24/04/02
新NISAで狙いたい連続増配「配当貴族」と「配当王」全リスト どんな銘柄がある?
新NISAの投資先として注目されているのが高配当株・連続増配株です。なかでも連続増配株に投資すれば、中長期で資産を安定的に増やす期待ができます。今回は、連続増配株にまとめて投資できる「配当貴族」「配当王」と、組み入れられている銘柄の全リストを紹介します。
そもそも連続増配株とは?
企業が利益の一部を株主に分配することを配当といいます。そして、配当で分配されるお金(配当金)の金額を増やすことを増配といいます。連続増配株とは、その増配を何年も連続して続けている銘柄のことです。
増配は、財務が安定していて、業績が堅調でなけければできません。何十年も増配を続けている企業は、バブル崩壊、リーマンショック、コロナショックといった暴落があっても増配しているわけですから、優良企業だといえます。
新NISAでは、配当金や分配金といったインカムゲイン(資産を持っているだけでもらえる利益)も非課税にできます。ですから、新NISAで連続増配株を購入すれば非課税で配当金をもらい続けることが可能。もちろん、値上がりすれば値上がり益(キャピタルゲイン)だって非課税でもらえます。
そのうえ、連続増配株は相場の下落にも強い傾向があります。市場の暴落時には、どんな銘柄も値下がりする全面安の展開になります。しかし、そうなると優良企業の株は「割安だ」と判断されます。そうして、買いたい人が集まり、一足早く株価が回復するというわけです。
配当貴族は25年、配当王は50年連続増配
ただ、いくら連続増配株が優良企業だといっても、好調な業績や連続増配がいつまでも続くという保証はありません。1銘柄、2銘柄程度に投資していても、肝心の投資先の銘柄の業績が悪化したり、連続増配が終わったりする可能性も、ないとはいえません。
そこで活用したいのが「配当貴族(Dividend Aristocrats)」と「配当王(Dividend Kings)」。配当貴族は25年以上連続増配の銘柄、配当王は50年以上連続増配の銘柄を指す呼び名です。
日本の連続増配株のトップは、34年連続増配している花王(4452)。2位のSPK(7466)は25年連続増配です。本稿執筆時点(2024年3月25日)、日本ではこの2銘柄が配当貴族で、配当王は1銘柄もありません。一方、後述しますが米国株には配当貴族はもちろん、配当王となる50年以上増配を続ける銘柄もたくさん存在します。
投資信託のなかには、配当貴族・配当王をもとにした株価指数に連動する商品があります。これを利用すれば、1本買うだけでさまざまな配当貴族・配当王の銘柄に分散投資するのと同様の効果が期待できる、というわけです。
配当貴族に投資できる「S&P500配当貴族指数」の構成銘柄は?
配当貴族に投資できる株価指数のなかでよく知られているのが「S&P500配当貴族指数」です。S&P500配当貴族指数は、S&P500という米国の大型株500銘柄で構成された株価指数のなかから、過去25年間以上連続して増配している配当貴族の銘柄を抜き出して作成された株価指数です。
本稿執筆時点でS&P500配当貴族指数に採用されている銘柄は67銘柄あります。
<S&P500配当貴族指数に採用されている67銘柄>
(株)Money&You作成
S&P500配当貴族指数と連動を目指す投資信託には「Tracers S&P500配当貴族インデックス(米国株式)」があります。
●Tracers S&P500配当貴族インデックス(米国株式)
基準価額:11,900円
純資産総額:104.62億円
信託報酬:0.1155%
(2024年3月22日時点)
S&P500配当貴族指数には、財務健全性の高い、安定成長の企業が集まっているため、下落相場に強い特徴があります。したがって、つみたて投資枠でS&P500に投資しつつ、S&P500配当貴族指数にも投資する、という使い方ができます。
配当王に投資できる「iFreePlus米国配当王」の構成銘柄は?
また、配当王に投資できる投資信託としては「iFreePlus米国配当王(年4回決算型)」があります。
●iFreePlus米国配当王(年4回決算型)
基準価額:11,652円
純資産総額:13.82億円
信託報酬:0.286%
(2024年3月22日時点)
配当が毎年増やせる企業は、業績が安定していて、利益を蓄積できている企業です。iFreePlus 米国配当王を利用すれば、そうした企業にまとめて投資ができます。なお、iFreePlus 米国配当王には年4回分配金を支払う「年4回決算型」のほかに、分配金を再投資して資産を増やす「資産成長型」があります。
iFreePlus米国配当王が投資対象としている配当王銘柄は次の48銘柄です。
<iFreePlus米国配当王の投資対象となる配当王銘柄>
(株)Money&You作成
配当貴族・配当王の銘柄の中には、日本でもおなじみの銘柄がいくつかあります。たとえば、次のような銘柄は、配当王であり配当貴族でもあります。
●コカ・コーラ(KO)
ノン・アルコール飲料の世界最大メーカー。主要品名は「コカ・コーラ」、「ダイエット・コーク」など。61年連続増配中です。
●スリーエム(MMM)
ふせんの「ポスト・イット」でおなじみの多国籍企業。粘着テープ、研磨材・医療用製品など、さまざまな商品を製造・販売しています。65年連続増配中です
●プロクター・アンド・ギャンブル(PG)
「P&G」といえばお分かりになる方がほとんどでしょう。洗剤、おむつ、ヘアケア製品など幅広い製品を製造・販売しています。67年連続増配中です。
新NISAで連続増配株に投資しよう
連続増配株に手軽に投資できる投資信託として、配当貴族・配当王に連動する商品を紹介しました。これらの投資信託には、新NISAの成長投資枠を利用して投資が可能です。新NISAで購入することで、安定した配当金が得られるのはもちろん、値上がり益も期待できます。ぜひ活用を検討してみてくださいね。
*本記事で紹介した商品については、あくまでも参考として申し述べたものであり、売買を推奨するものではありません。投資は自己責任でお願い致します。
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畠山 憲一 Mocha編集長
1979年東京生まれ、埼玉育ち。大学卒業後、経済のことをまったく知らないままマネー本を扱う編集プロダクション・出版社に勤務。そこでゼロから学びつつ十余年にわたり書籍・ムック・雑誌記事などの作成に携わる。その経験を生かし、マネー初心者がわからないところ・つまずきやすいところをやさしく解説することを得意にしている。2018年より現職。ファイナンシャル・プランニング技能士2級。教員免許も保有。趣味はランニング。
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