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23/05/17

相続・税金・年金

「手取り減で悲しい…」パートは厚生年金・社会保険に加入すると得なのか

「手取り減で悲しい…」パートは厚生年金・社会保険に加入すると得なのか

パートで働く人の場合、自分で厚生年金に加入せず、配偶者の扶養に入った状態ということもあるでしょう。働く時間を増やすことを考えたとき、「厚生年金の加入義務が生じるのでは?」と心配な人も多いのではないでしょうか?
今回は、パートで働く人が厚生年金に加入する条件について説明します。厚生年金加入のメリットについてもお伝えしますので、働き方を考える上で参考にしていただければ幸いです。

パートで厚生年金加入が必要になるパターンは3つ

会社で働く正社員の人は、厚生年金加入が必須です。一方、パートなどの短時間勤務の人は、労働時間等の条件によって、厚生年金加入の要否が分かれます。
2023年5月時点で、パートで厚生年金に加入しなければならないのは、次のア~ウに該当する人です。

●ア 労働日数・労働時間が正社員の概ね4分の3以上の人

労働時間が多めでフルタイムに近い人は、社会保険加入が必要です。正社員の所定労働時間は週40時間が一般的ですから、週30時間を超えたら厚生年金加入義務が生じると考えてよいでしょう。

●イ 労働日数・労働時間が正社員の4分の3未満でも、一定の条件をみたす人

2022年(令和4年)10月以降は、次の①~⑤の要件をすべて満たす人に、厚生年金加入義務が生じています。
①従業員101人以上の会社に勤めている
②1週間の所定労働時間が20時間以上
③雇用期間が1年以上の見込み
④月額の賃金が8.8万円以上
⑤学生ではない

月額賃金8.8万円は年収にすると約106万円です。パートでも年収106万円を超えると厚生年金等の加入義務が生じることがあることから、「106万円の壁」と呼ばれます。

●ウ 年収130万円以上であるため配偶者の扶養に入れない人

会社員の配偶者がいる人は、配偶者の社会保険(厚生年金・健康保険)の扶養に入るという選択肢があります。社会保険の被扶養者になるには、原則として年収が130万円未満でなければなりません。年収130万円以上の場合には、被扶養者になれないため、自分で社会保険に入る必要があります。この場合には、パート先の厚生年金・健康保険に入るか、国民年金・国民健康保険に加入するかのどちらかになります。いわゆる「130万円の壁」です。

厚生年金加入対象者はさらに拡大予定

2024年(令和6年)には上記イで説明した「106万円の壁」の適用事業所の従業員数が変更され、厚生年金加入対象者は次のとおり拡大される予定です。

●2024年(令和6年)10月改正

①従業員51人以上の会社に勤めている
②1週間の所定労働時間が20時間以上
③雇用期間が2か月を超える見込み
④月額の賃金が8.8万円以上
⑤学生ではない

新たに厚生年金に加入する場合、健康保険にも同時加入となります。厚生年金保険料のみならず、健康保険料の負担も発生します。40歳以上なら介護保険料の負担もあります。毎月の給与から社会保険料が天引きされ、手取り額が減ることになります。

これまでは、パートで手取りが減らないようにするために、「130万円の壁」を意識していた人が多かったのではないでしょうか?今後は「106万円の壁」の方を意識して働き方を考えた方がよいでしょう。

●年収106万円なら手取りはどう変わる?

配偶者の扶養内で働いている年収106万円以上130万円以下の人は、制度改正により社会保険(厚生年金、健康保険)加入が必要になることがあります。年収106万円の人が新たに社会保険に加入すると、手取りがどのくらい減るかをみてみましょう。

年収106万円の人でも、所得税や住民税、雇用保険料が天引きされているはずですから、手取りは106万円ではありません。年収106万円で厚生年金・健康保険未加入の人の手取りはだいたい104万円くらいです。

しかし、社会保険加入により厚生年金保険料及び健康保険料が追加で天引きされるようになると、年収106万円の人の年間の手取り額は90万円程度になります。つまり、制度改正により、年間で約14万円手取りが減るということです。1か月に1万円以上も手取りが減るのは大きいと感じるかもしれません。

ただし、手取りが減るというデメリットにばかり注目しない方がよいでしょう。厚生年金に加入することには、メリットもたくさんあるからです。

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パートでも厚生年金に加入するメリットとは?

