎます。例えば、障害年金や、あなたの遺族のための遺族年金という点では多少のメリットはあるかもしれないからです。また、仮に再婚したら前夫は遺族ではなくなりますので、遺族厚生年金は失権します。そうなったときは、あなた自身の老齢厚生年金が生きてくることになります。

人生何が起こるかは分かりませんし、想定外のことも起こりえます。老後、女性一人で生きていかなければいけないことを考えれば、元気なうちは65歳以降もなるべく仕事を継続するほうが賢明です。今回ご紹介したようなデメリットも認識した上で、ご自身のベストな働き方を決めていくことをおすすめします。

KIWI ファイナンシャルプランナー・社会保険労務士

長年、金融機関に在籍していた経験を活かし、個人のキャリアプラン、ライフプランありきのお金の相談を得意とする。プライベートでは2児の母。地域の子どもたちに「おかねの役割」や「はたらく意義」を伝える職育アドバイザー活動を行っている。

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