17/11/20
つみたてNISA(積立NISA)ってなに?NISAと比較しながらやさしく解説
2018年から「つみたてNISA(積立NISA)」が始まりますが、その中身を正しく理解している人は少ないようです。つみたてNISA(積立NISA)とは何なのか、従来のNISAとの違いも含めてみていきましょう。
つみたてNISA(積立NISA)の概要
2018年1月から「つみたてNISA(積立NISA)」が始まります。ちなみに、口座開設の受付は10月1日から始まっています。
つみたてNISA(積立NISA)とは、積立投資専用の「NISA(少額投資非課税制度)」です。NISAという名が付いていることから、従来のNISA同様、投資によって得られた売却益(譲渡益)や分配金の運用益は非課税になるという制度です。
日本では、運用益に対して、20.315%の税金(所得税+住民税+復興特別税)がかかります。例えば、投資信託を運用して10万円の利益が出た場合、2万315円の税金を支払い、手取りは8万円程度です。比率だとピンときませんが、金額に直して考えてみると、結構大きいですよね。つみたてNISA(積立NISA)を活用すると、10万円がまるまるもらえることになります。
つみたてNISA(積立NISA)では、年間40万円までの元本(投資金額)が非課税となっています。そして非課税期間は20年と長期です。累計すると、最大で800万円(40万円×20年)までが非課税で運用できます。
NISAとつみたてNISA(積立NISA)の違いは?
従来のNISA(以下、NISA)との違いを気になった方もいるかと思います。
そしてNISAとつみたてNISA(積立NISA)どちらが選べば良いのか考えている方も多いことでしょう。ここからは、NISAとの違いをみていきましょう。
※ロールオーバー:非課税期間が終わった時に、翌年の非課税投資枠にそのまま移すこと
※損益通算:1年間の取引で得た利益と損失を合計し、税金のもとになる利益を減らすこと
※繰越控除:損益通算の結果、損失が残ってしまった場合、その損失を3年間繰り越して、翌年以降の利益から差し引けること
●新規に投資できる期間
NISAは、2023年まで新規に投資することができます。一方、つみたてNISA(積立NISA)は、2018年から2037年の間に新規に投資することができます。
●非課税となる期間
非課税となる期間については、NISAは5年間に対し、つみたてNISA(積立NISA)は20年間となっています。つみたてNISA(積立NISA)の方が、より長期投資に適した制度と言えます。
●非課税が適用される、年間投資上限額
NISAは、年間120万円までの元本が非課税となりますが、つみたてNISA(積立NISA)は年間40万円と3分の1になっています。年間の非課税枠ではNISAに軍配が上がります。
●投資対象商品
NISAでは、国内外の個別株、REIT(不動産投資信託)、ETF(上場投資信託)、投資信託が対象ですが、つみたてNISA(積立NISA)は金融庁が定めた厳しい基準を満たす投資信託・ETFに限定されています。
つみたてNISA(積立NISA)の基準を満たす投資信託は、金融庁が公表していて、インデックス型の投資信託が103本、アクティブ型の投資信託が14本で、合計117本となっています(執筆時では11月8日公表が最新)。非課税枠の中で、国内外の個別株やREITへ投資したい方はNISAを選んだ方が良いでしょう。
●投資方法
NISAでは、まとまった金額を一括で投資することも、積み立てで投資することもできます。つみたてNISA(積立NISA)は、積み立て投資のみ認められていて、一括での投資ができません。購入の頻度は、毎月、隔月、年2回のボーナスのみなど様々です。金融機関によって、購入頻度の選択肢は異なりますので、事前に確認しておきましょう。
初心者はつみたてNISA(積立NISA)でコツコツ投資をスタート
ここまでつみたてNISA(積立NISA)の概要、NISAとの違いを見てきました。
まとめると、NISAはまとまった金額で投資ができ、投資できる商品も広いので、投資経験者や個別株に投資したい方にとっては、NISAの方が利用しやすいでしょう。
一方、つみたてNISA(積立NISA)は、年間の投資金額こそNISAに劣りますが、その分、非課税期間が長く、NISAよりも「長期」「積立」投資に向いている制度です。
投資できる商品は、金融庁に厳選された商品で数も少ないので、数が多すぎて選べないということもなく、初心者の方が投資を始めやすい仕組みになっています。
投資は、いきなり大きな金額で始める必要は全くありません。毎月1000円、3000円、5000円など家計に負担のない範囲で投資を学びながら、スタートすれば良いのです。そして、お金自身に働いてもらう経験を積み、慣れてきたら毎月の投資金額も少しずつ増やして資産を拡大していきましょう。
コツコツ投資をすることは、金銭的なメリットだけでなく、投資が楽しいものだと気付きも与えてくれますよ。
つみたてNISA(積立NISA)おすすめ金融機関4選
つみたてNISA(積立NISA)スタートにぴったりの金融機関をご紹介します。
● SBI証券
・ほとんどの投資信託を網羅。有力商品を選びやすい
・毎日・毎週・毎月・複数日・隔月の5つの購入タイミングを選べる
・SBIハイブリッド預金を使うと入金・出金がスムーズ
● マネックス証券
・取扱商品が100本以上。100円から購入可能
・チャットによる質問対応、パソコン出張サービスなどサポートが充実
・アプリ・パソコンツールが豊富で使いやすさに定評
● イオン銀行
・イオン内に店舗があるため、買い物ついでに立ち寄れる
・年中無休で夜21時まで営業(一部例外あり)のため、相談しやすい
・「イオン銀行Myステージ」のポイントが貯まり、普通預金金利がアップ
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頼藤 太希 マネーコンサルタント
(株)Money&You代表取締役。中央大学商学部客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に現会社を創業し現職へ。ニュースメディア「Mocha(モカ)」、YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」、書籍、講演などを通じて鮮度の高いお金の情報を日々発信している。『はじめての新NISA&iDeCo』(成美堂出版)、『定年後ずっと困らないお金の話』(大和書房)、『マンガと図解 はじめての資産運用』(宝島社)、など書籍100冊、累計170万部超。日本証券アナリスト協会検定会員。宅地建物取引士。ファイナンシャルプランナー(AFP)。日本アクチュアリー会研究会員。X(旧Twitter)→@yorifujitaiki
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