パートの人が勤務時間を増やすと、厚生年金に加入しなければならなくなることがあります。また、「106万円の壁」の対象者拡大により、勤務時間が変わらない状態でも、今後新たに厚生年金に加入義務が生じる人が出てきます。
厚生年金に入った方が良いのか、それとも勤務時間を減らして扶養内でいる方が良いのか、迷ってしまう人も多いでしょう。厚生年金に加入すると、以下のようなメリットがあります。

●パートでも厚生年金に加入するメリット1:将来もらえる年金が増える

老後に受け取れる公的年金には、老齢基礎年金と老齢厚生年金があります。厚生年金の加入歴がない人は老齢基礎年金だけですが、厚生年金の加入歴があれば老齢厚生年金ももらえます。公的年金は一生涯受け取れる終身年金なので、厚生年金加入で増えた年金額を一生もらい続けることができます。特に女性は平均寿命が長いので、厚生年金を増やしておくと、長生きした場合の安心感が大きいでしょう。

●パートでも厚生年金に加入するメリット2:障害状態になった場合にも備えられる

公的年金には、病気やケガで障害状態に陥ったときに受け取れる障害年金の制度もあります。障害年金にも障害基礎年金と障害厚生年金があります。厚生年金の加入歴があれば、障害基礎年金に加えて障害厚生年金も受け取ることが可能です。障害基礎年金は国民年金の障害等級表で定められた1級または2級の障害の状態で支給されますが、障害厚生年金は3級の障害の状態でも対象になります。厚生年金加入により、もしもの場合の保障を充実させることができます。

●パートでも厚生年金に加入するメリット3:死亡時の保障が増やせる

公的年金には、遺族年金の制度も設けられています。加入者が亡くなったときに生計を維持されていた家族は、要件をみたしていれば遺族年金を受給できる可能性があります。遺族年金にも遺族基礎年金と遺族厚生年金がありますが、遺族厚生年金は厚生年金加入歴がないと受け取れません。

●パートでも厚生年金に加入するメリット4:病気やケガ、産休時の収入の保障がある

厚生年金に加入する場合、健康保険にも同時に加入することになります。健康保険には傷病手当金や出産手当金の制度があります。病気やケガで働けなくなった場合には、通算で1年6か月の間、傷病手当金として給料の3分の2相当が健康保険より支払われます。出産で仕事を休んだときにも、給料の3分の2相当の出産手当金の支給が受けられます。

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厚生年金に加入せず手取りを維持するには?

パートでも厚生年金に加入すると、将来の年金を増やしたり、万一の場合の保障を充実させたりできるというメリットがあります。しかし、そうは言っても、毎月の手取りが減ると家計が厳しくなってしまいます。
「今は子供にお金がかかるので、少しでも手取りが多い方がいい」と思う人もいるでしょう。「最近は物価も上がっているので、今手取りが減ってしまうのは困る」という人もいるはずです。
制度改正により新たに厚生年金の加入義務が生じるパートの人も、厚生年金に加入しないですむような対策をすれば、これまでと同じ手取り額を維持できます。現在年収106万円の人が厚生年金加入対象を外れるには、次のような方法が考えられるでしょう。

●厚生年金加入対象を外れる方法1:勤務時間を減らして年収を減らす

パートで年収を106万円以下に抑えたら、厚生年金加入義務は生じません。勤務時間をこれまでより減らして年収106万円を超えないように調整すれば、社会保険料を払わずにすみます。
たとえば、年収105万円なら手取りは103万円程度、年収103万円なら手取り102万円程度です。このくらいなら、年収106万円の場合と手取りはほとんど変わりません。年収106万円を少し超えるくらいの人なら、勤務時間を少し減らすだけで、これまでとほぼ同額の手取りを維持できるでしょう。

●厚生年金加入対象を外れる方法2:社会保険加入義務が生じない職場に転職する

社会保険加入の必要があるのは、従業員数が一定数以上の職場です。従業員数の少ない会社や個人事務所などでパート勤務をする場合には、年収106万円でも社会保険加入の必要はありません。今のパート先にこだわらないなら、職場を変えて手取りを維持してもよいでしょう。

厚生年金に加入しても手取りを減らさない方法は?

