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18/06/12

相続・税金・年金

事実婚にした場合の税金や保険のメリット・デメリット

パートナーとの愛の形は、結婚だけとは限りません。婚姻届けは出していないが、実質的な夫婦と同じ状態を「事実婚」と言います。事実婚を選んだ場合は、法律的な夫婦とどのような違いがあるのでしょうか。

事実婚と法律婚の違いとは

事実婚の反対は、「法律婚」。法律婚とは、婚姻届けを出して入籍をした、法的な婚姻のことです。そのため、事実婚と法律婚の違いは、婚姻届け=紙切れ一枚だけの差だと考える人もいますが、この一枚の差は決して小さくありません。
結婚には、法的な義務や権利が発生します。そのひとつがお互いに支えあうことです。そして、事実婚ではそのような義務や権利に縛られないとも言えます。

法律婚の、主な義務と権利は以下のものです。

○義務

・同居、相互扶助の義務
夫婦は同居して、お互いに協力しなければなりません。

・夫婦の生活費を収入・資産に応じて負担する義務
夫婦の生活にはお金がかかりますが、収入・資産が多いほうは、少ない配偶者よりもたくさんのお金を出さなくてはいけません。

・未成年の子の監護義務
夫婦に未成年の子がいれば、親権者の両親は子供を監護(監督と保護)し、育てていくためのお金を負担しなければなりません。

○権利

・財産分与請求権
離婚する場合、財産が少ないほうは、多いほうに財産を分けるように請求する権利があります。

・相続権
夫婦の一方が亡くなった場合、生きているもう一方は財産(遺産)を相続する権利があります。

一般常識として、夫婦になったらこういうものと思っていることが、法律にも定められているのですね。

一方、事実婚はこのような義務や権利は基本的にありません。それは、法律に守られた婚姻関係ではないからですが、このような義務や権利に縛られない関係を望むカップルが事実婚を選んでいると言えるでしょう。
お互いに自由を尊重し、経済的にも自立しているケースが多いのもうなずけます。

事実婚の税金はどうなっている?

これらの義務や権利を踏まえて、税金にも事実婚と法律婚で扱いが異なることがあります。事実婚のメリットとデメリットを考えてみましょう。

●メリット

税金については、事実婚ならでの節税メリットはありません。
法律婚では、専業主婦の妻と会社員の夫の場合、「配偶者控除」や「配偶者特別控除」が適用になり、夫の税金が安くなりますが、事実婚の場合は適用になりません。税金は、法律婚を優遇しています。

●デメリット

事実婚で専業主婦になった場合には、夫の「配偶者控除」が適用にならないため、夫が払う税金が減らず、世帯での収入は少なくなってしまいます。
また夫が亡くなった場合、夫の相続人に自動的になることはできません。遺言書などで、事実婚の妻に相続させることを表していない場合は、夫の親や兄弟などに相続され、事実婚の妻は何も受取れません。受取った場合には相続税がかかりますが、配偶者控除(1億6千万または法定相続分)がありませんので税金が高くなってしまいます。

事実婚の社会保険

医療保険や年金保険などの社会保険は、事実婚と法律婚の違いはあるのでしょうか。

●メリット

社会保険の場合、夫婦としての実態があれば、事実婚と法律婚はほぼ同じ扱いになっています。
事実婚の妻が専業主婦の場合、医療保険は事実婚の妻が夫の扶養に入ることができます。年金保険であれば、事実婚の妻は国民年金第3号被保険者になるので、年金保険料は払わなくてすみます。

●デメリット

事実婚の夫婦の場合、夫婦であることの証明が戸籍ではできません。そのため、夫婦の実態があることを証明できるものを用意しておく必要があり、面倒なことも多いでしょう。証明には住民票を利用することが多いため、住民票の続柄には「同居人」ではなく、「未届の夫」「未届の妻」としておくことが多いようです。

事実婚の生命保険

万一のために加入しておく生命保険の場合を見てみましょう。

●メリット

事実婚の夫が死亡した場合にも、事実婚の妻は保険金を受取れる保険会社が増えています。しかし、実際は保険会社によって扱いが異なりますので、契約時にしっかり確認しておく必要があります。
また、生命保険の請求の場合には、死亡したことを証明する公的な書面が必要ですが、書面の請求は、基本的に他人にはできません。そのため、社会保険の手続き同様、入籍はしなくても、住民票には「未届の夫」「未届の妻」として届け出ておくとスムースです。

●デメリット

生命保険に加入している場合、支払っている保険料は「生命保険料控除」が適用になって税金が安くなります。これは、法律婚の妻の保険であっても適用になります。
しかし事実婚の場合は、本人の保険のみが対象。事実婚の妻の保険は対象にはなりません。

まとめ

事実婚と法律婚、どちらを選ぶかは二人の人生観によります。それは決して損得だけで決まるものではありませんが、お金のことは大切なこと。それぞれのメリットとデメリットを知り、後悔のない選択をしたいですね。


タケイ 啓子
ファイナンシャルプランナー(AFP)。36歳で離婚し、シングルマザーに。大手生命保険会社に就職をしたが、その後、保険の総合代理店に転職。保険の電話相談業務に従事。43歳の時に乳がんを告知される。治療を経て、現在は治療とお金の相談パートナーとして、相談、執筆業務を中心に活動中。FP Cafe登録パートナー

記事提供:moneliy

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