22/06/15
【年の途中でつみたてNISA開始】非課税枠を使い切る対応が可能なおすすめの証券会社
※本記事ではアフィリエイト広告を利用しています。
投資の利益にかかる税金がゼロにできるNISA(ニーサ・少額投資非課税制度)。近年、とくにつみたてNISAの口座開設数が増えていて、人気の様子がうかがえます。ただ、つみたてNISAの非課税で投資できる金額(非課税投資枠)は毎年40万円まで。特に年の途中でつみたてNISAをスタートした場合、非課税投資枠は使い切れるのでしょうか。
投資の利益が非課税にできるつみたてNISA
つみたてNISAは、金融庁の定める基準を満たした投資信託・ETF(上場投資信託)にコツコツ積立投資を行うことで得られた利益を非課税にできる制度です。
●つみたてNISAの概要
(株)Money&You作成
投資の利益には、ふつう20.315%の税金がかかります。しかしつみたてNISA口座で投資した利益には、税金がかかりません。つみたてNISAを利用すると、安定的にお金を増やせると考えられる「長期・積立・分散投資」が簡単にできるうえ、利益にかかる税金もゼロにできるので、お金を堅実に増やせるというわけです。
非課税投資枠を使い切れる「ボーナス月設定」
つみたてNISAでは、毎年40万円までの積立投資で得られた利益が、最長20年間にわたって非課税にできます。現状、新規に投資できる期間は2042年までですので、仮に2022年からつみたてNISAをスタートすれば、2042年までの21年間、最大で840万円まで非課税で投資ができます。
ただ、つみたてNISAの毎月の積立の上限額は40万円÷12か月=3万3333円となっています。たとえば7月からつみたてNISAをスタートした場合は、3万3333円×6か月=19万9998円ですから、およそ20万円しか投資できないことになってしまいます。このままでは、非課税投資枠の残りは使いきれません。また、つみたてNISAに限らず、NISAの非課税投資枠は翌年に持ち越せません。ですから、特に毎年40万円の非課税投資枠を使い切りたい人は「非課税投資枠が使いきれない…」となってしまうのです。
しかし、年の途中でつみたてNISAをスタートしても非課税投資枠を使い切る方法があります。それは、ボーナス月設定(ボーナス設定)を利用することです。ボーナス月設定は、年に2回まで投資額を増やすことができるしくみ。多くの証券会社・銀行でボーナス月設定をすることができます。
ボーナス月設定を活用すれば、たとえ7月からつみたてNISAを始めた場合でも、つみたてNISAの非課税投資枠の40万円を使い切ることができます。
つみたてNISAの非課税投資枠を使い切る金額設定は色々と考えられますが、たとえば、
・7月:3万円
・8月:3万円
・9月:3万円+ボーナス月設定11万円
・10月:3万円
・11月:3万円
・12月:3万円+ボーナス月設定11万円
と設定すれば非課税投資枠の40万円を使い切ることができます。
また、1月から12月までの12か月間で40万円を使い切る場合には、
・毎月3万円+ボーナス月設定2万円×2回
・毎月2万円+ボーナス月設定7万円×2回
・毎月1万円+ボーナス月設定12万円×2回
といった設定をすればいいでしょう。
さらに便利な非課税投資枠の使い切りサービスも
つみたてNISAの非課税投資枠を上手に使い切れるサービスを提供している金融機関もあります。おすすめのサービスを紹介します。
●SBI証券「NISA枠ぎりぎり注文・課税枠シフト注文」
つみたてNISAの投資信託からもらえる分配金は、基本的につみたてNISAの非課税投資枠で再投資されます。しかし、毎年40万円ぴったり非課税投資枠を使い切る設定をしていると、年の途中で分配金が再投資されたときに、12月の積立時に積立額が非課税投資枠の40万円を超えてしまいます。この場合、多くの金融機関では「非課税投資枠が不足している」という理由で積立ができなくなってしまいます。
その点、SBI証券の「NISA枠ぎりぎり注文」を設定していれば、12月の投資金額から分配金再投資の分を自動的に差し引いてくれるため、40万円ぴったり投資できるようになります。
たとえば、毎月3万円、ボーナス月設定2万円の設定をしているときに、分配金が1万円再投資されたとします。このとき、NISA枠ぎりぎり注文を設定していると、12月の投資額から分配金の1万円分を自動的に差し引いてくれる、というわけです。
