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18/07/08

家計・ライフ

貯蓄1000万円あっても拭えない、35歳派遣独身女性の悩み

人生とお金の相談ダイアリー

今回ご紹介するマネー相談事例は、ファイナンシャルプランナーの稲村優貴子さんへ実際にあった相談事例です。稲村優貴子さんは、ファイナンシャルプランナーとして15年以上、家計、ローン、結婚、離婚、転職、リストラ、保険などお金にまつわる悩みに3000件以上相談に応じています。

今回は、貯蓄1000万円あっても拭えない、35歳派遣女性の悩みをご紹介します。

▼聖子(仮名)さんのプロフィール

年齢:女性 35歳(独身)
職業:派遣社員 手取り19万円、ボーナスなし
住居:1LDKアパート(札幌)無料Wi-Fiつき
貯蓄:1000万円(普通預金)
月の支出:11万円
[内訳]家賃4万円、水道光熱費1万円、通信・交通費2万円、食費・雑費その他4万円

相談内容

●1000万円の貯蓄はあるものの、派遣社員であるため将来が不安

短大を卒業してから就職した会社が、ちょうど5年勤務したくらいで倒産。それから転職活動を続けていましたが、正社員で採用にはならなかったのでやむを得ず派遣会社で働いて10年目になります。

2年ごとの更新なので、いつ仕事が切られるか不安で、趣味などにお金を費やす気にならずとにかく貯金してきました。正社員時代の5年間では80万円しかなかった貯金も、今では1000万円になり、すべて普通預金にあります。元本割れが怖くて運用したことがありません。

また、なんだか無駄なような気がして保険には全く入っていません。ご縁があれば結婚するかもしれませんが、このまま独身だったらと思うと貯金をしても不安です。 これからどうしたらよいでしょうか?

手取り19万円のうち8万円を毎月貯蓄できた経緯

正社員35歳の方でも10年で1000万円はなかなか貯められないものです。 聖子さんは、当初、自分の会社が倒産するとは思っていなかったので、ボーナスの度に海外旅行に行き、家も駅に近い家賃が月6万円のところに住んでいたそうです。貯金は毎月の生活費や飲み代、好きなテニスの道具を買ったりして余った分が貯まっているだけだったので5年も働いていたのに気が付けば80万円しかなかったとのことでした。

就職が決まらず貯金が減ってだけの生活が怖く、貯金があるうちに毎月の家賃を減らすため家賃4万円の家に引っ越し、貯金が40万円程になる時に派遣社員になることが決まったそうでした。貯金は先取りして毎月8万円を必ず貯め、残った金額で生活するようにし、10年で1000万円貯めることができたとのことでした。

iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)や生命保険で控除を活用する

聖子さんのように、投資が怖くて全額を普通預金に入れているという方は少なくありません。まずは税金が安くなる控除を活用することから始めてみましょう。 いきなり普通預金の1000万円には手をつけず、まずは毎月8万円の貯金を工夫します。お金の「置き場所」をどこにするかで税金がかなり異なるからです。 例えば、月8万円のうち4万円を下記のように振り分けてみます。

・iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金) 2万3000円(年27万6000円)

所得税1万3800円、住民税2万7600円を毎年節税できます。 iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)は、元本保証の定期預金や保険、元本保証はない運用商品の投資信託から自分で選んで積み立てていくものです。聖子さんは普通預金以外が初めてということでiDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)を始めることがファーストステップ。 まずは、税金の控除を目的として定期預金を選びました。聖子さんはまだ35歳で払い出せる60歳までは25年ありますので、物価上昇のリスクヘッジをするためにも少しずつお話して投資信託を選んでもらう予定です。

【確定拠出年金(iDeCo)専用】SBI証券


・個人年金保険 月1万円(年12万円)

所得税2000円、住民税4800円を毎年節税できます。

・終身保険 月7000円(年8万4000円)

所得税2000円、住民税4800円を毎年節税できます。(解約金が貯まるタイプで貯蓄も兼ねて加入する場合)

普通預金金利は0.001%ですから、1000万円でつく現在の利息は税引き後で80円弱です。当面の資金はあるので、節税しながらお金を貯められる場所を活用しない手はありません。毎月貯金している額の半分である4万円をこのような内訳にすると1年で5万5000円税金を安くすることができます。

普通預金1000万円のままにせず、一部を投資へ

投資が恐いと言っても、投資をしないこともリスクがあります。今年35周年のディズニーランドですが、開園当初のチケットは3900円でした。今は7400円と2倍近くになっています。これは物価が上がる「インフレ」の一例ですが、普通預金に置きっぱなしではこのインフレに対応することはできません。

投資信託などで、投資を始める必要があります。また、銀行もネット銀行にすれば金利が少し高くなります。普通預金の「置き場所」がどこかでつく金利も変わってきます。

聖子さんとは相談の結果、インフレに負けないために、投資についても今後少しずつ検討していくことになりました。

平成30年4月から派遣も無期雇用に

平成25年4月1日の労働契約法の改正に伴い、同一の使用者との間で期間の定めのある労働契約が通算5年を超えて反復更新された場合、労働者からの申込みにより、期間の定めのない労働契約(無期雇用契約)に転換できるようになりました。

聖子さんが申し出れば期間ごとの契約終了を心配する必要のない無期雇用にすることができるので安心して働き続けることはできるようになります。ただし、正社員と給与やボーナスなどの待遇が同じになるわけではなく、契約の期限がなくなるということです。

契約を切られる心配はなくなりましたが、15年前と就職事情はかなり異なります。平成15年の有効求人倍率は0.69でしたが、平成30年4月には1.59となり、かなりの売り手市場です。貯蓄はできてはいますが、収入アップのために他の仕事に目を向けてみてもいいかもしれません。もちろん、スキルアップもしていかなければなりません。

貯めるお金の「置き場所」を変え、今後の働き方とも向き合う

聖子さんは、ただひたすら通帳の残高を増やすことばかり考えて、税金のことを考える余裕がなかったとのこと。少しずつ控除の仕組みを知り、貯めるお金の「置き場所」を変えることにしました。

自分のキャリアについても再度見直し、ずっとしてみたかった医療系の事務の仕事に就くために、資格取得をしながら正社員の道を探してみたいそうです。

お金の整理ができてきたので、もともと好きだったテニスを習い始め一緒のグループの2歳年下の男性といい感じとのこと。これから先どうなるかわかりませんが、結婚できることになったらまた相談しますと笑顔で帰られました。

自分だけではどうしてよいかわからないこのような時もファイナンシャルプランナーはお客様に寄り添って一緒に考えていきます。

PayPay証券

稲村 優貴子 ファイナンシャルプランナー(CFP︎︎®︎)、心理カウンセラー、ジュニア野菜ソムリエ

大手損害保険会社に事務職で入社後、お客様に直接会って人生にかかわるお金のサポートをする仕事がしたいとの想いから2002年にFP資格を取得し、独立。現在FP For You代表として相談・講演・執筆活動を行っている。日経ウーマン、北海道新聞などへの記事提供、テレビへの取材協力など各メディアでも活躍中。著書『年収の2割が勝手に貯まる家計整え術』河出書房新社。趣味は、旅行・ホットヨガ・食べ歩き・お得情報収集。FP Cafe登録パートナー

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