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23/10/02

資産運用・経済

【2023年版】「つみたてNISA」のオススメ投資信託、お金のプロ厳選3本

【2023年版】つみたてNISA(積立NISA)のオススメ投資信託、お金のプロ厳選3本

毎年40万円までの投資の利益がゼロにできるつみたてNISA(積立NISA)。つみたてNISAでは、金融庁の基準を満たした投資信託をコツコツ積立で購入していきます。とはいえ、購入できる投資信託は200本以上もあります。どれを選んだらいいかわからないという方も多いでしょう。

今回は、投資信託を選ぶ基準を6つ取り上げます。こちらを元に、投資先・運用先別のおすすめ投資信託を3本厳選してご紹介します。

つみたてNISAの商品選び6つの基準

日本で購入できる投資信託は、約6000本あるといわれています。つみたてNISAの場合、そこから手数料が安く、長期投資で資産形成ができると考えられる約200本の商品が購入できます。そう考えると、すでに金融庁によって、全体の3%程度まで商品が絞り込まれている、ともいえます。ですからどれを買っても、大ハズレは少ないのではと考えられます。

しかし、せっかく自分のお金を出して投資をするのですから、そのなかからさらにいい投資信託を選びたいですよね。そのための基準を6つ、紹介していきます。

●つみたてNISAの商品選びの基準1:純資産総額は多いほどいい

純資産総額は、投資信託が組み入れている株式や債券などの資産の合計金額(時価総額)です。一般的に、投資をする人(ファンドマネージャー)の考える運用をきちんと実現するには、純資産総額はある程度大きくなければならないといわれています。
また、どの投資信託にも共通しますが、純資産総額があまりにも低いままだと、途中で運用を中止する「繰上償還」が行われてしまう可能性もあります。

インデックス型・バランス型なら純資産総額は大きいほうがいいでしょう。アクティブ型の場合は、純資産総額は大きければ良いわけではなく、適切なサイズであるかがポイントです。例えば中小型の株式が投資対象であるアクティブ型ならば、純資産総額は200億円〜500億円が適正サイズと言えます。

●つみたてNISAの商品選びの基準2:運用成績は右肩上がりだといい

株式の「株価」のように、投資信託の値段を表すのが基準価額です。これが純資産総額とともに、右肩上がりになっている投資信託をチェックしましょう。
運用成績が伸びれば純粋に利益も増えますし、資産の流入が多くなって投資信託の規模が大きくなれば投資信託はさらに運用をしやすくなって利益を出しやすくなる…という好循環が生まれます。

投資信託は性質上、短期で運用益を目指すものではありませんので、運用成績は最低でも3年、できれば5年、10年と中長期で堅調な成績を出している投資信託を選びましょう。

●つみたてNISAの商品選びの基準3:信託報酬は低いほどいい

投資信託には買うときに販売手数料、持っている間に信託報酬、売るときに信託財産留保額という手数料がかかる場合があります。つみたてNISAの場合、販売手数料は無料。信託財産留保額もかからない投資信託が多くなっています。それに対して信託報酬は持っている間ずっとかかります。投資期間は20年に及びますから、少しの差でもやがて大きな差になっていきます。ですから、できるだけ信託報酬の低いものを選びたいところです。

●つみたてNISAの商品選びの基準4:投資先の資産は多いほどいい

投資先はなるべく多いもの、市場全体をカバーできるものを選びましょう。たとえばNYダウとS&P500ならば、S&P500です。なぜなら、NYダウは米国を代表する30銘柄の値動きをもとに算出していますが、S&P500はニューヨーク証券取引所(NYSE)やナスダック(NASDAQ)に上場する銘柄のうち、時価総額の大きい500社を選んで算出しているからです。米国株式市場カバー率はNYダウが約25%、S&P500は約80%です。市場全体に投資するもののほうが市場の姿を反映するので、分散効果はより高まります。

●つみたてNISAの商品選びの基準5:シャープレシオは値が高いほうがいい

シャープレシオは「リスクに見合った利益が得られているか」を表す指標です。計算そのものはとても難しいのですが、投資信託の検索サイトなどでは数値をすぐに参照できるので、それを見ればいいでしょう。シャープレシオが大きいほど、リスクのわりに高いリターンを得ていることになります。
シャープレシオは、同ジャンル・同カテゴリの投資信託を比較する際に役立ちます。同程度のリスクをとって、リターンが良い方を選ぶのに、シャープレシオで見れば単に数値が大きいものを選べば良いというわけです。

●つみたてNISAの商品選びの基準6:トラッキングエラーは値が小さいほどいい

トラッキングエラーは、ベンチマークと投資信託の値動きの差を数値で表したもの。この数字が小さいほど、ベンチマークとする指標と連動している、ということを表します。インデックス型の投資信託はそもそもベンチマークとの連動が目標なので、小さいほどいいということになります。

