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23/03/20

家計・ライフ

定年後、真っ先に見直すべき「ある支出」

定年後、真っ先に見直すべき「ある支出」

それまで毎月決まった日にお給料が入ってきた現役時代と違って、定年退職を迎えた後はお金の使い方にも変化があります。まず、無駄な支出は見直して、生活費をスリムにすることから始めましょう。しかし、多くの人が知らず知らずに無駄遣いをしている項目があるのです。本当にその支出が必要なのかを考え、無駄だと判断したら見直してみましょう。

無駄を見直すならまずは保険料から

老後に限ったことではないですが、家計の見直しをするのであればまずは固定費から見直します。固定費は一度見直しをして支出を抑えることができれば、その効果はずっと続きます。食費や、趣味の支出を減らすとなると、我慢を強いられたり、努力をしたりしなくてはなりませんが、固定費の見直しは、我慢や努力を必要としないため、一度見直しをすると効果が継続できるメリットがあるからです。

固定費の代表的なものは、家賃、住宅ローン、光熱費、保険料などです。家賃や住宅ローンは見直しをすると効果は大きいですが、65歳を超えていると難しいこともあります。賃貸物件では借りにくくなることもあるでしょうし、住宅ローンの借り換えも難しいでしょう。光熱費についても、契約を見直すことで節約をすることはできますが、2022年から続く、エネルギーの高騰の影響は避けられません。節約してもそもそもの金額が上がってしまうと、反対に支出が増えてしまう可能性もあります。
それに対して、個人の裁量だけで見直し、削減ができる支出は、保険料です。保険は万が一のときや、病気やケガをしたときに助けになるものですが、現役時代と老後で、同じ保障は必要ありません。つまり、老後の生活費を見直すのであれば、まずは保険料から始めてみましょう。

65歳から69歳が保険料をもっとも納めている年代

日本人は保険の加入率が高いと言われます。実際、65歳を過ぎても多くの人が加入し、年間で40万円を超える保険料を支払っているのです。

●世帯年間払込保険料(世帯主年齢別)

生命保険文化センター「2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査」より

上の表は、1年間に各世帯が払っている保険料を世帯主の年齢別にまとめたものです。65歳から69歳までの人の保険料が43.6万円と一番高くなっています。また、年齢が上がると保険料も少なくなってはいきますが、それでも25万円以上の保険料を支払っています。

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無駄遣いとなっている保険を見直そう

もちろん、本当に必要な保険であればいいのですが、そうでない場合もあるのではないでしょうか。そこで、無駄遣いとなっている保険を見直してみましょう。

一般的な生命保険は、残された家族が生活に困らないように加入しています。つまり、子どもは独立し、夫婦二人、もしくは単身になっているのであれば大きな死亡保障は必要ないと言えます。
お葬式代くらいは必要だと考える人もいるでしょうが、コロナ禍以降、葬儀の常識も変化しました。たくさんの参列者に葬送してもらう従来型の葬儀から、家族や近しい人だけで行う家族葬型が多くなっています。従来型の葬儀ではおよそ200万円程度かかるようですが、家族葬では40万円から100万円程度が相場。かかる費用もかなり少なくなります。

年間40万円以上も保険料を支払っているのであれば、必要のない保険を解約しても、2年から3年で家族葬の費用分くらいは貯蓄を増やすことができるのです。

もし65歳以降も大きな死亡保障保険に加入し、保険料を払い続けているのであれば、本当に必要かどうか見直しましょう。

また、医療保険については、老後の健康のこと考えると必要かもしれません。65歳くらいでは健康であっても、80歳を過ぎても同じように健康でいられるとは限りません。病気やケガで入院したり、治療したりすることも考えられます。入院費用や、手術費用が支払われる保険では、自己負担負担分の補填にもなります。とはいえ、日額の大きな保険や、特約がたくさんついて、保険料の高いものが必要かというと、そういうことではありません。健康保険や国民健康保険では高額療養費制度があり、自己負担金額は一定金額までとなるからです。

しかし、公的保険があっても、入院したときの差額ベッド代は自己負担になります。差額ベッド代は、6人以上の部屋であればかかりませんが、4人部屋でも差額ベッド代がかかることがほとんどです。そういった費用に備えるために医療保険があると安心でしょう。保険料が高額なのであれば、日額を下げたり、不要な特約を解約したりするなど、最低限の保障に見直しするとよいでしょう。

まとめ

老後に使える資金には限りがあります。無駄な支出を削減し、人生を豊かにするために使いたいものですね。特に老後に必要な保険は、現役時代とことなります。定年退職までに保険料の払込が終わっていればいいですが、定年後も高額な支払いが続いているのであれば、本当に必要なものに見直し、支出を減らすことで家計の改善をしましょう。

黒須 かおり ファイナンシャルプランナー(CFP)

女性を中心に、一生涯を見守るFPとしてmoney&キャリアのコンサルティングを行う。幸せになるためのお金の知識など幅広い資金計画とライフプランのアドバイスを手がけている。金融機関にて資産形成のアドバイザーとしても活動中。FP Cafe登録パートナー

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