24/07/15
新たに年金・低所得者世帯に給付金がもらえる?対象となる条件は
2024年6月21日に岸田首相は首相官邸にて記者会見を開催しました。その中で明言したのは、年金世帯や低所得者世帯に対する新たな経済対策の実施です。まだ詳細が発表されたわけではありませんが、どのような施策を実施しようとしているのでしょうか?
そこで今回は、秋に策定を目指す、年金世帯・低所得者世帯に対する経済対策とはどのような内容になるのか、記者会見の内容から見ていきたいと思います。また、経済対策の対象となる世帯についてもご紹介します。
秋に策定を目指す新しい経済対策とは?
岸田首相は記者会見の中で、物価高対策として即効性のある施策と、2024年秋に策定を目指す経済対策を二段構えで実施すことを明言しました。
その第一弾として実施するのが、即効性のある施策であるエネルギー関連への補助です。「酷暑乗り切り緊急支援」として、8月から10月の3ヶ月間、電気・ガス代への補助金を実施します。また、ガソリン代への補助金も2024年内は継続すると明言しました。
第二弾となる経済対策では、物価高で食費などの高騰に苦しむ年金世帯・低所得者世帯に対し、給付金を支給することで支援を行うことを検討しています。対象となるのは、これまでに実施された価格高騰重点支援給付金の対象となる「住民税非課税世帯」と「住民税均等割のみ課税世帯」になる見込みです。
そのほか、学校給食費等の保護者負担の軽減や、農林水産業、中小企業、医療・介護、保育、学校施設、公衆浴場、地域公共交通、物流、地域観光業などへも物価高騰に対する幅広い支援を実施することを検討しています。
実施するのは非課税世帯等への給付金の追加支援
これまでも価格高騰重点支援給付金として、住民税非課税世帯と住民税均等割のみ課税世帯に対し給付金が支給されてきました。2024年秋に実施予定の低所得者世帯や年金世帯に対する給付金は、これまでの給付金による支援に対する追加支援という位置づけです。
食品や日用品の値上げによって、私たちの家計は大きな打撃を受けてきました。しかし、今後も物価高騰の波は止まる気配がありません。そんな中、国は追加の給付金を支給することで、家計のやりくりに苦しむ低所得者や年金世帯に対し、さらなる支援をすることを検討しています。
対象となる低所得者世帯とはどんな世帯?
秋の経済対策で対象となる低所得者世帯とはどのような世帯になるのでしょうか?
すでに2024年度価格高騰重点支援給付金として、住民税非課税世帯と住民税均等割のみ課税世帯に対し、給付金による支援が実施されています。岸田首相の記者会見によると、2024年秋の経済支援は「追加の給付金で支援」と明言していることから、今回も住民税非課税世帯と住民税均等割のみ課税世帯が対象になると考えられます。
では、住民税非課税世帯と住民税均等割のみ課税世帯はどのような世帯になるのでしょうか?住民税が非課税か否かは、主に収入によって決まりますが、その収入の目安は自治体により異なります。今回は、東京都23区内の場合についてご紹介します。
●住民税非課税世帯とは
住民税の所得割と均等割の両方とも非課税になるのは、以下に該当する場合です。
・生活保護法による生活扶助を受けている
・障害者・未成年者・寡婦(夫)・ひとり親で、前年の合計所得金額が135万円以下である(収入が給与のみの場合、年収204万4千円未満)
・前年の合計所得金額が一定額以下である
【東京23区内の場合】
・同一生計配偶者又は扶養親族がいる
35万円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数)+31万円以下
・同一生計配偶者及び扶養親族がいない
45万円以下
●住民税均等割のみ課税世帯とは
住民税の所得割は非課税で、均等割のみ課税世帯となるのは、以下に該当する場合です。
・前年の合計所得金額が一定額以下である
【東京23区内の場合】
・同一生計配偶者又は扶養親族がいる
35万円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数)+42万円以下
・同一生計配偶者及び扶養親族がいない場合
45万円以下
東京23区以外では、住民税非課税世帯・住民税均等割のみ課税世帯に該当する合計所得金額が異なる場合があるので、住所地の自治体で確認しましょう。
給付金の動向に注目しよう
2024年6月に実施された記者会見で明言された経済対策は、電気・ガス代とガソリンへの補助金は実施される予定ですが、低所得者世帯や年金世帯への支援については、詳細は未定です。
どれくらいの給付を受けられるのか、いつ頃から給付を受けられるのか、給付を受けるための手続きはどうなるのかなど、経済対策の詳細については今後の動向に注目しましょう。
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前佛 朋子 ファイナンシャル・プランナー(CFP®)・1級ファイナンシャル・プランニング技能士
2006年よりライターとして活動。節約関連のメルマガ執筆を担当した際、お金の使い方を整える大切さに気付き、ファイナンシャル・プランナーとなる。マネー関連記事を執筆するかたわら、不安を安心に変えるサポートを行うため、家計見直し、お金の整理、ライフプラン、遠距離介護などの相談を受けている。
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