20/02/14
医療費控除の必要書類、提出方法、期限、注意点 まとめ
医療費としてたくさんお金を使ったら、医療費控除申請をして税金が還付されると言う話を耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。医療費が家計の大きな負担になっている場合、少しでも税金が還付されたらうれしいですよね。そこで今回は、医療費控除の申請方法や注意点についてご紹介します。
医療費控除を申請するべき人とは?
そもそも、医療費控除とはどのようなものなのでしょうか。
医療費控除とは、その年の1月1日~12月31日までの間に自分や家族のために医療費を支払った場合に、一定の金額の所得控除が受けられるという制度です。
医療費控除のポイントは3つあります。
1つ目は、家族というのは「生計を一にする配偶者やその他の親族」のことだということです。下宿中の大学生の子どもや単身赴任中の配偶者のために支払った医療費も対象に含まれます。
2つ目は、医療費控除は「所得控除」だということです。医療費控除は、支払った医療費がそのまま返ってくるものだと勘違いしてしまうことも多いのですが、医療費控除は所得控除なので、確定申告していろいろと計算したうえで、税金の支払い対象となる所得から差し引かれるということです。つまり、税金を支払わなければならない対象の金額が減るので、結果として支払うべき税金も減るというしくみです。
3つ目は、医療費控除の対象となる金額についてです。実際に支払った医療費の合計から、生命保険や健康保険などから支給される入院給付金や高額療養費などを差し引き、さらに10万円(その年の総所得金額が200万円未満の人は総所得の5%)を差し引いた金額が医療費控除の対象となります。つまり、10万円以上医療費がかかった人は、医療費控除の申請を行うことで税金の負担が軽くなるということになります。
たとえば、実際に医療費控除の対象となる金額が30万円、保険金などとして受け取れる金額が25万円あったとしたら、
(30万円(医療費)-25万円(保険金))-10万円=-5万円
となり、医療費控除を受けることはできません。
一方で、保険金などとして受け取れる金額が5万円だった場合は、
(30万円(医療費)-5万円(保険金))-10万円=15万円
となるため、医療費控除は15万円となります。
医療費控除に必要な用紙・資料とは?
では、実際に医療費控除を申請するためにはどうすればいいのでしょうか。医療費控除を受けるには、確定申告が必要となります。医療費控除に必要な書類は、以下となります。
・確定申告書A
・医療費控除の明細書
・医療費の領収書、レシート等
・マイナンバーなどの本人確認書類
・医療費通知書(健康保険組合などで配布している「医療費のお知らせ」
・源泉徴収票
確定申告書と医療費控除の明細書は、税務署や、国税局のWebサイト上で入手できます。
2018年分の確定申告からレシートや領収書の添付は必要なくなりましたが、医療費控除の明細書を記入するときには必要となりますし、もしも税務署から問い合わせがあった場合にすぐに提出できるように5年間は保管しておく必要がありますので、確定申告時に整理しておきましょう。
医療費の領収書やレシートはすでに手元に保管してあると思いますが、早めに整理しておくことをお勧めします。マイナンバーなどの本人確認書類についても、手元に保管されていると思いますが、紛失していないか念のために確認しておくと安心ですね。
医療費通知書については、加入している健康保険組合によって対象期間や発送時期が異なります。もし手元に届いていないようであれば、加入している健康保険組合に確認してみるといいですね。源泉徴収票も勤務先にて配布されているものを使用します。
医療費控除申請の注意点
医療費控除申請をするにあたって、いくつかの注意点があります。
1つは、医療費控除の対象となるもの、ならないものをきちんと見極めるということです。これについては、詳細がきちんと国税庁のWebサイトに書かれていますので、申請前に必ず目を通すようにしてください。
また、先述した通り、領収書の提出自体は不要ですが、自宅で5年間保管しておくのも忘れないようにしてください。確定申告書のみでなく、「医療費控除の明細書」も一緒に提出する必要があります。確定申告書に記入するだけでなく、「医療費控除の明細書」への記入、提出も忘れないようにしてくださいね。
医療費控除の提出方法・期限
医療費控除申請の準備が整ったら、確定申告書を作成していきます。税務署へ行って書類を記入するのもいいですが、国税庁のWebサイト上にある「確定申告書等作成コーナー」でも簡単に確定申告書類の作成が可能です。「e-Tax」で送信することもできますし、印刷して郵送したり、税務署に持って行って提出したりする方法もあります。
医療費控除の期限ですが、サラリーマンなどの「還付申告」の場合には1月から申告することができます。医療費がかかった年の翌年から5年間が申告期限となるため、2019年1月1日~12月31日までにかかった医療費についての申告は、2020年1月1日~2024年12月31日までとなります。たあし、2〜3月の確定申告は税務署が混み合いますし、年末年始は税務署が休みなので注意が必要です。
まとめ
いかがでしたか。医療費控除はちょっと複雑ですし、記入する項目も多く少し手間がかかりますが、やってみると意外と簡単に終わります。次の確定申告に備えて、いまのうちから医療費がかかったときの領収書やレシートを整理して保管しておくと、手間が省けますよ。
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大塚 ちえ ファイナンシャルプランナー(AFP)、証券外務員Ⅰ種
新卒から証券会社一筋で働く、現役アラサー金融ウーマン。スポーツと音楽が趣味。金融機関勤めで得た知識と経験で、キャリアやお金、結婚・恋愛のことなどいろんな女性の悩みに向き合う。現代日本に生きる働きすぎな女性にエールを送る。
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