厚生年金加入にはさまざまなメリットがあります。厚生年金に加入し、手取りも維持できるのならそれがいちばんでしょう。厚生年金に加入し、なおかつ手取りを減らさないためには、次のような方法があります。

●厚生年金に加入しても手取りを減らさない方法1:勤務時間を増やして年収を上げる

年収そのものを増やすことができれば、社会保険料を差し引きしても、今と同じ手取りを維持できます。今と同じ職場で年収を上げるには、勤務時間を増やす必要があるでしょう。勤務時間を増やすためには、自分の都合と職場の都合の両方が関係してくるため、簡単ではないかもしれません。しかし、もし可能なら、働く時間を増やして年収を上げることを考えてみましょう。
年収106万円の人の場合、厚生年金加入後に年収を125万円まで増やせば、それまでと同じ手取り104万円を維持できます。仮に時給1000円とすると、年間で190時間、1か月あたり16時間程度勤務時間を増やせばOKということです。そのくらいなら増やせそうという人は、ぜひ考えてみてください。

●厚生年金に加入しても手取りを減らさない方法2:転職して時給を上げる

「勤務時間を増やしたくても、子供が小さくて今は無理」という人もいるでしょう。時給の高い職場に転職すれば、勤務時間はそのままで年収を上げられます。
たとえば、年収106万円、時給1000円の場合、労働時間は年間1060時間です。時給1200円の職場に転職して今と同じく年間1060時間働けば、約127万円を稼ぐことができます。この場合も、今と同程度の手取りは維持できることになります。
これまでのキャリアや資格を活かして、今よりも高時給の職場に転職できないかを考えてみましょう。勤務時間を増やさなくても、年収を上げられるかもしれません。

●厚生年金に加入しても手取りを減らさない方法3:在宅勤務の求人を探す

コロナ禍以降、在宅勤務・リモートワークが可能な会社が増えました。働きたくても、家庭の事情により長時間外で働けない人にとっては、好都合な世の中になってきたということです。
小さい子供がいる人でも、在宅勤務なら勤務時間を増やせる可能性がないでしょうか?在宅勤務の求人や、在宅勤務を組み合わせられる仕事を探してみるのもおすすめです。

●厚生年金に加入しても手取りを減らさない方法4:副業で収入をプラスする

社会保険加入で手取りが減った分を、副業でカバーすることも考えてみましょう。正社員は副業が禁止されている会社もありますが、パートなら副業ができるところも多いはずです。
パートの人は元々働ける時間が限られていることが多いため、他の勤務先とかけもちするのは難しいかもしれません。パソコンを使って在宅でできる副業や、短期・単発のアルバイトを選んだら、自分のペースで働きやすいでしょう。得意なことを活かして起業するという選択肢もあります。
仕事を複数持っていれば、1つの仕事を失ったときにも大きく困らずにすみます。1つの会社で社会保険に入っていれば、もしものときの保障も得られ、他の仕事にも安心して取り組めます。社会保険加入をきっかけに、働き方を大きく見直してみてはいかがでしょうか?

まとめ

厚生年金に加入すれば手取りが減りますが、長い目で見れば決して損する選択とは限りません。日本の社会保障制度は諸外国に比べて充実していると言われますが、社会保険料を払うことでその恩恵をしっかりと受けられることも知っておきましょう。今の手取りを重視するか、将来の年金や各種の保障を重視するかをよく考えた上で、働き方を考えるのがおすすめです。

森本 由紀 ファイナンシャルプランナー(AFP)・行政書士・離婚カウンセラー

Yurako Office(行政書士ゆらこ事務所)代表。法律事務所でパラリーガルとして経験を積んだ後、2012年に独立。メイン業務の離婚カウンセリングでは、自らの離婚・シングルマザー経験を活かし、離婚してもお金に困らないマインド作りや生活設計のアドバイスに力を入れている。

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