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22/05/05

相続・税金・年金

妻に先立たれた夫が陥りがちな年金の落とし穴

老齢年金の受給開始年齢は原則65歳ですが、状況に応じて65歳以降に延期して受給する繰下げ受給が注目を集めています。その経済的なメリットについて語られることも多く、将来自分も繰下げ受給するつもりで老後の資金計画を立てている方は多いと思います。

しかしながら、繰下げ受給は誰でもできるとは限りません。本来繰下げすることができない人が、年金を増額するつもりで65歳からの年金の請求をせずに待機してしまったとしたら、その時間が無意味なものに。将来の生活設計自体が狂うことになりかねません。
今回は妻に先立たれた夫がよく陥りがちなケースをご紹介します。

繰下げ受給による年金開始時期の選択肢が75歳までに拡大

65歳から受給できる老齢基礎年金や老齢厚生年金は、66歳以降で申し出た時から受給を開始できる繰下げ受給を選択することができます。2022年4月以降は、年金の繰下げ受給可能年齢の上限が変更となり、従来の70歳から75歳へとなっています。繰下げ受給の増額率は、「増額率=(65歳に達した月から繰下げ申出月の前月までの月数)×0.007」となっており、最大で75歳まで繰下げ受給をした場合84.0%の増額となります。

●繰下げ受給による増加率(2022年4月以降)

厚生労働省の資料より

今の預貯金の金利水準では、84%も増やすことはほぼ不可能です。繰下げ受給は年金を増やしたい方にとってはとても魅力的です。

繰下げ受給ができるのは、原則として他の年金の受給権が発生するまで

しかしながら、すべての人が繰下げ受給を選択できるわけではありません。
例えば、65歳になる前に配偶者に先立たれていた場合、自分の老齢年金を繰下げ受給で増やすことはできません。繰下げ受給ができるのは、原則として他の年金の受給権が発生するまでと決まっています。そのため、遺族年金をもらっていれば、そもそも繰下げ受給の仕組みは利用することができないのです。

また、65歳以降で繰下げ待機中(繰下げ受給しようと思っていた方)に遺族年金の受給権が発生した場合(配偶者が亡くなった場合等)は、その時点で繰下げ受給を請求するか、65歳に遡って請求するかどちらかの選択となります。そして、以降は繰下げ待機ができなくなります。

遺族厚生年金は、妻が①厚生年金に1カ月以上の加入歴があり、②保険料納付済み期間など「受給資格期間」が「25年以上」ある人が死亡した場合に発生します。
妻の遺族厚生年金の受給権は誰に発生するかというと、法律では「配偶者、子」となりますが、「子」というのは主に高校生以下に限られるため、晩婚などで遅く子を授かったケース以外は、多くの場合で夫が受給権者となります。

そのうえで、夫が妻の死亡時に①55歳以上であること②妻と同居していたこと③年収が将来にわたって「850万円未満」であることの3つの条件を満たすと、夫に受給権が発生することになります。つまり、大手企業にお勤めの方や中小企業の社長といった一部の高年収の人以外は、妻の遺族厚生年金の受給権者になる可能性が高いのです。

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妻に先立たれた夫が陥りがちな落とし穴とは?

ここで注意して頂きたいのは、現に遺族年金の受給申請をしなかったとしても、受給権を持っている方であれば受給権者とみなされ、繰り下げ請求するタイミングを先延ばしできなくなるということです。

よくあるケースとして注意したいのは妻を亡くした夫のケースです。年金を繰下げ待機中の夫Aさん(69歳)の事例で具体的に見ていきましょう。

【事例】
老後の資産形成に熱心なAさん(69歳)は、自分の老齢厚生年金を少しでも増やしたいと65歳で年金を受け取らずに繰下げ待機中。そろそろ70歳も近くなり、老齢厚生年金の受給申請をしようとどのくらい受給額が増えているか試算してもらおうと、期待に胸を膨らませて近くの年金事務所へ相談しました。しかし、そこで思わぬ事実を知ることに…。

実は、Aさんは4年前に妻のBさんに先立たれています。その際に、妻の遺族厚生年金の受給権が発生していたため、その時点で年金繰下げ受給の資格がなくなってしまっているというのです。

慌てて妻の年金加入歴について調べると、長年専業主婦だった妻Bさんにも独身時代に会社勤めをした期間が数年だけありました。妻から独身時代に働いていたことはもちろん聞いて知っていたのですが、「まさか自分の繰下げ受給に影響するとは考えもよらなかった」とAさんはいいます。

Aさんが増えると思っていた増額部分の年金については、諦めることになりました。本来もらえた年金をさかのぼって一括で受給する手続きをしてその日は自宅に戻りました。でも、この4年間、何のために待っていたのか…。事前にちゃんとよく調べればよかったとAさんは後悔しています。

【解説】
女性でも働くことが当たり前の時代に、生涯で国民年金にしか加入歴がない女性はほとんどいないと思われます。このケースでも、長年専業主婦だった妻が独身時代に数年会社勤めた経験があることによって、妻死亡時に遺族厚生年金の受給要件を満たし、夫に遺族厚生年金の受給権が発生しました。しかし、実際には夫に妻の遺族年金の受給権が発生しても、自身の老齢年金と両方を受給することはできないため、結局のところ高額となる自分の老齢厚生年金の方を選択して妻の遺族厚生年金は請求しないケースがほとんどです。

今回の事例のAさんは、自分の老齢基礎年金を繰下げ受給するため、69歳になるまで年金の申請手続きをしていませんでした。そのため、妻の遺族厚生年金の受給権があることに気が付かなかったと思われます。このように妻の死亡で年金繰下げをする資格がなくなったのに、夫はそれを知らないまま繰下げ待機生活に突入してしまった場合、いざ年金を請求しようとしたタイミングで思いもよらない事実が発覚する…という悲劇が起こってしまうのです。

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まとめ

今回ご紹介したケース以外にも、障害年金の受給権者なども繰下げ受給ができなかったり、障害基礎年金のみの受給権者の場合には、繰下げ受給できる年金が老齢厚生年金に限定されたりするケースもあります。そのため、繰下げ受給を検討している方は、自身の老齢年金は繰下げ受給ができる状態なのかどうかを一度年金事務所等で確認してみることをおすすめします。

KIWI ファイナンシャルプランナー・社会保険労務士

長年、金融機関に在籍していた経験を活かし、個人のキャリアプラン、ライフプランありきのお金の相談を得意とする。プライベートでは2児の母。地域の子どもたちに「おかねの役割」や「はたらく意義」を伝える職育アドバイザー活動を行っている。

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