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23/08/28

家計・ライフ

マイナンバーカード返納は意味あるのか 返納するメリット・デメリットをまとめてみた

マイナンバーカード返納は意味あるのか 返納するメリット・デメリットをまとめてみた

個人情報漏えいの心配や政府に対する不信感から、マイナンバーカードを自主返納する人が増えています。本記事では、マイナンバーカード返納のメリットやデメリットについて解説します。返納を迷っている人は、参考にしていただければ幸いです。

どれくらいの人がマイナンバーカードを返納している?

マイナンバーカードは義務的なものではなく、申請するのも返納するのも自由です。返納したい場合、市区町村役場に「個人番号カード返納届」を提出してカードを返すだけでOKです。マイナンバーカード発行時にもらったマイナポイントを返す必要もありません。

政府の発表によると、マイナンバーカード発行が開始した2016年以降の7年間で、返納されたカードは累計47万枚です。マイナンバーカードにまつわるトラブルが相次いで発覚した2023年6月には、1ヶ月で約2万枚の返納があったとされています。

ただし、この数の中には、自主返納以外の返納も含まれています。
・国外に転出する場合
・転居後住所変更手続きをせず90日を経過した場合
・紛失などで再交付を受けた後、以前のマイナンバーカードが見つかったとき
など、マイナンバーカードの返納が必要な場面もあります。

どれくらいの人がマイナンバーカードを自主返納しているかについて、現時点で正確な統計はありません。しかし、自治体からの報告や報道、SNSで盛り上がっているマイナンバーカードの返納運動などを考えても、返納が増えていることは間違いないでしょう。

マイナンバーカードを返納するメリット

ここで、マイナンバーカードを返納することのメリットについて確認してみましょう。

●紛失・盗難の心配がなくなる

マイナンバーカードを持っていれば、紛失や盗難により、他人に悪用される可能性があります。マイナポータルにログインされ、個人情報が漏えいするリスクも考えられるでしょう。カードを返納してしまえば、紛失や盗難の心配はなくなります。

●カードや電子証明書の更新の手間がなくなる

マイナンバーカード本体は10年ごとに、格納されている電子証明書は5年ごとに更新が必要です。カードを返納すれば、更新の手間も省けます。

マイナンバーカードを返納するデメリット

次に、マイナンバーカードを返納するデメリットを挙げてみます。

●再発行時に費用がかかる

マイナンバーカードを自主返納した後、再発行してもらう場合には1000円の手数料がかかります。将来また作成せざるを得なくなったら、手数料は無駄な出費となってしまうでしょう。

●健康保険証として使えなくなる

マイナンバーカードを返納すれば、健康保険証(マイナ保険証)として使えなくなります。政府は2024年秋にマイナ保険証への完全移行を目指しており、従来の健康保険証は使えなくなる見込みです。マイナ保険証がない場合、健康保険の資格確認書を医療機関で提示しなければ健康保険の適用が受けられなくなります。

●住民票等をコンビニで取れなくなる

マイナンバーカードがない場合、住民票や戸籍謄本、印鑑証明書などをコンビニで取得できません。

●電子申告が利用しにくくなる

マイナンバーカードがあれば、e-Taxを利用して確定申告する際に便利です。現在、マイナンバーカードがなくてもID・パスワード方式によりe-Taxの利用は可能です。しかし、ID・パスワード方式はマイナンバーカード普及までの暫定的な対応とされています。マイナンバーカードがなければ、e-Taxが利用できなくなる可能性もあります。

●政府側の事務負担が増加する

マイナンバーカードの返納が増えれば、役所の事務負担が増加します。給付金の速やかな給付も難しくなってしまうでしょう。役所の人件費は税金から支払われているため、国民にとってもデメリットとなってしまいます。

●返納してもマイナンバー自体はそのまま

マイナンバーカードを返納しても、マイナンバーがなくなるわけではありません。マイナンバーにより情報が管理される状況は変わらず、紐づけミスなどが起こるリスクもそのままです。マイナンバーの提示が必要な場面では、マイナンバー入りの住民票等を用意しなければならず、不便に感じるでしょう。

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まとめ

マイナンバーカードを返納すれば、紛失や盗難のリスクはなくなります。しかし、マイナンバーそのものはなくならないため、他に返納の現実的なメリットはあまりないと考えられます。返納によりデメリットになることも多いため、よく考えてから返納するのがおすすめです。

森本 由紀 ファイナンシャルプランナー(AFP)・行政書士・離婚カウンセラー

Yurako Office(行政書士ゆらこ事務所)代表。法律事務所でパラリーガルとして経験を積んだ後、2012年に独立。メイン業務の離婚カウンセリングでは、自らの離婚・シングルマザー経験を活かし、離婚してもお金に困らないマインド作りや生活設計のアドバイスに力を入れている。

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