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23/07/04

相続・税金・年金

「やらないと損」年金をもらっている人が忘れてはいけない3つの手続き

「やらないと損」年金をもらっている人が忘れてはいけない3つの手続き

初めて年金をもらうときには請求手続きが必要ですが、年金をすでにもらっている人がしなければならない手続きもあります。今回は、年金をもらっている方がしなければならない手続きのなかで、忘れると損してしまう可能性があるものについて解説します。

忘れてはいけない年金の手続き1:加給年金の請求

加給年金とは、年金の家族手当のようなもの。厚生年金をもらっている人が65歳になった時点で、65歳未満の配偶者や18歳未満の子を養っていると加算されます。ただし、要件を満たしていれば自動的にもらえるわけではなく、自分で請求手続きをしなければなりません。

手続きに必要な書類は、下記の通りです。

・老齢厚生年金・退職共済年金 加給年金額加算開始事由該当届
・厚生年金をもらっている人の戸籍謄本または戸籍抄本
・世帯全員の住民票の写し(続柄と筆頭者の記載があるもの)
・配偶者や子の所得証明書または非課税証明書

加給年金を請求する届出書に加え、配偶者や子との続柄、扶養している事実を証明する書類が必要です。また、配偶者や子の収入が850万円以上だと加給年金はもらえないため、収入や所得が分かる書類も用意しなければなりません。

忘れてはいけない年金の手続き2:亡くなった人がもらわなかった未支給年金の請求

年金をもらっていた人が亡くなると、もちろん、それ以降の年金を遺族がもらい続けてはいけません。黙ってもらい続けていると不正受給となってしまいますから、速やかに死亡の届出をして支給を止める必要があります。

ただし、年金は偶数月に前月と前々月の分がまとめて支給される後払いのシステムですから、亡くなった月の分までは「未支給年金」として、遺族が代わりに受け取る権利を持っています。例えば、年金をもらっていたAさんが5月に亡くなったとすると、Aさんの遺族は6月に支給される4月分と5月分の年金までは受け取って良い、ということです。なお、ここでいう遺族とは、亡くなった人と生計を共にしていた三親等内の親族のこと。配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹、その他の順に未支給年金を受け取る権利があります。

未支給年金をもらいたい場合は、年金事務所に死亡の届出をすると同時に、未支給年金の請求手続きも行わねばなりません。未支給年金を請求するのに必要な書類は、下記の通りです。

・未支給年金請求書
・亡くなった人の年金手帳・年金証書
・戸籍謄本または法定相続情報一覧図
・亡くなった人の住民票除票
・未支給年金請求者の世帯全員の住民票
・金融機関の通帳やキャッシュカード

請求書や年金手帳・証書のほかに、亡くなった人と請求する人の続柄が分かる書類や、生計を共にしていたことを示す書類が必要です。未支給年金を振り込んでほしい金融機関の通帳やキャッシュカードも忘れずに用意しましょう。

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忘れてはいけない年金の手続き3:雇用保険に関する届出

ハローワークに行って雇用保険の失業給付(基本手当)を受ける手続きを行うと、65歳未満がもらう特別受給の老齢厚生年金は全額停止されます。失業給付の申し込みをしてから実際に受け取るまでには7日間の待機期間があり、自己都合退職の場合はそこからさらに1ヶ月〜3ヶ月給付されない期間がありますが、この期間中も年金は受け取れません。失業給付を全て受け取り終える、もしくは失業給付をもらえる期間が過ぎてから、実際には失業給付を受けられなかった期間の年金をさかのぼって受け取る、という仕組みになっています。

失業給付を受け取った上で年金もさかのぼって正しく受け取るためには、日本年金機構へ雇用保険に関する届出を行わねばなりません。具体的には、下記の書類を年金事務所に提出する必要があります。

・老齢厚生・退職共済年金受給権者 支給停止事由該当届
・雇用保険受給資格証または雇用保険受給資格通知

また、60歳以降も働く人が雇用保険の高年齢雇用継続給付を受けると、年金の一部が支給停止されます。このときも、雇用保険に関する手続きを行わねばなりません。年金事務所に提出する書類は以下の通りです。

・老齢厚生・退職共済年金受給権者 支給停止事由該当届
・高年齢雇用継続給付支給決定通知書または高齢雇用継続給付支給決定通知書

なお、年金を請求するタイミングで雇用保険に関する届出をすでに行っていた人は、失業給付を申し込む際や高年齢雇用継続給付を受給する際に再度手続きを行う必要はありません。

まとめ

年金をもらっている人がやっておかないと損する手続きについて紹介しました。年金は受け取る権利があっても、自分から請求しないともらえないのが基本です。逆に、手続きを忘れたことによって、もらいすぎた年金を後で返金しなければならない場合も。本記事を参考に、必要なときには忘れずに手続きを行い、不明点があれば必ず年金事務所に問い合わせるようにしてください。

木下七夏 Webライター

大学卒業後金融機関に勤め、個人のお客さま向けの営業を担当。退職後にFP2級を取得し、フリーライターに。FPで学んだ知識や金融機関勤めの経験を生かして、生活にまつわるお金の疑問を分かりやすく噛み砕いて解説する記事を作成している。

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