20/01/17
LINE Payでカンタン銀行振込! 既存の銀行振込とどっちがお得?
国内決済サービス初となる「銀行振込サービス」を2019年12月9日に開始したLINE Pay。これまで銀行振込といえば、ATMや銀行窓口、インターネットバンキングなど銀行が提供するサービスでしたが、LINE Payがこのサービスに参入したことでユーザーにとってどのようなメリットがあるのでしょうか?
今回はLINE Payの銀行振込サービスの概要をご紹介したうえで、LINE Payと既存の銀行振込サービスではどちらがおすすめかを、手数料や手軽さの面から比較します。
LINE Payの銀行振込ってどんなサービス?
LINE Payの銀行振込サービスは、LINE Pay残高から個人および法人の銀行口座に振込できるサービスです。振込金額の上限は1日あたり10万円。通常、銀行の営業時間内ならばその日のうちに着金します(銀行の営業時間外の場合は翌営業日に着金)。
この銀行振込サービスはLINE Payアプリ上、もしくはAndroid対応端末のLINEアプリから24時間365日利用可能です(なお、iPhone端末のLINEアプリは本稿執筆時点で未対応。近日対応予定とのことです)。
LINE Payの銀行振込サービスを利用するためには、本人確認が必要です。本人確認は「銀行口座登録」「かんたん本人確認(写真付きの身分証と本人情報の入力で本人確認する方法) 」「郵送本人確認」の3つの方法があります。
LINE Payの銀行振込サービスの特徴は、大きく3つあります。
●LINE Payの銀行振込サービスの特徴1:スマホひとつでカンタン銀行振込
LINE Payの銀行振込は、スマホでカンタンにできて手軽です。相手の銀行口座情報が分からなくても、相手の名前と電話番号かEメールアドレスのいずれかを知っていれば振込できるといったメリットがあります。もちろん相手の銀行口座情報を入力して振り込むことも可能です。個人口座だけでなく法人口座にも振込できるので、商品の購入やサービスの利用料の支払いにも利用できます。
また、送金・送金依頼の履歴が直近最大20件まで残せるため、同じ相手に定期的に銀行振込を行う場合は、毎回振込に必要な情報を入力する手間が省けて便利です。
●LINE Payの銀行振込サービスの特徴2:シンプルな手数料
LINE Payの振込手数料は1回あたり176円(税込)。既存の銀行振込のように時間帯や振込先の銀行などによって手数料が変動しない、ユーザーにとってわかりやすい料金体系となっています。いつでも一定の手数料で気軽に利用できるのはうれしいですね。
また銀行振込サービスを利用するためには、事前に振り込みたい金額のLINE Pay残高をチャージしておく必要がありますが、このチャージの手数料も無料なので追加で手数料が発生する心配もありません。
●LINE Payの銀行振込サービスの特徴3:セキュリティ面も安心
「LINE Pay」での銀行振込には、スマートフォン端末や「LINE」アプリのパスワードとは別に、6桁の専用パスワードの入力が必須になります。そのため万が一スマートフォン端末や「LINE」アプリのパスワードが第三者に知られたとしても、悪用される心配はありません。
また電話番号やEメールアドレスで銀行振込を行う場合、送り手が登録した口座名義の人のみが受け取れる仕組みとなっているため、仮に間違った情報を入力してしまっても第三者に不正に利用されることはないので安心です。
どっちがおすすめ?LINE Payと既存の銀行振込サービス
●手軽さはLINE Payに軍配!
