18/12/11
【たなぼた投資のススメ】iDeCo(イデコ)で戻ってきた還付金をNISAで使え!
「第2の冬のボーナス」のようなiDeCo(イデコ)の還付金
今年ももう、あとわずか。
冬のボーナスの話題とともに、12月の給料日がやってきます。
12月の給料には、年末調整の結果が反映されます。年末調整は、会社の手続きだけで納めるべき税金の額を確定できるしくみです。
10月〜11月ごろ、会社に年末調整書類と生命保険などの控除証明書を会社に提出しましたよね。これによって1年間に納めるべき税金の額が正しく計算され、12月の給料に反映されるのです。多くの場合、納めた税金がいくらか戻ってきます。これを還付金といいます。
iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)に加入していた人には、国民年金基金連合会から「小規模企業共済等振込証明書」という書類が届きます。年末調整書類に、1年間に支払った掛金の総額を記入し、この書類と一緒に提出していれば、12月に還付金がもらえます。
iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)の掛金は、全額が所得控除できます。それによって得られる還付金の額は年収や扶養者の有無などで異なります。
たとえば、年間27.6万円の掛金を拠出した35歳のサラリーマン(年収500万円・配偶者あり)の場合、年末調整で戻ってくる所得税は1万5400円。また、翌年の住民税が2万7600円安くなりますので、合わせて年間4万3000円もお得になる計算になります。
「わーい、第2の冬のボーナスだ!」
冬のボーナスが厳しかった方ほど(?)そう思われるかもしれません。結構な金額ですよね。
資産を増やすには再投資が有利
でも、ちょっと待ってください。
掛金が全額所得控除されるというのは、確かにiDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)最大のメリットだといわれます。しかし、そのメリットが得られたからといって、やれ忘年会だ、クリスマスプレゼントだ、お年玉だと使い込んでしまうのは、少しもったいない気がします。
もちろん、そうした使い方で得られる満足もあるでしょうから、否定はしません。しかし、せっかくの節税メリットを最大限に生かすなら、還付金を再び投資に回すほうが、資産を増やすために有効だと考えられます。
これは、投資信託の分配金の話と似ています。
分配金とは、投資信託を持っているともらえる分け前のようなものです。この分配金を毎月投資家に配る投資信託と、再投資に回す投資信託では、再投資に回す投資信託のほうが資産を増やすのに有利です。分配金が新たな分配金を生み出す、複利の効果が期待できるからです。
つまり、iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)の還付金も、再投資することで複利による資産増の効果が期待できる、というわけです。
非課税枠は翌年に持ち越せないので、なるべく使い切ろう!
iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)の還付金を投資するなら、利益に課税されないNISA・つみたてNISA(積立NISA)を利用するのがいいでしょう。NISAは年120万円、つみたてNISA(積立NISA)は年40万円までの非課税枠があります。非課税枠は来年に持ち越せませんので、まだ枠が残っているようならば、今年のうちになるべく使い切るほうがスマートでしょう。
NISAとつみたてNISA(積立NISA)を利用するならば、投資対象は株式と投資信託となります。数万円で買える株式もありますが、より堅実に資産を増やすならば値動きの安定している投資信託のほうが有力でしょう。
特につみたてNISA(積立NISA)で購入できる投資信託は金融庁の基準を満たしており、手数料も控えめです。iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)での購入商品と違う投資先の投資信託を選ぶと、リスクを抑えた分散投資にも役立ちます。
以上、今年の締めくくりに、来年以降の資産増を願って還付金のたなぼた(棚からぼたもち)投資を紹介しました。お金の有益な使い道として、ぜひ検討してみてください。
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畠山 憲一 Mocha編集長
1979年東京生まれ、埼玉育ち。大学卒業後、経済のことをまったく知らないままマネー本を扱う編集プロダクション・出版社に勤務。そこでゼロから学びつつ十余年にわたり書籍・ムック・雑誌記事などの作成に携わる。その経験を生かし、マネー初心者がわからないところ・つまずきやすいところをやさしく解説することを得意にしている。2018年より現職。ファイナンシャル・プランニング技能士2級。教員免許も保有。趣味はランニング。
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