25/10/11
「年収は全く同じなのに」老後資金が3倍以上差がつく5つの習慣

貯蓄は、高収入だからできる、とは限りません。
金融経済教育推進機構(J-FLEC)の調査によれば、年収300万~500万円未満の60歳代(二人以上世帯)で、3000万円以上の貯蓄を持つ人は14.1%。一方で、1000万円に満たない人は59%です。同じ年収でも、貯蓄に3倍以上の差があることがわかります。
60歳代の貯蓄は、老後資金そのもの。安心して老後を過ごすには、経済的なゆとりは少しでも多く持っていたいですね。
今回は、貯蓄ができる人ならではの、5つの貯蓄習慣をお伝えします。
老後資金が3000万円以上ある人の習慣1:貯蓄のゴールを意識する
貯蓄に大切なのは目標です。
具体的には、「いつまでに、いくら貯めるか」を決めること。
たとえば、「65歳までに3000万円」と設定することで、毎月どれくらいずつ積み立てていけば達成できるのか、明確になります。
ゴールが漠然としたままで貯蓄をしても、この先いくら貯まるのかわかりません。
さらに、お金が貯まったとしても、老後資金として十分なのか、それとも不足するのかもわからず、かえって不安になってしまうのではないでしょうか。
貯蓄は、将来の安心が得られるものです。
目標とするゴールを決めて、貯蓄の過程も安心できるようにしていきましょう。
ゴールがあると、日々の支出にも優先順位をつけやすくなります。
老後資金が3000万円以上ある人の習慣2:無理なく節約する
いくら収入があっても、無駄づかいをしていては貯蓄することは難しいでしょう。
かといって、無理やり節約しても長続きしません。
実は、貯蓄が多い人ほど極端な節約はしていません。
貯蓄を増やすには、続かない節約ではなく、効果の大きい固定費を見直すのがポイントです。
たとえば生命保険の見直し、格安スマホへの変更、不要なサブスクの解約など。
ひとつひとつは毎月数千円程度の節約でも、20年続ければ大きな違いになります。
無理のない節約を長く続けて、大きな効果につなげましょう。
老後資金が3000万円以上ある人の習慣3:先取り貯蓄
貯蓄の王道は、「先取り貯蓄」です。
先取り貯蓄とは、収入が入ったら、まず貯蓄分を取り分ける貯蓄法のこと。
そして、残ったお金で生活をするスタイルにすると、確実に資産を増やせます。
お金が手元にあると、つい使ってしまうものです。
ですから、「余ったら貯めよう」と思っても、なかなかお金は残りません。
収入のタイミングに合わせて自動積立を利用すれば、その収入から一部分を自動で取り分けて貯められるので、手間なく貯蓄を増やせます。
老後資金が3000万円以上ある人の習慣4:ボーナスを貯める
大きな貯蓄を作る人は、ボーナスを将来の備えと考えて、貯蓄にまわす人が少なくありません。
ボーナス全額を貯蓄や投資に回す、あるいは半分を貯蓄にして残りを旅行や大きな買物などの楽しみに使う、といったルールを決める人も。
まとまったお金を定期的に積み立てることは、老後資金の大きな差につながります。
ボーナスを、毎月の生活費の赤字補てんに使っている、という人は要注意です。
せっかくの貯蓄のチャンスを逃しているだけではなく、ボーナスがカットされたら生活費が足りなくなるリスクを抱えているからです。
給料は毎月決まった金額が約束されていますが、ボーナスは業績によっては少なくなりますし、場合によっては出ないこともあり得ます。
ボーナスは生活費に組み込むのではなく、あくまで臨時収入のひとつとして、貯蓄や楽しみのために使うお金と考えましょう。
老後資金が3000万円以上ある人の習慣5:NISAやiDeCoを使う
貯蓄を効率よく増やすには、おトクな制度の利用は欠かせません。
NISA(ニーサ、少額投資非課税制度)や、iDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)といった、税制優遇のある制度を活用している人も少なくありません。
どちらも、運用益は非課税です。さらにiDeCoは、掛金が全額所得控除になります。
iDeCoは60歳までは基本的に解約して現金化することができませんが、だからこそ確実に老後資金づくりができます。
投資に慣れていなくても、毎月の少額からコツコツ始めることができます。将来の生活費を準備する上で、効率の良い方法といえるでしょう。
日々の習慣の違いが老後資金の差を生む
同じ年収でも、老後資金に大きな差が生まれるのは日々の習慣の違いからです。無理なくできる工夫を生活に取り入れることで、未来の安心はぐっと近づきます。
今日からできることをひとつずつ積み重ねて、安心の老後に近づいていきましょう。
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タケイ 啓子 ファイナンシャルプランナー(AFP)
36歳で離婚し、シングルマザーに。大手生命保険会社に就職をしたが、その後、保険の総合代理店に転職。保険の電話相談業務に従事。43歳の時に乳がんを告知される。治療を経て、現在は治療とお金の相談パートナーとして、相談、執筆業務を中心に活動中。FP Cafe登録パートナー

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