LINEユーザーであれば、本人確認と銀行振込用の専用パスワードの設定だけで、スマホでカンタンに銀行振込ができるLINE Pay。たしかにインターネットバンキングでもスマホで銀行振込は可能ですが、登録やID管理の手間などを理由に利用していない人もいるようです。そのため「もっと手軽に銀行振込をしたい」という人にはLINE Payの銀行振込がおすすめです。また、銀行口座番号を教えることに抵抗がある人への振込にもLINE Payは便利に使えそうです。
●振込内容によっては既存の銀行振込がお得な場合も
銀行が提供する銀行振込サービスは、振込方法や振込先・振込金額などの内容によって手数料が変動します。そのため、振込内容によって、LINE Payと既存の銀行振込のどちらがお得かは異なります。
以下は主要銀行(メガバンク3行、ネット銀行3行)の銀行振込とLINE Payの銀行振込の手数料を表にまとめたものです。黄色の部分がLINE Payの手数料より安く設定されているものになります。
銀行とLINE Pay、どちらがお得かは次の3つのポイントで判断できます。
①他行あての振込ならLINE Payがお得
各銀行の他行あて振込手数料は220円以上が一般的です。さらに3万円以上の振込やATMでの現金振込、窓口での振込ではその2~4倍の振込手数料がかかります。その点LINE Payの銀行振込なら一律176円なので、他行あての振込ならLINE Payの方がお得です。
ただし住信SBIネット銀行や楽天銀行など、LINE Payより他行あての振込手数料が安いネット銀行もあるのでこれらの銀行の口座を持っているなら、LINE Payよりお得に他行あての振込が可能です。
②同一銀行あての振込なら、インターネットバンキングがお得
相手の銀行口座情報を知っていて、自分が同じ銀行の口座を持っているならインターネットバンキングを利用するほうが割安。上表に記載してある銀行では、インターネットバンキングを利用した同一銀行あての振込は無料となっているため、LINE Payの銀行振込よりお得に利用できます(みずほ銀行は同一支店のみ無料)。
またATMのキャッシュカード利用でも、同一銀行あての振込がお得。メガバンク3行の同一銀行あての振込手数料は0~110円とLINE Payの振込手数料より安く設定されています。(みずほ銀行は一部例外あり)。ただし早朝・夜間や土日・祝日は、振込手数料とは別に110~220円のATM利用手数料がかかります。そのため、その時間帯に利用してしまうとLINE Payの振込手数料より割高になってしまうので注意しましょう。
③振込手数料が優遇されているなら、まずは既存の銀行振込を
各銀行では預金残高や金融商品の保有状況などによって、一定回数の振込手数料が無料になるサービスが提供されています。もしそのような手数料優遇の対象となっている場合は、まずはその優遇を利用するほうがお得です。振込手数料が無料になるうちは既存の銀行振込、その回数を超えて銀行振込を利用する場合はLINE Pay、というように使い分けるとよいでしょう。
●電話番号やEメールでの振込では、受け取り側が負担に感じることも
LINE Payの銀行振込で電話番号やEメールを利用する場合、受け取り側はSMSやメールに表示されているリンクをタップし、別途送付された認証番号を入力します。さらに受け取りたい銀行口座情報を入力することで受け取り可能となります。
インターネットバンキングなどをよく利用する人や法人口座への振込ならよいのですが、このような操作に慣れていない人や、インターネット上で銀行口座情報を入力することに抵抗がある人も中にはいるでしょう。そのような場合は、既存の銀行振込を利用したほうが親切かもしれません。
まとめ
筆者は普段、銀行の振込手数料優遇サービスを利用して銀行振込を行っていますが、月によっては振込手数料が無料となる回数を超えてしまうこともあります。そのような場合にLINE Payの銀行振込サービスはお得に利用できそうだなと感じています。
また、2020年は銀行の各種手数料の値上げが予想されており、今後既存の銀行振込手数料が値上がりする可能性も否定できません。実際にみずほ銀行では2020年3月から振込手数料の改定を発表しています。そうなるとLINE Payの銀行振込サービスは、相対的によりお得なサービスになると言えるでしょう。
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鈴木靖子 ファイナンシャルプランナー(AFP)、2級DCプランナー(企業年金総合プランナー)
銀行の財務企画や金融機関向けコンサルティングサービスに10年以上従事。企業のお金に関する業務に携わるなか、その経験を個人の生活にも活かしたいという思いからFP資格を取得。現在は金融商品を売らない独立系FPとして執筆や相談業務を中心に活動中。
HP:https://yacco-labo.com
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