つみたてNISAのオススメを紹介!お金のプロが買うならこの3本

以上を踏まえて、つみたてNISAで買うべきおすすめ投資信託を投資先・運用先別にピックアップしてみました。なお、以下金額・手数料率などはすべて2023年10月2日時点のものです。

●つみたてNISAオススメ投資信託1:eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)

純資産総額:14717.10億円
基準価額:19,832円
信託報酬(税込):年0.05775%
3年トータルリターン(年率):19.92%
MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスという、日本を含む世界の先進国23カ国・新興国24カ国、約3000もの株式で構成された指標との連動を目指します。1本買うだけで、世界の株式市場の85%をカバー可能。年0.05775%というとても安い信託報酬で、世界中の株式に分散投資できます。

●つみたてNISAオススメ投資信託2:eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)

純資産総額:2198.78 億円
基準価額:14,686円
信託報酬(税込):年0.143%
3年トータルリターン(年率):9.98%
5年トータルリターン(年率):6.31%
国内・先進国・新興国の株式と債券、国内外の不動産(リート)に均等に投資する「バランス型」と呼ばれる投資信託。1本で8つの資産にまとめて投資できる手軽さ、わかりやすさからか、資産も堅調に増加しています。

●つみたてNISAオススメ投資信託3:<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)

純資産総額:359.08億円
基準価額:15,897円
信託報酬(税込):年0.154%
3年トータルリターン(年率):9.41%
5年トータルリターン(年率):6.32%
国内外の株式と債券に均等に投資する投資信託。株式と債券の比率が50%ずつで、国内と海外の比率も50%となるため、先に紹介した「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」よりリスクを抑えた投資信託といえます。取り扱う金融機関も多く、どこでも買いやすいのがメリットです。

SBI証券[旧イー・トレード証券]

2024年からの新しいNISA制度が発表

2022年12月16日に公表された「令和5年度税制改正大綱」に、2024年からNISA制度が大幅に拡充されることが盛り込まれました。

【2024年からの新NISA】

(株)Money&You作成

新NISAの特徴は、次のとおりです。

●現行の一般NISA・つみたてNISAは2023年末で買付終了

現行の一般NISA・つみたてNISAの買付は、2023年末で終了します。ただし、現行の一般NISA・つみたてNISAで保有していた資産は、2024年以降も現行の非課税期間で保有できます。

●制度の恒久化・非課税保有期間の無期限化

運用益の非課税保有期間は一般NISAが5年間、つみたてNISAが20年間でした。新NISAでは、制度が恒久化。非課税保有期間が無期限になるため、より長期間投資ができるようになります。

●年間の投資枠の拡大・生涯投資枠の新設

現行のつみたてNISAは年40万円、一般NISAは年120万円までですが、新NISAでは「つみたて投資枠」で年120万円、「成長投資枠」で年240万円、合計で年間360万円まで投資できるようになります。
また、新たに生涯にわたる非課税限度額(生涯投資枠)が設けられます。生涯投資枠の上限は1800万円(うち成長投資枠は1200万円)です。なお、商品を売却して生涯投資枠に空きが出た場合、その空きを利用して新しく非課税の投資をすることができます。

●投資商品

つみたて投資枠ではつみたてNISA、成長投資枠では一般NISAと同様の商品を購入できます。ただし、安定的な資産形成のため、成長投資枠では「高レバレッジ投資信託」などの商品は投資対象から除外されます。また、回転売買(金融機関が手数料を取るために何度も売買を繰り返させること)の規制が行われます。

新NISAが2024年からだからといって、2024年まで待つ必要はありません。2023年からつみたてNISAをスタートさせ、投資に長く取り組むのがおすすめです。

まとめ

値上がりすることも値下がりすることもある投資信託のもっとも賢い買い方は、長期・分散・積立という基本を踏まえてコツコツ買うことです。
つみたてNISAを利用するだけでその基本が実践できて、しかも運用益非課税の恩恵まで受けられます。
今回紹介した商品選びのポイント・おすすめ商品をぜひ参考にしていただき、資産形成に取り組んでいただければ幸いです。

頼藤 太希 マネーコンサルタント

(株)Money&You代表取締役。中央大学商学部客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に現会社を創業し現職へ。ニュースメディア「Mocha(モカ)」、YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」、書籍、講演などを通じて鮮度の高いお金の情報を日々発信している。『はじめての新NISA&iDeCo』(成美堂出版)、『定年後ずっと困らないお金の話』(大和書房)、『マンガと図解 はじめての資産運用』(宝島社)、など書籍100冊、累計170万部超。日本証券アナリスト協会検定会員。宅地建物取引士。ファイナンシャルプランナー(AFP)。日本アクチュアリー会研究会員。X(旧Twitter)→@yorifujitaiki

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