・NISA枠ぎりぎり注文のイメージ
筆者作成
また、SBI証券の「課税枠シフト注文」では、NISAの非課税投資枠が積立設定金額よりも少ない場合、非課税投資枠をオーバーする分を課税口座(特定口座または一般口座)で買い付けることができます。
NISA枠ぎりぎり注文と課税枠シフト注文を組み合わせると、非課税投資枠が積立設定金額より少ない場合の買い付け方法を細かく設定できます。具体的には、次のとおりです。
① NISA枠ぎりぎり注文も課税枠シフト注文も設定する
→NISAの非課税投資枠で投資する・課税口座で残額を投資する
② NISA枠ぎりぎり注文のみ設定
→NISAの非課税投資枠を使い切る・課税口座では投資しない
③ 課税枠シフト注文のみ設定
→NISAの非課税投資枠は使わない・課税口座で投資する
④ NISA枠ぎりぎり注文も課税枠シフト注文も設定する
→NISAの非課税投資枠でも課税口座でも投資しない
つみたてNISAの非課税投資枠を使い切る観点からは②、さらに毎月の投資額を減らしたくないのであれば①を選ぶのがおすすめです。
>>SBI証券はこちら
●楽天証券「増額設定」
楽天証券の「増額設定」は、年の途中からスタートしたつみたてNISAの年間投資金額を調整するために、毎月・毎日の積立金額を増額できる機能です。1年間の非課税投資枠に余裕があって、その年の投資額を増やしたい場合に利用できます。
たとえば、7月からつみたてNISAをスタートする場合、毎月の投資金額3万3333円に加えて、3万3333円を増額することが可能。毎月6万6666円を投資することで、年間の投資額をほぼ40万円(39万9996円)にすることが可能です。
>>楽天証券はこちら
●マネックス証券「非課税枠使い切り機能」
マネックス証券「非課税枠使い切り機能」では、積立投資の買付金額よりもNISAの非課税投資枠が少ない場合に、残りの非課税投資枠の金額で買い付けを行います。「非課税投資枠が少ないから買い付けができなかった」という事態を回避できます。
クレカ積立ではボーナス月設定ができない点には注意
ボーナス月設定を利用することで、つみたてNISAの非課税投資枠を使い切ることをご紹介しました。しかし、近年人気のクレカ積立(つみたてNISAの代金をクレジットカードで決済する積立投資)では、ボーナス月設定ができないことには注意が必要です。楽天証券の増額設定でも、クレジットカードで決済できるのは基本積立金額(上限3万3333円)のみで、残り(増額分)は証券口座からの引き落としとなります。とはいえ、クレジットカードではなく現金で積み立てたとしても、非課税で投資できる金額が増えるのですから、できるだけつみたてNISAの非課税投資枠を使い切ったほうがいいでしょう。
まとめ
年の途中でつみたてNISAをスタートしても、ボーナス設定などの仕組みを利用することで、年40万円の非課税投資枠をほぼ使い切れることをご紹介しました。つみたてNISAの非課税投資枠は年40万円で、翌年以降に持ち越すことができないことを考えると、年の途中であってもつみたてNISAをスタートして、少しでも非課税投資枠を多く利用したほうがいいでしょう。もしまだつみたてNISAをスタートしていないなら、年の途中からであってもぜひ取り組んでみてくださいね。
【関連記事もチェック】
・国民年金「10年しか払わなかった人」の年金額はいくら? 年金はなんとか増やせないのか
・「子ども名義の口座」で注意しておきたい5つのこと
・1000万円以上貯蓄のある人が「絶対しない」5つの節約
・年収300万円世帯が国からもらえるお金はけっこう多い
・平均年収436万円の人が受け取れる年金額はいくらなのか
畠山 憲一 Mocha編集長
1979年東京生まれ、埼玉育ち。大学卒業後、経済のことをまったく知らないままマネー本を扱う編集プロダクション・出版社に勤務。そこでゼロから学びつつ十余年にわたり書籍・ムック・雑誌記事などの作成に携わる。その経験を生かし、マネー初心者がわからないところ・つまずきやすいところをやさしく解説することを得意にしている。2018年より現職。ファイナンシャル・プランニング技能士2級。教員免許も保有。趣味はランニング。
この記事が気に入ったら
いいね!しよう